Eighter -Practical Era-
59ther 〜我笑う肯定我撃つ C〜



#5
 さて、天四斗(あまよと)工業3-Jことストライクフォーミュラと修道の女達(シスターズ)が総力戦を行っている時に、違う場所でも激戦
が繰り広げられていた。
 シスコン死すべし!をモットーに憎しみあう二つの団体……姉ナル者達(シスターズ)弐萬の妹達(シスターズ)である。
 彼らは大会の優勝なんて知ったことではなく、ただ、互いに互いを殲滅できればそれでいいと言う危険思想のプ
レイヤー達なので必然的に総力戦……と、言うか殲滅戦に発展していた。
杭木(こう)楯木(てすりぎ)盾「行け〜!シスコンの馬鹿野郎に地獄を見せてやれ!」
 だから、お前ら両方ともシスコンだから……
*「死ね、おら〜」
*「死ぬのはてめぇだコノヤロー!」
 ドカンッバカンッ
 双方、回復なんかしているヒマがあったら攻撃を繰り出して敵を殲滅する方が合理的などとバカな考えを持ちな
がら、考えなしに敵に切りかかっていくものだからみるみるうちに相打ちになっていく。
 ここがリアルの戦場ならば幾万の屍がさらされているところだが、ゲームの世界なので死んだらSA〇でボスが倒
された感じのエフェクトとともに消えて行ってしまうので何も残らないのだ。
 そうして、削りあっていくことで雑兵は真っ先に駆逐され、幹部クラスだけが残ることになる。
 弐萬の妹達(シスターズ)陣営では杭木(こう)(パイル)、金谷橋優香(みさかみ)、ギルド創設者のオウカオー(レベル32のグラ
ディエーター)、オウカオーの補佐官オルガ・ムイカ(レベル28の時魔導師)の四人
 姉ナル者達(シスターズ)陣営では楯木(てすりぎ)盾(シルディ)、金谷橋麻美(にぐらす)、ギルド創設者のタマキリハ(レベル32の将
軍)、タマキリハの補佐官ショウ・タロ(レベル28の空間魔導師)の四人だ。
※いや、死に過ぎじゃね?全部で何人のメンバーがいたのかは知らんけど……
オウカオー「どうやら残ったのは俺たちだけのようだな」
タマキリハ「らしいな……」
 しみじみと語るのはそれぞれのギルドの創設者である。
(こう)、盾「俺に殺されるために生き残ってくれてうれしいぜ……」
 もはや、こいつらおかしいから……ヤバい人にしか見えないから……と、言っても誰も聞いてはくれないんだろ
うなぁ……行くところまで行ってしまったのだろうね……
一同「だが、最後に勝つのは姉弟(兄妹)愛だッ!」
 そして今、戦いの最終局面が今、始まった!

#6
オルガ・ムイカ「時の咆哮!」
ショウ・タロ「亜空切断!」
 ズドドンッ
 ポケ〇ンから訴えられそうな技を放つ二人の合図を皮切りに八人の狂った戦士たちはいっせいに襲い掛かった。
※そもそも時魔導師はわかるけど、空間魔導師ってなんだよって話。ちなみに、余談だが、時魔導師と空間魔導師
 の双方を極めると叛骨魔導師にクラスチェンジすることができるらしいです。
(こう)、盾「食らえ!透明なる槍撃(クリアランス)」
 ギャルギャルギャルギャルッ
 目にも止まらないスピードで槍を打ち合う二人。やっぱり二人とも攻撃方法、威力は同じだ……
 だが、負けるわけにはいかない。お互いに目の前のシスコンを滅ぼさないと未来はないと信じているから!
 そして、それは金谷橋姉妹においても同じだった。
金谷橋優香「今日こそ決着を付けるわよ!」
金谷橋麻美「そうね、今日こそアンタを倒してパイルも殺す!」
 暗黒剣と神聖剣が激しくぶつかり合い、鎬を削る。それはもはや姉妹喧嘩ではない、殺し合いだ!
優香「させるかッ!お兄ちゃんどいて、そいつ殺せないッ!」
 いや、そこに兄はいないけど……
タマキリハ「ここいらで負けを認める気にはならないか?」
オウカオー「それはできない相談だな……」
 他のバカどもとは違ってこの二人だけならば、まだ和解の余地はあるのかもしれない……だが、全ては手遅れな
のだ……二つのギルドはあまりにも血を流し過ぎた。(いや、ゲームなんて実際に流血沙汰にはなっていないです
けど……)
オウカオー「仕方ねぇな……」
タマキリハ「死んでも恨むなよ!」
 そっちこそだ!とお互い覚悟は決まった……あとは目の前の敵を倒すだけだ。
 と、言うわけで大将同士も刃をぶつけ合う。
オルガ・ムイカ、ショウ・タロ「援護します」
オウカオー、タマキリハ「助かる!」
 後方支援に徹するのかと思われていた互いの補佐官も前線に立つというか、補佐官なので大将を間近で援護する
ことに決めた。
 そして、時同じくして(こう)、盾、金谷橋姉妹の四人もタッグバトルへと移行していた。
 果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのか?


続

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