Eighter -Practical Era-
68ther 〜業禍見参で王堕つ C〜



#5
 そして、決戦前日……ナナミとシエラはまだ情報収集を続けていた。
ベル・ゲルミル「よ!」
楠木南「あっ、ベル・ゲルミルさん……」
 かんなの超強運の導きか、サラっとベル君と遭遇を果たす。
ベル「お前ら……嵐尾(らんび)に挑むってのは本気か?」
南「ええと……その……成り行きで……」
ベル「悪いことは言わない。やめておくべきだ!」
 しかし、あのベル君がここまで言うとは珍しい。
ベル「奴の強さはハッキリ言って異常だ。俺やマシロノゥトがこうも一方的にやられるなんておかしい……」
 奴はLv78らしいが、それでもここまで一方的に叩きのめされるなんて通常はありえない。
 また、いきなり登場してLv78というのも妙な話である。
ベル「それでだ……俺も俺なりに調べてみた……」
 ここ数年、オンラインゲームの世界で颯爽と登場し、一気にトップランカーに躍り出ているプレイヤーがいる。
 あるゲームでは運命尾と言うプレイヤーが、また、別のゲームでは深淵尾というプレイヤーが……更に別のゲー
ムでは永遠尾というプレイヤーが……
マシロノゥト「なんだって!?じゃあ……まさか……」
 そこへ万年二位(今や三位……)のマシロノゥト選手も現れる。
ベル「いずれもいきなり高レベルプレイヤーとして突如出現して首位の座を奪っていっている」
 おそらくこいつらは同一人物だろう……とベル君は推察する。
ベル「そして、奴の強さの秘密は……おそらくデータコンバートだ!」
マシロノゥト「データコンバート!?」
 奴は一つのゲームでキャラクターをレベルマックスまで育てるとそのステータスをそのままに低レベルでデータ
コンバートして暴れ待っている。
 その証拠に運命尾というプレイヤーがいなくなったのと同じくして深淵尾というプレイヤーが現れ、深淵尾とい
うプレイヤーがいなくなったのと同じくして永遠尾というプレイヤーが現れた。
 そして、永遠尾というプレイヤーがいなくなったのと同じくしてIFOに嵐尾(らんび)が現れた……
※ってかそんな無茶苦茶なデータコンバートあります!?
南「なんか転生して俺TSUEEEってやってる昨今のラノベ主人公みたい……」
一同「……」
 言いえて妙だった。

#6
南「ようするに奴を倒すには垢バンしかないってことね」
一同「いや、そんな身も蓋もないことを……」
 さておき、負けっぱなしなのは癪なので、当然ベル君、マシロノゥトも嵐尾(らんび)討伐戦に参加することとなった。
 心強い味方ではあるが、しかし、彼らがいたとしても必ず勝てるとは限らないのがデータコンバートの恐ろしさ
である
※本当か、それ?
南「しっかし、○○尾ってネーミングが好きなのね……へんな名前」
白拍子かんな「きっと物語と勘違いしているんじゃないかと」
一同「いやいやいや、そんなまさか……」
 ぽつりと漏らすシエラのセリフに思わず突っ込みを入れる一行(ナナミ以外)
※誤:Tail、正:Tale

 さておき、運命の決戦の日が訪れた。
嵐尾(らんび)「リベンジか……いいぜぇ、かかってきな、IFOトップランカーの力、思い知らせてやる!」
 いや、てめぇの力は今までの積み重ねのチートだろ!とベル君らは心の中で突っ込んだ
※今までの積み重ねのチートってなんかすごいパワーワード……
品辛斬子(ぴんから・きりこ)、風見原莉暗(りおん)「おし!ベル・ゲルミル選手やマシロノゥト選手も草葉の陰からこの闘いを応援してくれて
いるはずだ!存分に我らの底力を見せてやろう!」
ベル、マシロノゥト「いや、目の前に本人がいるんですけど……」
一同「なんか、すいません……」
 思いっきり暴言を吐く教師二人に、生徒が謝罪。
マシロノゥト「いくぜ!今日は貴様にほえ面かかせてやる!」
嵐尾(らんび)「フン、断言しよう、貴様らが束になったところで俺に傷一つ負わせることはできん!」
マシロノゥト「ぬかせぇ!」
嵐尾(らんび)「ベル・ゲルミルにも勝てない貴様が、俺様に勝てるわけないだろうが!終末の喇叭(ラッパ)!」
 ドッゴガガガガッ
嵐尾(らんび)「まずは一人!」
 分身が手裏剣や苦無をもって四方八方からマシロノゥトに襲い掛かり、哀れ最初の戦いの二の舞に……なるかと
思ったが、しかし……
マシロノゥト「それは、どうかな?」
嵐尾(らんび)「何ぃ!?」
 マシロノゥトは生きていた。
嵐尾(らんび)「貴様、何をした!?」
マシロノゥト「フッ、手品の種をバラすのはマジシャンとしては失格だぜ?」
 いや、別にマシロノゥトはマジシャンじゃないですけど、どちらかというと三味線リスト?
※いや、青森から上京して来たんじゃないんだから……

前の話へ  戻る  次の話へ