Eighter -Practical Era-
59ther 〜我笑う肯定我撃つ D〜



#7
 弐萬の妹達(シスターズ)姉ナル者達(シスターズ)……憎しみが憎しみを呼ぶ二つの戦いは、今、最終局面を迎えようとしていた。
杭木(こう)、金谷橋優香、楯木(てすりぎ)盾、金谷橋麻美「死ぃぃいねぇええッ」
オウカオー、オルガ・ムイカ、タマキリハ、ショウ・タロ「これで終わりだッ」
 ズドムッ
 憎しみが天元突破した凶刃は(こう)、優香、盾、麻美の二人ずつが二人ずつとも互いを貫きHPを削りきった。
 憎しみはそこまでないものの、勝つために刃を振るったオウカオー、タマキリハの刃もまた、お互いがお互いを
貫きHPを削りきった。
 相打ちである。
 そして、戦場には補佐官が残された。
オルガ・ムイカ、ショウ・タロ「……」
 二人はお互い、頷きあうとそれぞれのギルド創設者の獲物を手に取り自刃。
 ここに弐萬の妹達(シスターズ)姉ナル者達(シスターズ)の不毛なる戦争は終結したのであった。

 そして、戦場は再びストライクフォーミュラと第三のシスターズのもとへと戻る。
*「お、お待ちください……カセン様、シセン様……」
*「あなた方の手を煩わせるようなことは……」
カセン「では、実際問題として、あの二人を止められますか?」
一同「そ、それは……」
 カセンの言葉に言いよどむ一行。
 戦場では今も怪鳥のような雄たけびを上げてノリノリで南と夏が修道の女達(シスターズ)の雑兵を蹂躙している。
 修道の女達(シスターズ)には将校クラスの幹部が少なすぎたのだ……これは反省点として今後に生かすとして、今はやはり、
カセンとシセンの二人が矢面に立つしかないのだ。
*「わかりました……」
*「御武運を……」
 雑兵を引き下がらせた後、ツートップが戦場に舞い降りる。
 一方、無双を楽しんでいた二人はというと……
楠木南「ってか、よく考えたらどんだけ倒したかカウントとかしないとわからないんじゃ……」
榎木(えのき)夏「う、う〜〜ん、確かに……」
 無双を楽しんでいいた二人に倒した数をカウントするなんて考えは当然なかった。
※いや、何かしら考えておけよ……
カセン、シセン「そこまでだ!」
南、夏「およ!?」
 雑兵を狩って狩って狩りまくっていたら、いつの間にか雑兵がいなくなり、二人の大将クラスがやってきた
カセン、シセン「よくも部下たちを蹴散らしてくれたわね……」
 その所業、万死に値する!

#8
夏「よし、こうなったらあのボスをどっちが先に倒せるか勝負よ!」
南「その勝負、乗った!」
 ばっし〜んと手を叩きあって頷きあう二人。
シセン「愚かな……」
カセン「後悔するがいいわ」
 ぶっちゃけいうと途中から無双することに楽しさを見出していた二人は勝負なんてどうでもよくなっていたのだ
 だが、何かしら勝負はつけたい。
 そんなところに出てきたのがボスクラス二人。渡りに船とはこのことだ。
南「じゃあ先手必勝の竜巻旋風戟!」
夏「本当は後手必勝なんだけど、ツインバードデストラクト!」
 スカアッ
南「え!?」
夏「嘘っ?!」
 当たれば必殺……かに思えたた凶刃は、しかし、虚しく空を切る。
カセン、シセン「その程度で私たちを倒せるとは思わないことですね」
 カセンはレベル38、シセンはレベル37で夏や南よりレベルが高いのも要因の一つではあるが、秘巫女(ひみこ)の固有スキ
ルである神仙の宣託によって相手の太刀筋が事前にわかってしまうのが厄介なのだ。(実際には少し先の未来がわ
かるのが神仙の宣託の効果だ)
 つまり、斬撃を放ったという結果だけが残るのだ。
※いや、どこのイタリアンマフィアのボスのス〇ンド能力だよ!
南「えいッ!」
夏「てやっ!」
カセン「無駄ですよ、無駄」
 とりあえず大技はMP消費する上に全然当たらないので使用をやめて通常攻撃に切り替えてみたものの、それでも
全然攻撃が当たらない。
夏「嘘でしょ〜」
南「全然当たらない……」
シセン「そろそろ諦めてもらえると助かるのですが……」
南「そういうわけにもいかないのよね」
夏「そうそう……」
 けれど、夏と南はまだ諦めちゃいない。
南「それに、さっきから全然攻撃してこないじゃん……それってつまり、回避に専念するあまり攻撃できないって
ことじゃないの?」
 だから、スキルが発動できなくなるまで通常攻撃を仕掛けてからが勝負!なんて考えていた時期が二人にもあり
ました。
シセン「何やら勘違いしているようですから教えてあげますが……別に攻撃できないわけじゃないのですよ」
カセン「諦めて負けを認めてくれることを期待していたのですが、どうやら無駄のようですね……」

#9
カセン、シセン「では、死ね!」
夏、南「ッ!!」
 ぞくりと背筋が凍る思いをした二人は勢いよく後方へ飛び退る。だが、しかし、襲い。光の如き一閃が夏と南の
首を刎ね飛ばす。
夏、南「ぎゃ〜〜〜っ」
シセン「他愛もない……」
 それは神閃の諧謔(かいぎゃく)。神の戯れのような一閃で敵を薙ぎ払う秘巫女(ひみこ)の必殺の奥義だ。
※なお、秋を駆逐したのもこれ。
カセン「いや、待て……これは……」
 だが、夏と南は死んでいなかった。
 いや、正確には死をアイテムによって身代わりしてもらったというのが正しい。
夏、南「うぅ、死ぬかと思った……」
 まぁ、既にお気づきの方もいるかもしれませんがこれもかんなの超強運のなせる技です。(いや、事前にかんな
が即死身代わりアイテムを渡してくれたおかげです)
カセン「だが、死期をちょっとだけ遅らせただけにすぎん!」
シセン「次で終わりだ!」
夏、南「そうは大雪山が下ろさないッ」
 実はかんなはもうひとつだけアドバイスをしていた。それは、一度死にかけた後に全力で攻撃を叩き込んであげ
てねということだ。
 そして、今がその時だ!


END

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