Eighter -Practical Era-
56ther 〜内完全な宿業(インパーフェクトフォルトゥナ)(ざれり) C〜



#5
 天下統一武闘会、本戦開始のその時、会場に殴り込む二つの影……言うまでもなく天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRであ
る。
 思わず何やってんだよ……と天四斗(あまよと)工業3-Jの面々が頭を抱えたのは言うまでもない。
ロウ・ジェノム「むっ、あの二人は……レベル45の調教師……キリコとGTR」
一同「ちょ、調教師て……」
 無論、『超教師』って響きに憧れてこのジョブにしたとしか思えない。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「大会への飛び入り参加も可能だろう?」
風見原莉暗(りおん)「ならば、問題はないはずだ!」
一同「大ありだよ!」
 思わず代表して天四斗(あまよと)工業3-Jの面々が突っ込む。
ベル・ゲルミル「いや、本選出場者があれだけではあまりに詰まらん……前大会覇者の俺が許可する」
一同「なっ!?」
 ベル君の言葉に静まり返る一行。
ロウ「まぁ、こんなこともあってもいいんじゃないかと……」
 えぇ、それでいいんか?って会場がざわめく
ロウ「さておき、本戦はこれまでの1 VS 1の死合ではなく、バトルロワイアル形式となっており、共闘するもよし
裏切るもよしの何でもありのルールが無差別級の死合となります」
※ルールが無差別級って……酷いルールだ
ロウ「さぁ、今大会の優勝者は一体誰になるのか!?それでは最後のガン〇ムファイトォ〜〜、レディィイ〜〜〜
アンッ!」
一同「てめぇもかッ!」
 流行ってんの?そのフレーズ!?

櫟木樂(いちい・らく)「先に教師陣二人を倒して、それから残りで決着を付けるってのでいいですよね?」
榎木(えのき)夏「異議なし」
椛木(もみじ)花「問題ないわ」
 ささっと作戦会議を終わらせた三人の生徒は早速教師に襲い掛かる。
斬子(きりこ)「やはりそうくるか……」
莉暗(りおん)「だが、これで3 VS 3の勝負になるな!」
(らく)、夏、花「え!?」
ティセン「……」
 いつの間に謎のプレイヤー、ティセンが教師陣の仲間になっていたんだ!?
 だとしても、やることは一つ。
(らく)「やっ!」
夏「ていっ」
 ザザムッ
ティセン「フッ……」
 先にティセンを叩いてそれから教師陣を叩く。
 そのために斬撃を叩き込んでみるも、涼しい顔して受け止めるティセン。
 いや、受け止めているわけではない。刃がティセンの体を素通りするのだ。液体金属でできている肉体なんてズ
る過ぎる!

#6
夏「全然攻撃が通じないんですけど……」
(らく)「それよりも、なんで攻撃してこないのかしら?」
 舐めプってやつ?
花「ここは私が歌って血路を開くしかないようね……」
(らく)、夏「やめて、それみんな死んじゃう奴!」
 止められてしゅんとする花なのであった。
 一方……
楸木(ひさぎ)秋(もし、あれが本当にターミネーターなんだとしたら……)
 ゲーマーでオタクの秋は別視点からターミネーターを攻略できないか考えていた。
秋(やっぱり炎かしら……)
 早速個別チャットみたいなツールを使って夏らにその情報を伝えてみる秋なのであった。

夏「さて、どうする?」
(らく)「どうする……といわれても……」
 攻略の鍵はゲットできたものの、属性攻撃の手段を持ち合わせていないのが現状
花「……フフフ、どうやら今こそシュヴァルツ・ネロ・ノワールの力を開放する時……」
 無駄に大仰なポーズをとって花が呟く。
花「響け歌声!熱い夜のひと時(フレイム・ノクターン)!」
 ピロリンピロリンピロリンッ
夏、(らく)「これは!?」
 巫山戯(ふざけ)た技名とは裏腹に、炎攻撃属性が付与される。
夏「行くわよ!」
(らく)「これでおしまいです!」
ティセン「何をやっても無駄無駄む……」
 ズザムッボッ
ティセン「ぐああ!?」
 効果は抜群だ!
ロウ「おっと、ティセン、何もせずに敗北してしまったぁ……」
ベル「ぶっちゃけた話をするとターミネーターは鋼・ゴーストタイプのようだから当然の結果だわな」
一同「……」
 あ、だから格闘攻撃は無効化されたんですね……
※っておい、ポケ〇ンかよ!
斬子(きりこ)「なかなかやるな……」
莉暗(りおん)「だが、ティセンは我々四天王の中では一番の小物……」
一同「いや、三人しかいなかっただろうが!」
 観客からも盛大に突っ込まれるのであった。
夏「これで3 VS 2よ!」
斬子(きりこ)「フッ、だが忘れてもらっては困る」
莉暗(りおん)「我々のレベルは45だということを!」
(らく)「た、確かに……」
 そうだとしても、逃げるわけにはいかない!
 天四斗(あまよと)工業3-Jの生徒 VS 教師……果たして勝つのはどちらか!?


続

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