Eighter -Practical Era-
52nder 〜我が名は後発医薬 A〜
#0
ジェネリック医薬品というのをご存じだろうか?
厚生労働省の認可を得て製造販売される、新薬と同じ有効成分を含む医薬品のことである。
なんか普通と変わらないんじゃ?って思う人もいるかもしれないが、まぁ、簡単に特徴を説明すると開発された
新薬を十年ほどの長いスパンをかけて改良して提供するようなものである。
つまり、薬の魔改造 〜お客様の改造後は保証の対象外となります〜 だ!
※いや、それは絶対に違う!
そして、これはそんなジェネリック医薬品に情熱を捧げる一人の薬剤師の話……とはいかないところがEighter
の凄いところである。
※何なの?!
#1
天四斗(、喪霊乃(大学病院
その日、病院の廊下を一人の白衣を着た男が走っていた。
*「博士!やりました!」
ある部屋のドアを勢いよく開くと同時に叫ぶ男。
*「コラコラ、ジジィババァは孤独死(しろ!」
※何言ってんだコイツ?!
さておき、この巫山戯(たことを言い出した漢が博士と呼ばれていた漢であり、名を石垣禅空(といい、周りからは
Dr.ストーンと呼ばれ、慣れ親しまれている。
※いや、Dr.ストーンってをい……
*「あ、すいません……ですが、このデータを見てください!」
バムッと資料を勢いよく机に叩き付ける男。
*「我々はついに成し遂げたんです!」
石垣禅空(「こ、これは?!」
その資料を見て目の色を変えるDr.ストーンであった。
禅空(「早速あのお方に報告に行かなければならないな」
*「ええ!」
かくてDr.ストーンは天四斗(工業へ急ぐのであった。
天四斗(、天四斗(工業、3-J
禅空(「成金様、ついに我々は成し遂げました!」
一同「はい!?」
授業中(と、言っても天四斗(のDr.キリコ & GTRのタッグのおかげで授業らしいことは何一つしていないのだが
……)に突如謎の漢が乱入したかと思えば、そのまま成金の元へ駆け寄ってくる。
品辛斬子(「おい、成金、こいつはナニモンだ?」
風見原莉暗(「授業の邪魔をするのならお引き取り願いたいものだが……」
一同「そのセリフはマトモに授業をやってからにしろ!」
一同、心からの叫びだった。
成小路金厭(「まさか、アンドラの魔女から逃げられる方法でも発見できたのか!?」
一同「……」
そんなものは存在しないと思う。
禅空(「違います……アレがついに完成したのでその報告に!」
金厭(「……なっ、アレが?!」
驚きを隠せない様子の成金。
果たして、その『アレ』というのは一体何なのか!?
#2
斬子(「フム、折角だから研究発表でもしていったらどうだ?」
禅空(「おお、それは名案ですな」
ただ、話に全くついていけないのでここいらでひとまず自己紹介とかもろもろ行ってほしいものである。
と、言うわけで……
金厭(「……さて、では、まず彼は我が成小路財閥のお抱えの医師。いわゆる典医というヤツだな」
※なお、典医とは将軍家や大名に仕えた医師のことを言います。じゃあ、強ち間違ってないのか?!
禅空(「はい、私は石垣禅空(。皆さんお気軽に私の事はDr.ストーンとお呼びください」
一同(週刊少年漫画に連載されていそうなニックネームだな……)
寧(ろ訴えられたら負けそうな勢い。
斬子(「ふむ、私は天四斗(のDr.キリコと呼ばれている一教師だ。よろしく頼む」
禅空(「おお、これはこれは……こちらこそよろしくお願いしますよ、ドクター!」
そういってすっと手を差し出すDr.ストーン。そんな彼と固く握手をする天四斗(のDr.キリコであった。
一同「いや、この人医者でも何でもないから!」
禅空(「え!?……しかし、髪を真っ白に染めて眼帯をつけて、両頬をゲッソリさせて性別を変えたら、千人中数人
はDr.キリコと見間違えるのも無理はないかと思うのですが……」
一同「そこまでしてもその程度なら最早別人だよッ!」
それなら下手なコスプレイヤーの方がまだマシなんじゃね?
莉暗(「そして私はGTRと呼ばれている二階堂流カウンセリングのプロだ!」
禅空(「何と!そちらさんはカウンセラーの方でしたか」
ズズイとしゃしゃり出てくるGTRに対しても握手を求めるDr.ストーンであった。
※二階堂流カウンセリングはカウンセリングと称した秘密の聞き込みなので間違っても悩みを相談してはいけませ
ん。
一同「違ぇから!……そしてそっちも出張ってくんな!」
いいからとっとと話を進めてくください!
と、生徒一同の圧にしぶしぶと引き下がる天四斗(のDr.キリコとGTRだった。
禅空(「……では改めまして。私は喪霊乃(大学病院にてさる薬の研究開発を行っておりました……そして、人体じっ
……もとい臨床試験の結果、我々が開発した薬が『効果は抜群だ!』ということが分かったのです!」
一同(今一瞬『人体実験』って言いかけた!)
この人、実は危ない人なんじゃないだろうか?
みな、内心そんなことを想い始めた一瞬だった。
※ってか、なんでポケ〇ンみたいな言い回しなんだよ!
では、肝心のお薬とは一体どんなものなのだろうか……
続
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