Eighter -Practical Era-
66ther 〜灼熱の死鋏(しきょう)を討て C〜



#5
シセン、カセン「ハッ!神閃(しんせん)諧謔(かいぎゃく)!」
 ズガンッ
 今がその時だ!と言わんばかりにシセンとカセンが仕掛ける。秘巫女の必殺の奥義で一気に敵のHPを削りにかか
る。
 それを見て、天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRも動く。いや、動かざるを得ないと言った方が正しいのかもしれない。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「むむ、ここはウチらも負けてはいられない」
風見原莉暗(りおん)「ああ、今こそ切り札を切る時だ!」
楠木南、榎木(えのき)夏「待ってました〜〜!」
 出番はまだかまだかと待ちかねていただけに、その感動はひとしおだ。
南「竜巻旋風戟(たつまきせんぷうげき)!」
夏「ツインバードデストラクト!」
 ドドドンッ
 どこからともなくやってきた馬に乗ってそのまま斬撃を叩き込むナナミ。後の先のカウンター技なのに、またし
ても普通に斬撃を叩き込むメビス。
南「まだまだぁ〜〜」
夏「もう一丁ッ!」
 ズズズムッ
 続けざまにもう一度竜巻旋風戟(たつまきせんぷうげき)とツインバードデストラクトを叩き込む。
シセン、カセン「なかなかやるじゃないか!」
 こうなると修道の女達(シスターズ)も負けてはいられない。今一度秘巫女の必殺の奥義、神閃(しんせん)諧謔(かいぎゃく)を叩き込む。
 ギィエエエエエアアッ
 そのかいあってか、熱砂王・アンタレスのHPは三割を切る。さぁ!ここからが正念場だ!
 HPが三割を切ったところでまたしても、攻撃パターンが変わる。両手の鋏がロケットパンチのように飛んでいく
シセン、カセン「だが、それはお見通しだッ!」
 それは神仙の宣託……少し先の未来を予測できるという秘巫女のチートクラスの能力だ。
 その能力のおかげで熱砂王・アンタレスの攻撃を事前に察知して迎撃、両手の鋏を斬り飛ばす。
ミロリ「鋏をもがれた蠍は恐るるに足らず!」
 ズドオンッ
ミロリ「へげっ!?」
 恰好よく決めた次の瞬間には尻尾の一撃でキルアウトされる。呆気ない最後だった……
※油断するからこうなるんですよ……
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「教鞭・愛の鞭」
 ビビシィッ
 そして、今までずっと動きを見せなかった教師二人も遂に動く。
 なぜ今のタイミングで動いたのか……それはトドメを刺すため。と、いうか、一番おいしいところを持っていく
ためだ。
※あなた、最低です

#6
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「はっはっはっはっはっ!これがストライクフォーミュラの底力だ!」
 ギュルンギュルンギュルンッ
 ピタリ
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「え!?」
 確実にトドメを刺せるかと思ったらそんなことはなかった。あと一歩ってところで仕留めきれなかったのだ。
 そうなると、無防備に隙をさらしている教師二人は熱砂王・アンタレスの餌食になるしかない。
 だが、そうなるとはわかっていても、誰も動けない。それは、日ごろの行いが悪いせい……って言われるとそれ
までなのだが……そういうことではなくて、みんなも疲弊しているから動けないのだ。
シセン、カセン(クッ、万事休すか!?)
 スカアッ
 しかし、必殺の間合いから繰り出された尻尾の一撃は、空しく空を切る
斬子(きりこ)莉暗(りおん)(あ、危なかったぁ……)
 教鞭・愛の鞭は必中、閃き、加速、努力、幸運、気合、熱血が付与される技である。そのおかげで一度だけ敵の
攻撃を完全回避することができるのだ。
※いや、なんでスパ□ボの精神コマンドやねん!
白拍子かんな「神閃(しんせん)諧謔(かいぎゃく)!」
 シュパ〜〜ンッ
 最後の最後でおいしいところを掻っ攫っていくのはかんなだ。シエラの一戦が熱砂王・アンタレスのHPを削り取
り、熱砂王・アンタレスはまるでSA○のボスが砕け散る感じのエフェクトと共にパリ〜ンと砕け散るのであった
 これが主人公特権というものですね
※いや、ここまで登場回数が少ない主人公っています?!
夏、南「いえ〜い!ミッションコンプリート!」
一同「うおおおお〜〜!」
 苦労の末倒しただけに喜びもひとしおだ!熱砂の大地に一同の喜びの声が響き渡る。

 さて、ボスを倒した後に待っているのはドロップアイテムだ。(いや、経験値もガッポリですけど……)
杭木亢(くいぎ・こう)楯木(てすりぎ)盾「おっしゃ〜〜!レベルアップだ!これであのシスコン野郎に勝てる!」
一同「いや、同じ敵倒して同じ経験値入るんだからレベルアップも同時でしょ……」
(こう)、盾「なんだと、てめぇ?!」
 早速喧嘩しだす馬鹿が二人。元気だねぇ……
シセン、カセン「あいつらはいつもああなのか?」
一同「はい、なんかすいません……」
 ストライクフォーミュラの恥を晒している気分で穴があったら入りたい……

#7
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「さて、今回のMVPであるシエラに(ねぎら)いの言葉をかけてくるか……」
 珍しくそんな言葉を言い出す天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRに一同は驚きを隠せない
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「ただ、堂々とみんなの前で(ねぎら)うと驕り高ぶって今後、他人に迷惑をかけてしまうこともあるかもしれ
ん。そこで、個別に(ねぎら)いの言葉をかけるので、みんなはそこで待っているように」
一同「うん!?」
 いや、かんなに限ってそんなことはないと思うんだけど……とみんなが(いぶか)しむ中、教師二人はシエラを連れて離
れた場所へと移動する
斬子(きりこ)「さて、物は相談なのだが……」
莉暗(りおん)「撃破特権のドロップアイテムを譲ってほしいんだ」
 実は二人の一撃で撃破して、特別ドロップアイテムをゲットする算段だったのだが、その目論見は脆くも崩れて
しまったからこそ、こうしてコソコソ相談に来ているのだ
斬子(きりこ)「そのドロップアイテムは巫女系ジョブには無価値な代物だからな……」
莉暗(りおん)「その点私たちならば有効に活用することができるんだ!どうだ、譲ってはくれないか?」
 なお、シエラは快く譲るのだが、しかし、このことがクラスにバれてやっぱり裏があったんじゃねぇか!ってな
るのはまた別の話である。


END

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