Eighter -Practical Era-
64ther 〜電気羊と反逆の夢 B〜



#3
 突如何者かに操られてしまったアリア。果たして、彼女を元に戻すことはできるのか!?
(あくた)アリア「はははははっ!追放された恨みを今こそ晴らさん!」
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「追放だと!?……貴様一体何者なんだ?」
一同(いやいや、天四斗工業(ここ)から追放された人物なんて一人しかないでしょ……)
 ここまでのやり取りで事件の黒幕は大体わかった。
 天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRに恨みを持つ、追放された人物と言えば壬屈縛紀(みかがみ・しばき)。
 TVドラマ、高校教師に感銘(?)を受けて教師になろうとしたヤバい人物だ。
風見原莉暗(りおん)「お前の目的はなんだ?」
アリア「フッ、俺の目的は貴様らにぎゃふんと言わせることよ!」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「せぇの……ぎゃふん!……よし、これで満足か?」
アリア「ちょマテ!ンなわけあるかいッ!」
 普通の人間は『ぎゃふん』なんて言わないものだが、生憎この二人は普通の人間ではなかった。
斬子(きりこ)「いや、さっき『ぎゃふん』と言わせることが目的と言ってたじゃないか」
アリア「物理的な意味じゃないわッ!」
 なんか不毛な戦いを繰り広げている気がしてならない縛紀(しばき)であった。
アリア「お前ら分かっているのか!こっちには人質がいるということを!」
斬子(きりこ)「何を言っているんだ?天四斗(あまよと)工業3-Jクラスメイトは全員そろっているぞ」
アリア「ふふん、アリアの生殺与奪の権は俺が握っていることを忘れるな!」
 生殺与奪の権を他人に握らせるな!って言いたいみたいだ。
莉暗(りおん)「なんだそんなことか」
アリア「え!?軽っ……」
斬子(きりこ)「だってアンドロイドに人権はないからな」
アリア「このヒトデナシ!」
斬子(きりこ)「いや、アンドロイドの方が物理的にヒトデナシだろ」
アリア「違う、そうじゃない!」
 やはり、どう足掻いても天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRに口では敵いそうにないと思った縛紀(しばき)であった。
アリア「どうやら物理的な手段で訴えるしかないようだな」
斬子(きりこ)「ほほう?」
莉暗(りおん)「面白い!ウチのクラスには天四斗(あまよと)工業きっての武闘派が二人もいることを忘れたか!」
アリア「だが、所詮は人間!アンドロイドのパワーに敵うわけがなかろう!」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「面白い!人間VSアンドロイド、どっちが強いか白黒つけようじゃないか!南!夏!カモン!」
 いや、カモンじゃねぇよ!と一同が突っ込んだ瞬間であった。

#4
アリア「フッ、こんなこともあろうかとアリアには武器を内蔵しておいたのだ!」
樫木堅(かしぎ・けん)「まさか、それっておっぱいミサイル!?」
 ワクワクしだす馬鹿(男子)一同
女子一同「うわっ、最悪の発想……」
 そして、女子一同の冷ややかな目。
アリア「食らえ!アリア必殺の一撃!」
 ガショガショッ
 腕が伸びる……というか、ワイヤーで射出、そのまま床に腕を突き刺してアンカーのように固定すると、丹田部
分から上が伸びると同時にキャノン発射口が出現。
 それはどこからどう見てもヴァ○ーゴのメガ○ニック砲であった。
楠木南、榎木(えのき)夏「ちょ、そんなん無理だし……」
 カカッ
 ズグゥウウンンッ
 流石に凶暴な愛馬の一撃に立ち向かうほど夏も南も愚かではなかったが、しかし、逃げられないのもまた事実で
あった。
 かくて、天四斗(あまよと)工業は地獄絵図と化す……

 一方……天四斗(あまよと)工業の近くにて
壬屈縛紀(みかがみ・しばき)「はっはっはっはっ!勝った!第三部完ッ!」
 それ、流行ってるの?!
※あと、ここは第○部とか関係ない世界ですので
 アリアの眼を通じて一部始終を確認してた縛紀(しばき)は思わずガッツポーズをとる。
縛紀(しばき)「ついに奴らに一矢報いることに成功したぞ!」
 長かった……としみじみ語る縛紀(しばき)だが、それにしては巻き添えの被害が半端ない……
 もはや、無差別殺人である。
縛紀(しばき)「さてと、この調子で女子更衣室とか盗撮に行こう!」
 ルンルン気分でヨコシマなことを考える縛紀(しばき)であった。
※いや、学校が爆発したんなら授業なんて中止だよ!更衣室に誰か残っているわけないだろ!
 しかし、これはかんなの過去の物語である。未来である本編にてかんなが生存していることから、過去であるこ
こでかんなが死ぬわけがない。つまり、それはどういうことかと言うと……
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「残念だがお前の野望もここまでだ!」
縛紀(しばき)「え!?」
 背後からありえない声が聞こえて、恐る恐る振り返ってみると、そこにはボキリバキリと腕を鳴らす夏、南をは
じめとした天四斗(あまよと)工業3-Jのメンバーが勢ぞろいしていた。
 しかも、全員全くの無傷だ

#5
縛紀(しばき)「なっ、馬鹿な……お前らどうしてここに!?」
南「ま、かんなの超強運をもってすれば造作もないことだよねぇ!」
 自分がやったことではないのにドヤ顔でそんなことを宣言する南
縛紀(しばき)「だ、だとしても、あの爆発の中、無傷でいられるわけがない!」
莉暗(りおん)「その答えはコレだ!」
 叫ぶと同時にまるでマネキンのように微動だにしないアリアが縛紀(しばき)の前に突き出される。
楸木(ひさぎ)秋「アリアの主電源を切っちゃえ(当たらなけれ)ば、どうということはない!」
※いや、そのルビなんなの!?
縛紀(しばき)「馬鹿なっ!じゃあ、あの爆発は一体何だったんだ!?」
斬子(きりこ)「お前は私たちが何の高校の何学科の生徒なのか忘れたのか!?」
縛紀(しばき)「はっ!?」
 その日、縛紀(しばき)は思い出した。彼らが工業高校の生徒だということを……
莉暗(りおん)天四斗(あまよと)工業、情報学科の生徒をなめるなよ!」
 がっくりと項垂れる縛紀(しばき)。
 そして、そこへ追撃を駆けるかのように警察が到着
風留(ふうる)ウヅキ「天四斗(あまよと)警察の風留(ふうる)ウヅキだ!壬屈縛紀(しばき)!貴様を女子更衣室盗撮の現行犯で逮捕する」
縛紀(しばき)「え!?」
 ちょ、まだやってない……と言おうとしたが、しかし、そんなことを言っても信じてくれないのは明白。
 そして、これが縛紀(しばき)に下された鉄拳制裁だ!


END

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