Eighter -Practical Era-
68ther 〜業禍見参で王堕つ D〜



#7
 なぜマシロノゥトは嵐尾(らんび)の攻撃を回避できたのか……それは(ひとえ)にシエラの、秘巫女のスキル、神仙の宣託おかげ
である。
 もともと超強運の持ち主であるシエラが使う神仙の宣託はもはや世界の真言と言っても過言ではない。
※本当にそうか?
 つまり、この戦いの勝利の鍵はシエラなのだ!
嵐尾(らんび)「だが、寿命が少し伸びただけに過ぎん!」
ベル・ゲルミル「おいおい、俺のことを忘れるとは余裕だな……」
嵐尾(らんび)「てめぇの時代は終わったんだ!大人しくそこで死んでろ!終末の喇叭(ラッパ)!」
ベル「シックス・スレイブ」
 ガゴゴゴゴゴッ
 分身の一人一人に対して攻撃を繰り出すベル君
嵐尾(らんび)「な、なにぃ!?」
ベル「傷一つ、つけたぜ?」
嵐尾(らんび)「き、貴様ッ!」
 意趣返しができて満足なベル君であった。
ベル(しかし、シエラのスキル……チート級過ぎんだろ……修道の女達(シスターズ)にはこんな化け物が二人もいたってことか
……)
 そしてそれを倒したストライクフォーミュラ……あまりにダークホース過ぎる……
 先日、討伐不可能と思われたレイドボスを撃破して見せた底力と言い……あるいはもしかしたら本当に……彼女
らの力を借りれば嵐尾(らんび)を倒せるかもしれない……
品辛斬子(ぴんから・きりこ)、風見原莉暗(りおん)「おし、ものども、畳み込め!」
樫木堅(かしぎ・けん)「おっしゃあ!」
 突撃命令!でも、実はこれ、無慈悲な特攻命令でもあるんですよ。
 そんなこととは梅雨知らず、モンクのクジョウが躍り出る
(けん)「激流け……へぼあっ!?」
嵐尾(らんび)「クソが!てめぇ如き雑魚が俺に一撃当てられると思うなよ!」
 クジョウ、キルアウト……
椿木(つばき)春、楸木(ひさぎ)秋「やっぱ無理ぃ〜〜」
 クジョウが一撃でキルアウトされたのを見て、まるで競争を諦めるウ○娘みたいな雰囲気で脱落宣言する生徒も
チラホラ
嵐尾(らんび)「あと、それからそこのスナイパー!てめぇもとっとと死ね!」
榛木(はしばみ)秦「うっそぉ!?」
 結構な距離を保って狙い撃つぜ!とかやろうと思った矢先に看破されてタジタジ。もはや逃げるしかないのだが
しかし、魔王からは逃げられない。もとい、嵐尾(らんび)からは逃げられない。
秦「ギャアアッ!」
 アスカ、雑にキルアウト……

#8
マシロノゥト「まさかスナイパーがこうも簡単に……」
ベル「まぁ、あまり期待はしてなかったが……」
杭木亢(くいぎ・こう)楯木(てすりぎ)盾「おらあ!透明なる槍撃(クリアランス)!」
 アスカの尊い犠牲のおかげでできた隙を目掛けてシスコン二人が槍で襲い掛かる。
嵐尾(らんび)「馬鹿が!貴様らを誘い込む罠だっての!」
 しかし、そんなものは嵐尾(らんび)には通用しない
嵐尾(らんび)「くたばれ!終末の喇叭(ラッパ)!」
(こう)、盾「うおおお!くたばれこのシスコン!」
 互いが互いを盾にしてこの場を切り抜けようとするが、いかんせんレベルが足りなすぎる……
 シスコン二人、仲良くキルアウト。
嵐尾(らんび)(互いに足を引っ張り合うとか、何がしかたっかんだ?こいつら?)
 さておき、ギリギリ圧されつつある状況なのは変わりないが、それでも、闘いは続く
楠木南「竜巻旋風戟(たつまきせんぷうげき)!」
嵐尾(らんび)「その技は馬が弱点!」
榎木(えのき)夏「ツインバードデストラクト!」
嵐尾(らんび)「カウンターじゃないなら恐るるに足らず!」
 ナナミもメビスもあっさりと攻撃を防がれる。
※いや、少しは成長しなさいよって話……
ベル「シックス・スレイブ!」
嵐尾(らんび)「終末の喇叭(ラッパ)!」
 分身と連撃が交差する……
嵐尾(らんび)「チッ、やはり、貴様が一番の難敵か……さっきからどうやって俺の攻撃を掻い潜っているかしらんが……」
ベル「お前は強いよ……だが、どうしてだ……どうしてこんなことをする?」
嵐尾(らんび)「貴様、俺の秘密を……」
白拍子かんな「あと尻尾じゃなくて物語ですよ?」
嵐尾(らんび)「え!?」
 いきなりそんなことを言われて、思わず動きを止めてしまう嵐尾(らんび)。
マシロノゥト「この瞬間を待っていたんだ〜!」
 いや、お前どこのト○アやねん!
嵐尾(らんび)「なめるな!終末の喇叭(ラッパ)!」
 チート級のスキル、神仙の宣託にも限度がある。回数制限という限界が……そして、その限界を超えた時、最早
嵐尾(らんび)の前に砕け散るのみ……
マシロノゥト「ぐはああ!?」
ベル(マシロノゥト、すまん……)
ベル「シックス・スレイブ!」
 ドゴドゴドゴドゴドゴッ
 マシロノゥトに気を取られている一瞬の隙をついて、六連撃を直撃させるベル君
嵐尾(らんび)「てめぇも、図に乗るなッ!終末の喇叭(ラッパ)!」
 ズドオンッ
 しかし、不幸なことに嵐尾(らんび)を仕留めきれず、キルアウト

#9
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「ハッハッハッ!真打は遅れて登場するものだ!教鞭・愛の鞭!」
 ズビシィッ
嵐尾(らんび)「てんめぇ!終末の喇叭(ラッパ)!」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「ハッハッハッハッ!無駄だ!」
 教鞭・愛の鞭は一度だけ敵の攻撃を完全回避できる!
かんな「神閃(しんせん)諧謔(かいぎゃく)!」
 スパンッ
嵐尾(らんび)「嘘、だろ!?」
 勝利の鍵はシエラ!その言葉に偽りはなく、長きにわたった戦いはこれにて終決した。

嵐尾(らんび)「くそっ、油断した!」
 現実世界にて、キルアウトにつきログアウトされた嵐尾(らんび)は苛立ちを隠せずにいた。
嵐尾(らんび)「だが、次はない!」
 決意を新たに再びIFOにログインしようとする嵐尾(らんび)。しかし、その時悲劇は起こった
システムメッセージ「でろでろでろりん。お気の毒ですが冒険の書は消えてなくなりました」
嵐尾(らんび)「はい!?」
 かんなの超強運はここまでやる!
嵐尾(らんび)「嘘だろ!?俺の十年の努力がああッ!?」
 こうして、数多の世界を転生して俺TSUEEEってやってきた嵐尾(らんび)の旅は終わりを告げたのだった。
 ちなみに、その後、ベル君は再びトップランカーに返り咲いたのは言うまでもない。


END

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