Eighter -Practical Era-
57ther 〜温めなる逓信大戦(レイセン) C〜



#5
 突如始まったアンドロイド性能対決。通信事業社の威信をかけた負けられない戦い。だが、スマホじゃなくて人
型ロボットの方のアンドロイドだ……
 どうしてこうなったのだ……と、存在Xに恨みの一つでも言いたくなってくる光景である
※どこが!?
 プールに飛び込むのであれば、水着に着替えるのが道理……ってなわけでアリアは早速競泳水着に着替えてゴー
グル装備で出陣してきた。
 だが、しかし、対するグラン23Moの方は普通に洋服だった。
一同「って水着に着替えんのか〜い!」
*「貴様らは馬鹿か!入水(じゅすい)すんのに水着に着替える奴がどこにいる!」
一同「いや、これ入水(じゅすい)じゃないでしょ……」
 確かにさっき入水(じゅすい)って言ったけども……
フロン「始めてもいいんですかね?」
*「待て待て!」
*「これは防水性能勝負!」
*「水着で行う勝負ではないわ!」
 そこ、熱弁するとこなのかなぁ……と一行は呆れる。
*「我々が用意した土俵で戦ってこそ意味がある!」
一同「いや、それ単にコトを有利に進めたいだけですよね?」
 どうにもやることがセコい……
(あくた)アリア「はぁ……では、着替えてきますが……」
一同「なっ、着替えないで〜」
 男子からブーイングの嵐。そして、それに対して女子も大ブーイング。

 と、言うわけで気を取り直して制服に着替えたアリアが戻ってくる。
フロン「では、はじめッ!」
 ドッバンッ
 高台の上から先にプールに飛び込んだのはアリア。
 そして、それを見届けたのちプールにダイブするグラン23Mo。しかし……
 ドズゴォオンンッ
一同「うぉ〜い!」
 こともあろうにアリアの上に飛び込むという暴挙に出る。
*「馬鹿め!相手の上に飛び込んではダメというルールはないわ!」
一同「常識的に考えたらルール違反だろうが!」
 なんなんだ、この人たち……滅茶苦茶にもほどがある……
*「我々はどんな手段を使ってでも境界線上のベライゾンに勝たねばならんのだ!」
*「我々が作るアンドロイドこそが高性能であることを世界に知らしめるためには、これしかないッ!」
 いや、絶対に他に手段があるでしょ……と一同が盛大に突っ込みを入れる。
※そもそも、アンドロイドで覇権をとっているのは境界線上のベライゾンではなく、SHILなのですが……

#6
*「フッ、見ろ!我らがグラン23Moは耐衝撃、耐水を見事にクリアしている!」
*「だが、境界線上のベライゾンのアンドロイドはどうだ!水没したままではないか!」
一同「いや、それはどう考えてもお前らのせいだろ!」
 マジでぶっ壊れたんじゃないか!?とおろおろする生徒一行。
*「これで我がMCCメリーパーのアンドロイドの方が性能が上だということが証明されたな!」
 されてねーよ!と一同が心の中で盛大に突っ込んだ。
*「その勝負、無効だ!」
*「なんだと!?」
 その時突如謎の声がそこに響き渡る。
 全員が声をした方を向くと……そこには『はたらかない』という文字が書かれたアイマスクを装着し、びこびこ
と触覚のように動く二本のアフォ毛を持つ人物が腕組みをして立っていた。
 天蓋(てんがい)(あだ)のあの人が、久しぶりに登場である。
*「なっ、なんだ貴様。巫山戯(ふざけ)てるのか!」
 まぁ、誰だってそう思うよね……そんな出で立ちを見たら
※いや、出で立ちというか、寧ろ、アイマスクのせい……
天蓋(てんがい)(あだ)「MCCメリーパーとか言ったか……お前たちが開発したアンドロイドに使われているあるモノを回収する
為に私はここへやってきた!」
*「ふ、巫山戯(ふざけ)るなよ!」
 と、その時、MCCメリーパー社員の一人もあることに気づく
*「や、ヤバいですよ……」
*「貴様もこんな時にプリ〇ネのモノマネか!巫山戯(ふざけ)てんのか!」
*「いや、違いますって……あいつをよく見てくださいよ……伊達や酔狂じゃなければあの触覚のような二本のア
フォ毛は天蓋(てんがい)(あだ)の証……ヤバイですよ!ヤバイですよ!」
 その言葉に凍り付くMCCメリーパーの社員たち
*「う、狼狽えるな、事前の戦闘能力テストではグラン23Mo単体でデルタカイフォースを壊滅させた実績があるん
だぞ!」
*「そ、そうか!……それに、これはチャンスだ!天蓋(てんがい)(あだ)を倒すことができればグラン23Moの戦闘力は究極とい
うことになる!」
 何やら悪い方向に話がまとまったみたいである
*「行け!グラン23Mo!天蓋(てんがい)(あだ)に目にもの見せてやれ!」
 果たして、グラン23Mo(アンドロイド)天蓋の徒を倒す(電気羊の夢)を見るか!?


続

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