Eighter -Practical Era-
69ther 〜過去の惨劇を追え B〜



#3
鈔金少(そうかね・すくな)「彼女には当時親しくしていた男女が五人いた……」
樫木堅(かしぎ・けん)「なるほど、分かったぞ、彼女を殺したのはその五人の中にいるってわけだな」
 あたかも俺だけが分かったと言った感じのドヤ顔で呟く(けん)だが、しかし、(すくな)の発言でみんな分かっている。
 流石は天四斗(あまよと)の逆コナン。見た目は高校生、頭脳は小学生だ
※ダメダメじゃん
 雨踊風呂止(うよう・ふろと)逆島映(さかしま・ばえる)売未来(うるみく)哀、舗道缶蹴(ほどうかん・しゅう)罅割弐玉(ひびわれ・にぎょく)……この五人が硝子と親しかった男女。
 そして、おそらくこの中に彼女を殺した犯人がいる。
(すくな)「この六人は一見すると仲の良いグループのように見えたが……」
 しかし、実際にはギスギスした関係だった……らしい。
 五人にはそれぞれ人には言えない秘密があったのです。
 雨踊風呂止(うよう・ふろと)……彼は再婚してできた義理の兄から酷いイジメを受けていた。しかし、彼自身は母親の幸せを願う
あまり一人耐えていたのだが、ある時、何者かにそのことを母に告げ口され、母がおかしくなってしまった。
 逆島映(さかしま・ばえる)……彼女はとある教師と交際関係にあり、更に子供もデキてしまった。彼女は子供を育てる決意でいたの
だが、何者かに教師が生徒に手を出して孕まされたとスッパぬかれ、教師は懲戒免職処分、彼女はショックで流産
 売未来(うるみく)哀……彼女は小説家になるのが夢で自作小説を仲間に見せて推敲していた。しかし、ある時、自分の作っ
た小説が勝手に小説家になろうサイトに他人の名前で出品され出版。自分が受け取るはずの栄誉を失ってしまった
 舗道缶蹴(ほどうかん・しゅう)……彼は厳しい親の敷いたレールを進むことにストレスを感じ、万引きを行うようになっていた。しか
し、ある時、何者かに万引きのことを学校に告げられ猛省する羽目になった。
 罅割弐玉(ひびわれ・にぎょく)……彼は盗撮が趣味で女子更衣室にカメラを仕掛けてはネットに上げて金儲けを行っていた。しかし、
ある時何者かにその件で脅迫を受け、売り上げを手放す羽目になった。
 ……そう、五人を破滅へと追い込んだ『何者』かは言うまでもなく硝子だ。故に五人は硝子を憎み、その仲は決
定的に砕け散ったのだ……
※ってか、どこかで聞いたことのある話だなぁ……
 そして、怨恨による犯行で五人の中の誰かが彼女を殺した……というわけだ。

#4
(すくな)「この五人の中にきっと犯人がいる……」
 それをみんなに推理してほしいのだ。
楸木(ひさぎ)秋「ってか、ミステリー研究部のあなたの推理は?」
(すくな)「え?」
秋「いや、参考までに聞かせてほしいなって……」
(すくな)「ですが、私が先に言うと、みんなそれに合わせてしまう虞もあるので……」
一同「あ〜、確かに、それはあるな……」
(けん)「フッ、俺はもう犯人が分かったぜ!」
 そんな中空気読めない学生ライフの(けん)が突然立ち上がる。
(けん)「五人の中から犯人を選ぶってことが間違っているんだよ……犯人は五人全員!これが事件の真相だぜ!」
一同「……」
(すくな)「残念ながら、それは違います。彼女の生徒手帳には、彼女が独自に調査を行った結果、犯人は五人の中の一人
であることを突き止めたとあります」
(けん)「くっ……だがっ、それが間違いということも」
一同「いや、それ言い出したらキリがないでしょ……」
 前提を覆すのはやめましょう。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)、風見原莉暗(りおん)「面白くなってきましたねぇ!」
一同「いきなりなんだよ!?」
 突如そんな事を大声で言い出す天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRのタッグに一同はビクってなる
斬子(きりこ)「彼女を殺した犯人はこの五人の中にいます」
莉暗(りおん)「そして、事件の真相はみなさんの中に潜んでいます」
一同「ねぇよ!」
 それだけは断言できる。

秋「でも、どうして、みんなの秘密を暴いたのが硝子だってことになったのかしら?」
(すくな)「いいところに目を付けましたね。実は、硝子さんはみんなの相談役みたいな立ち位置にあり、みんなから悩み
を聞いていたそうなんです」
莉暗(りおん)「人から秘密を聞き出すだけ聞きだして暴露する……とんでもない奴もいたもんだな」
 お前が言うな!
 風見原莉暗(りおん)は二階堂カウンセリングのライセンスを持つみんなの相談役の立ち位置にある教師である。
 ただ、オープンチャンネルで悩み相談を行う巫山戯(ふざけ)た所業故に誰も相談する人がいないのも事実だ。
 そして、ここからはまだ知られていないが、二階堂カウンセリングとは人から秘密を聞き出すだけ聞き出して、
素の悩みを解決しない間違ったカウンセリングである。
 つまり、極論を言うと人の弱みを握って好き放題するクソ野郎のことを二階堂カウンセリングというのだ。
※あなた、最低です

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