Eighter -Practical Era-
67ther 〜極寒の獄竜を討て C〜



#5
ベル・ゲルミル「シックス・スレイブ」
 ドドドドドドッ
 縦横無尽に動き回り、六連撃を叩き込む。
 キュレ〜〜〜ッ!
榛木(はしばみ)秦「なぁ、HPが三割を切ったらどうなるんだ?」
 遂に氷嵐竜・コキュートスのHPは三割を切る。
ベル「流石に打ち止めさ……」
 再びキュ○ムの姿に戻る氷嵐竜・コキュートス。つまり、これは再び氷・ドラゴンタイプに戻ったことを示す
椛木(もみじ)花「熱い夜のひと時(フレイム・ノクターン)」
 再び炎属性を付与する†ボトル†。
柊木(ひいらぎ)冬「遂に私が輝くときが来たのね〜」
 いや、喋ってないで攻撃を繰り出してください。
冬「走れ爆炎!轟け爆熱!燃え盛れ!祝福せし燦陽(サイディラル・ベネディ)」
 ドズゴオオンンッ
 隕石群が降り注ぎ辺り一帯を焼き尽くす。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「ならば、こっちも負けていられないな」
風見原莉暗(りおん)「おうともよ!」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「教鞭・愛の鞭!」
 ズダダンッ
 それは、死体に鞭を打つような所業……先ほどの冬の一撃で既に氷嵐竜・コキュートスは撃滅できた……のだが
しかし、HPが0になる前に天四斗のDr.キリコとGTRが割り込んだことでトドメを刺したのはこの二人となった。
一同「いやったぜぇええ!」
 うおおお〜〜!と喜びの雄たけびを上げる一行
ベル「いや、まさか勝てちまうとはな……」
一同「え!?」
 それはどういう!?
 ぽつりと漏らすベル君の発言に一同、固まる。
ベル「ん?……いや、俺の見る限りアンタらの力量では氷嵐竜・コキュートスは倒せないと思っていたんだがなぁ
……」
 ベル君曰く氷嵐竜・コキュートスを倒すには最低でもLv50は必要らしい。そして、ベル君はいざとなったら一人
でどうにかしようと思っていた……とのこと。IFOトップランカーってパねぇ!
※なお、熱砂王・アンタレスも同じく最低でもLv50くらいは必要だったようです。
一同「……」
 さて、では、どうして勝てたのか……それはもう、かんなの超強運のおかげとしか言いようがないですね。
※さすが、かんな、そこに痺れる、憧れるぅ!

 さておき、目的は達成できたため、ベル君ともここでお別れだ。

#6
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「みんなよく頑張ったな、では本日はこれにて解散」
一同「ちょっと待てぇい!」
 そもそも、IFOはゲームであっても遊びではない(授業の一環だもの)。繰り返す、IFOはゲームであっても遊び
ではない。
 と、いうのはおいといて、まだ次のレイドボス戦とかあるんじゃないですよね?ってのが最大の気になる点ゆえ
に今ここで聞いておこうということだった。
斬子(きりこ)「なんだ、そんなことか」
莉暗(りおん)「お前たちがどうしてもと言うのならばほかにもレイドボス戦はいっぱいあるが・・・」
一同「いや、もういいです……」
楸木(ひさぎ)秋「で、ゲットしたドロップアイテムは何に使うんですかね?」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「よし、質問はもうないみたいだな」
一同「無視すんなや!」
 そもそも、質問はないか?とか聞いてないから

斬子(きりこ)「はぁ……仕方あるまい……」
 このままでは埒が明かないとして天四斗のDr.キリコとGTRのタッグはワケを話す
莉暗(りおん)「ならば目ン玉かっぽじってよく聞け」
一同「そりゃ耳!って今はどうでもいい!」
 一同、盛大に突っ込みつつ、急かす。
斬子(きりこ)「熱砂王・アンタレスを倒してゲットできる、このアンタレスの炎!」
莉暗(りおん)「そして、氷嵐竜・コキュートスを倒してゲットできる、このコキュートスの雫!」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「実はこの二つのアイテムを使うことでお手軽に召喚士のジョブを極めることができるのだ!」
一同「で?」
 盛り上がる二人とは対照的に生徒たちは極寒の地にいるかの如くだった
※いや、確かに今、物理的に極寒の大地にいますが……
 ここで君たちに最新情報をお伝えしよう。キリコとGTRのジョブは調教師である。が、調教師と召喚士を極める
と新たなジョブ、サモンナイトへクラスチェンジできるのだ。この二つのクエストは二人の教師がお手軽にクラス
チェンジをするための措置だったのだ!
 こんなことのために……とガックリする一行であった。
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「だが、お前たちもレベルアップしたりレアアイテムをゲットできたりと、得難い体験ができたじゃな
いか。それでいいだろ?」
一同「全然よくな〜〜いッ!」
 授業の一環でやってるのに、個人の利益のために突っ走るとか、公私混同、ダメ、絶対……

#7
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「では、我らが進化する時をとくと見よ!」
 と、いうわけで、早速閃光、進化の時
※いや、待て!
システムメッセージ「告、レベルが足りません」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「え!?」
 唐突に転○ラに出てくる大○者みたいなシステムメッセージがその場に響き渡った。
斬子(きりこ)「ど、どういうことだ!?」
莉暗(りおん)「調教師と召喚士を極めたその先にサモンナイトへの道が開けると攻略サイトに……」
 お前ら攻略サイト見てたのかよ……って呆れる一行
※てか、生徒諸君は攻略サイト見てないの?……IFOはあくまで授業の一環なので答えを見てはいけませんって感
 じなのかもですが……
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「どういうこと!?私たちにもわかるように説明しなさい」
システムメッセージ「告、サモンナイトへクラスチェンジするにはLv50であることが必須条件です。Lv45の今のあ
なた方では条件を満たしていません」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「な、なんて日だ!」
 お前はどこの芸人だよ!
 さておき、横着するからこんなことになるんです。がっくりと崩れ落ちる二人の教師を見て、少しは溜飲が下が
る一行なのであった。


END

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