Eighter -Practical Era-
53rder 〜スポーツの電子化 B〜



#3
 唐突に始まった教育改革(笑)
※いや、(笑)って……
 早速体育の授業をeスポーツに変更するという暴挙に出た天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTR。
 そして、記念すべき第一回の授業では格闘ゲームを行うことになったのだった。

 スクリーンに映し出された二人のキャラは早速死合を開始したのだが……
楯木(てすりぎ)盾「やっぱダクマはクソキャラ。さっきから全然攻撃が当たらない……」
杭木(こう)「だがよぉ、ゲーマーのはずの秋の方も動きがぎこちないのはどういうことなんだ?」
楸木(ひさぎ)秋「私、体を動かすのは不得意なんで、って言ったよね?!」
一同「……」
 つまりはそういうことだった。
 攻撃が当たらない者どうしの死合……決着つくのか、これ!?
樫木堅(かしぎ・けん)「と、いうか、なんでさっきから無音なんだ……」
 言われてみれば、と、いうわけでもないのだが、ゲームが開始されてから攻撃音(空を切るむなしいものだけ)
しか聞こえない。これはどういうことなんだろうか?
 と、その時、天四斗(あまよと)のDr.キリコが口を開く
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「おいおい、お前ら、よく考えてみろ、街中で乱闘騒ぎが発生してもBGMなんて聞こえないだろ?」
一同「ゲームとリアルを一緒にするなッ!」
 誰もそんなところにリアルを求めているわけではないから!
風見原莉暗(りおん)「だが、……まぁ、確かに、無音ってのも味気ないのは認めよう」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「ミュージック、カモン!」
 謎の掛け声とともにBGMをON
 て〜んてて〜ん、て〜んててて、てて〜ん、て〜んて、てて〜んて、てて〜んててん♪
 て〜んてて〜ん、て〜んててて、てててて、てててんてん♪
一同「ちょ、待て!」
 それは四年に一度ファイトで優勝者を決めて四年間覇権を握る的なロボットアニメの前期OPだった。
斬子(きりこ)「お前ら注文多すぎだぞ……」
莉暗(りおん)「宮沢賢治の童話に出てくる料理屋か!?」
一同「いや、あのね……」
 そういうことではなく……
斬子(きりこ)「なんか思ったより詰まらんな……」
莉暗(りおん)「一旦中断して仕切り直すか……」
 生徒の話を無視するのはこの二人の特徴
※そんな特徴嫌すぎる……
 と、いうわけで一旦死合を中断、別の生徒で改めて死合を行ってみることにする。

#4
秋「やっぱり私はインドア派……」
 ずず〜〜んと落ち込む秋
斬子(きりこ)「ここは武闘派の二大巨頭にゲームの世界でもどっちが強いか試してもらおうか」
 そんな秋を慰めるわけでもなく、放置して次の死合に進もうとする鬼畜教師。
※まぁ、今に始まったことではないが……(それはそれでひどい……)
榎木(えのき)夏「面白いじゃない」
楠木南「受けてたつわ!」
 そして、バトルホリックな二人はすでにやる気十分だ!
(けん)「……な、なぁ、さっき秋と死合ってた自称プロゲーマーってどこにいるんだ?」
一同「え?!」
 最初に気づくべくだった。もう一つの筐体は未だ空であるということを……
莉暗(りおん)「うむ、彼は自宅から一歩でも外に出るとボンってなる秘孔を突かれたと宣言しており、自宅からの参戦だっ
たんだ」
一同「NEETな上に引きこもりッ!」
 家から出たくないってな理由がおかしすぎる……
※ってか、そいつ、一体どこの誰なんだよ!

 ともかく、南と夏はモーショントレースシステムへ、ゲームの準備をしに……
夏「普通のゲームならともかく、自分の動きが反映できるこいつなら……」
南「楠木流の武術を収める身としては負けらない戦いがここにある!」
 早速キャラクターセレクトに入る二人。
 と、その時……
夏、南「んん!?」
 キャラクターセレクトを行っていた二人の動きが止まる。
 それもそのはずだ。キャラクターセレクトを行っていたら突如変なのが出てきた。いや、断じて変なのではない
のだが……
 ミセス・サマー……SMの女王がつける仮面みたいなものを付けた女子高生ファイター。
 スケ番・サウス……フルフェイスな鉄仮面みたいなものをつけた女子高生ファイター。
一同「……」
 どこからどう見ても夏と南をモデルにしたとしか思えないキャラクターだった。
斬子(きりこ)「おっ、そのキャラをセレクトするとは……やるな。それは天四斗(あまよと)工業のためだけに作った隠しキャラだ」
夏、南「永遠に隠しといてくださいッ!」
莉暗(りおん)「お互い、雌雄を決するためには相応しいキャラではないか」
夏、南「どこがですかッ!」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「それではガン〇ムファイト、レディ〜〜、アンッ!」
一同「人の話を聞けぇッ!」
 かくて、強制的に死合は始まる。


続

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