Eighter -Practical Era-
58ther 〜我思う故に我撃つ D〜



#7
 IFO内イベント、バランスブレイカービュレット、通称BBB(スリービー)
 天四斗(あまよと)工業3-Jの面々・ストライクフォーミュラは第三のシスターズこと修道の女達(シスターズ)と交戦状態にあった。
※しかし修道の女達(シスターズ)って極道じゃないんだから……
*「どうやら相手はストライクフォーミュラのようです……」
*「なるほど、最近勢力を伸ばしているという噂のストライクフォーミュラですか……」
 一方ストライクフォーミュラとは反対方向の後方……そこで前線の戦いを眺めるもの、それは修道の女達(シスターズ)を指揮
する者たち。
 レベル38の秘巫女(ひみこ)、カセンとレベル37の秘巫女(ひみこ)、シセンである。
*「どうしますか?」
 このまま押し通すか、それとも、一時休戦でも申し込んで共闘するか……
カセン「トップランカーのベル・ゲルミルの動向も気になりますが……」
シセン「それを言うなら黒企業(バッドカンパニー)も……」
 なお、残りのシスターズ二つは優勝なんてどうでもいい感じでお互い潰しあう感じなので放置だ。
※ちなみに他のチームもその二つに関しては認識は同じだ。
カセン「しかし、いつまでも手を(こまね)いているわけにもいきませんね……」
シセン「と、なると……」
 戦況を打開する一手を打つ必要がある……
 と、言うわけで、前線に注ぎ込んだ戦力を一時撤退させる。

樫木堅(かしぎ・けん)「おっ、敵が下がっていったぞ……」
榛木秦(はしばみ・しん)「いやぁ、助かった……」
 もうちょっと攻撃されていたらきつかった……とボやく。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「おっし、今のウチに休憩しとけよ」
風見原莉暗(りおん)「休憩したらまた最前線に行ってもらうからな」
(けん)(しん)「マテや!次は違うやつにしろやぁ!」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「だが断る!」
一同「……」
 酷い……
斬子(きりこ)「まぁ、戯言はここまでにして、奴らもただ兵を引き下げたわけではあるまい」
莉暗(りおん)「そうだ、気を付けろよ……明日の朝を迎えたら死んでいたなんてことにならないようにな……」
一同「ハハハ、いくらなんでもそんな馬鹿な……」
 だが、天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRのタッグの表情はいつになく真剣だ。
 そして、その予測は間違ってはいなかった。
※なお、ネタばらしをすると事前にかんなが超運で予測した結果です。(じゃあ、あの二人何もしてないじゃん)

#8
 そして……修道の女達(シスターズ)が誇るレベル32の隠密、ミロリが静かに動き出した。
 まぁ、簡単に言うと暗殺である。
ミロリ「悪く思うなよ、これも修道の女達(シスターズ)の覇道の為……」
 ガキィンッ
 凶刃が一人目を刈り取らんとしたその時、別なる刃で弾かれる。
ミロリ(まさか、襲撃を読んでいた?!)
 闇討ちには闇討ちを……というわけでもないのだけれど、こちらも闇討ちのエキスパート、ゲーマーでありオタ
クの楸木(ひさぎ)秋ことアデルンを投入。
 秋もつい先日レベル30となり忍者から上位職の隠密にジョブチェ〜〜〜ン(ジ)済みなのだ。
※闇討ちのエキスパートって嫌だな……あと、ジョブチェーン(ジ)じゃなくてジョブチューンだから。
ミロリ「だが、たった一人で私をどうにかできると思っているの?」
楸木(ひさぎ)秋「そこは、やってみなけりゃわからないッ!」
 だが、これも実はかんなの策というかなんというかだ……
 忍者や隠密は変装のスキルも得意とするジョブなので、下手に大勢で襲い掛かっても変装スキルで紛れ込まれて
同士討ちなんてことになりかねないから、それを防止するには……負担が大きくなるが、秋一人に任せるしかない
のだ。
ミロリ(チッ、なんてこと……ストライクフォーミュラにもなかなかの策士がいるようね……)
 木を隠すには森。大勢で襲い掛かってこられれば逆に好都合(理由はさっきのかんなの考えの通り)と考えてい
たのだが、一向に大勢で襲ってくる気配がない。
 闇討ちは失敗したと判断せざるを得ない。本来ならば、このまま撤収して次はどうすればいいか支持を貰うのが
得策なのだが、ミロリの方は少し頭に血が上っており、何としてでもこのアデルンなる隠密だけは倒してから帰ろ
うとしていたのだ。
ミロリ「このっ鯛鱗刺華(たいりんしか)ッ!」
 シュカカカカカカッ
秋「うわっと、びっくりしたぁ……」
 無数に飛んでくる苦無をバックステップで回避して距離をとる秋。
ミロリ「いつまでも逃げ回れると、思うなよ!鯛鱗刺華(たいりんしか)ッ!」
 シュカカカカカカカッ
 再び襲い来る苦無の嵐。実はこれ、秋が覚えていないスキルなので……と、いうわけでもないが、とりあえず今
は逃げるしかない。
ミロリ(いける!)

#9
 反撃させるヒマを与えさせない連続攻撃。
 その前に秋は逃げるしかないのだが、しかし、こんなこともあろうかと思っていたのはかんなである。
※流石かんなの超強運。
秋(確か、どうしても回避できないと判断した際は……)
ミロリ「そこだッ!鯛鱗刺華(たいりんしか)!」
秋「ええっと、水蜘蛛!」
 ドガガガガガガガガッ
ミロリ「なんだと!?」
 本来、水蜘蛛とは水上を歩くためにしか使い道がないはずのアイテムだった。
 だが、かんなは持ち前の超強運で水蜘蛛ならば苦無程度の攻撃は防げると察知していた。だから、それを秋に伝
えたのである。イザというときの即席の盾として……
 そして、水蜘蛛は二個で一つのセットアイテムだ。つまり、もう一回防げる!
秋「双斬十字ッ!」
 ザガッ
 想定外の出来事に一瞬硬直した隙をついて秋の反撃……だが、浅い……
秋「浅かった……」
ミロリ「クッ……」
 ボフンッ
 ただ、今の斬撃で少しだけ、冷静になれたミロリはここで煙幕を投げて撤退を決意。
 こうして、退けることに成功したならば、次はそう、追撃である!


END

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