Eighter -Practical Era-
53rder 〜スポーツの電子化 A〜



#0
 eスポーツ、それは最後のフロンティア
※どこのだよ!
 ともかく、情報社会を生き抜くためには体を動かすことよりも頭を動かすことの方が重要。その結果生まれたの
がこのeスポーツである。(大嘘)これは、そんなeスポーツを隆盛させようとする天四斗(あまよと)の熱き教師たちの物語…
…だったらどれほどよかったことか……
※うぉい!

#1
 天四斗(あまよと)天四斗(あまよと)工業、3-J
 ある日のこと、体育の授業のための着替えでも行おうかと思った矢先にそれは起こった。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「お前ら、着替える必要はないぞ」
一同「え?なんでですか?」
 体育なのになぜ着替える必要がないのか……
 そう思っているとGTRこと風見原莉暗(りおん)がこう告げる。
風見原莉暗(りおん)「体を動かすスポーツなんてのはもう古い、これからはeスポーツの時代だ!」
一同「なんでやねん!」
斬子(きりこ)「今こそ教育改革の時!」
莉暗(りおん)「この国の教育を変える……それはまさに今なのよ!」
 いやいや、何言ってんだ、この人は……とあきれ返る一行。
 そういえば、この二人、『教育者となり、この国の教育を変えようと誓ったではないか……悪い意味でな……』
などと戯言をほざいていたと思っていたが、よもや本気だったのか……
斬子(きりこ)「そもそもお前たちはeスポーツが何なのか知っているか?」
楸木(ひさぎ)秋「もちろん知ってますけど!」
 真っ先に名乗り上げるのは春夏秋冬の一人にしてゲーマーでありオタクの秋だ!ゲーマーでオタクな彼女がeス
ポーツを知らないわけがないのだ。
斬子(きりこ)「いいか、今までスポーツとひとくくりに言われてきたが、eスポーツが入ったことで状況は変わった」
莉暗(りおん)「スポーツとはeスポーツを含めたものを言う」
斬子(きりこ)「そこでだ、これまで『スポーツ』と呼ばれていたものはこれからはeスポーツと区別するために新しい名称
が必要なんだ」
一同「……」
 まぁ、言いたいことはわかる。
莉暗(りおん)「だが安心してほしい、すでに新名称は考えてある」
 そんなことを言われると、寧ろ不安要素しかない。
斬子(きりこ)「これからは体を動かすタイプの古臭いスポーツのことはeスポーツと区別するために『悪いスポーツ』と言
うのだ!」
一同「『eスポーツ』の『e』ってそういう意味じゃねぇよッ!」
 つ〜か、あんたらスポーツに何か恨みでもあるのか!と一同の盛大な突っ込みがさく裂した瞬間であった。
斬子(きりこ)「では早速eスポーツの授業第一回を始めよう」
 生徒(俺たち)の意見は無視ですかい……まぁ、いつものことですけどね……と諦めムードの一行であった。

#2
 さておき、一行はサザンオルステラの手によって生まれ変わった武道館……地下闘技場へと足を運ぶ。
一同「こ、これは!?」
 地下闘技場の一角……そこにはリングを組み合わせたかのような筐体と大きなスクリーンが設置されていた。
斬子(きりこ)「今日の授業はアイゼンシュヴェルトだ!」
秋「あ、アイゼンシュヴェルトですって!?」
椿木春「何!?知っているのか?秋?」
秋「うむ……」
 アイゼンシュヴェルト……ドイツ語で鉄剣を意味する超未来戦士型格闘ゲームである。
※鉄剣って……超未来戦士って……こんな格ゲーは嫌だ!の代名詞みたいだな……
莉暗(りおん)「これはその最新型、モーショントレースシステムによって本人の動きが直接ゲームに反映される画期的な代
物が投入されているのよ」
斬子(きりこ)「と、いうわけだ、早速アイゼンシュヴェルトで遊び倒したいってな奇特な奴はいないか?」
一同「なんで『奇特』なんてつけるんですか!」
 普通に誘ってくださいよ!
 とかなんとかひと悶着あったりしたが、やはり、ゲーマーの血が疼くのか、秋が前に出る。
秋「アイゼンシュヴェルトの最新型……これは遊び倒さないとゲーマーの名が廃る!」
 静かに燃え上がる少女、秋……ハイ〇コアガール的なナニカが見える
斬子(きりこ)「ではさっそくそっちの筐体に入ってくれ」
秋「……ところで対戦相手は誰なんですか?」
 ふとした疑問を投げかける秋。
莉暗(りおん)「そこは抜かりはない。自宅警備員から自称プロゲーマーに転職したすごい奴がすでにスタンバっている」
一同「待て待て」
 それをNEETと呼ぶのでは!?
 ともかく、秋が筐体に入ると、リングが回転しながら上から下へと降りてくる
秋「ななな、なにこれナニコレ!?」
 すると、どうだろう、真っ黒いゴムのような謎の膜が秋を覆いつくすではないか。
 それは、さながらGガ〇ダムのモ〇ルトレースシステムを彷彿させた。
※そもそもモーショントレースシステムってのが名前からパクり疑惑……
 さておき、秋はアイゼンシュヴェルトでの持ちキャラ、元郎(ウォンラン)をセレクト。
 元郎(ウォンラン)は包帯ぐるぐる巻きの剣士タイプのファイターで刀身が見えない剣での攻撃を得意とするキャラだ。
 対する対戦相手はダークネスMAD、通称ダクマ。攻撃を受ければ受けるほどに強くなっていくというドMなプレイ
スタイルのファイターで、相手に攻撃をあてるのも難しいためクソキャラとして選ぶプレイヤーは少ないことでも
有名だ。
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「それではガン〇ムファイト、レディ〜〜、アンッ!」
一同「お前ら、ストーカーかッ!」
 あとレディーゴーだからッ!


続

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