Eighter -Practical Era-
50ther 〜大会(コンテスト)の名は未来繰(ミラクル)



#0
 ミラクルな未来つくるコンテスト、略してミラコン。工業高校に通う生徒によるモノづくりコンテストだ。
 それは希望?それとも絶望?
 過酷な運命乗り越えて(内定の)脈がなくても突き進む!
 それが受験生のサガだから!
※いや、どこのゾンビアイドルだよ!ってか、内定の脈がなくても突き進んじゃアカンから!

#1
 天四斗(あまよと)天四斗(あまよと)工業、3-J
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「はい、と、言うわけで、お前たちをミラコンにエントリーしておいた」
一同「唐突過ぎるわッ!」
 それは唐突に始まった。と、言うか、天四斗(あまよと)のDr.キリコが唐突に何かを始めなかったことがあっただろうか?
いや、ない!(ヒドイ……)
 ともかく、いつもの如く、天四斗(あまよと)のDr.キリコこと斬子(きりこ)が(勝手に)宣言する。
斬子(きりこ)「お前たち、ミラコンというのは知ってるか?」
柊木冬「知っているかって言われても、知らない人なんていないんじゃ……」
 あっ、と一行の視線がユリアに向く
 流石にユリアは知らないだろう……って思っていたら彼女がドヤ顔でこういう。
ユリア・キドニー「はい、知ってます。夜の遊園地を舞台にした一大合コンイベントだと聞き及んでいます」
一同「違ッ!」
 一同、盛大に突っ込む。いや、突っ込まざるを得ない。
 なお、余談だが、富山県の魚津市にあるミラージュランドで夜に行う合コンのことをマジにミラコンって言うら
しいです。
 そんなのもあるんですねぇ……
風見原莉暗(りおん)「知らない人もいるだろうから改めて説明しておこう。ミラコンというのはだな……」
 いや知らない人ってユリアだけなんじゃ?って一同は思いつつも、とりあえず今度はGTRの言葉に耳を傾けてみ
ることにする。
莉暗(りおん)「ミライティングコーポレーション主催のコンテストのことであり……」
斬子(きりこ)「略してミラコンだ!」
一同「知ってるのと違ぇッ!」
 一同、黙っていられず思わず大声を張り上げる。
 冒頭に説明した通り、ミラコンとは通常(?)ミラクルな未来つくるコンテストで略してミラコン。工業高校に
通う生徒によるモノづくりコンテストのことなのだ。
 工業高校に通う一行にとっては急なエントリーは無茶ぶりにも程があるが、出てみたいと思っている人も少なか
らずいるのではないか……いや、知らんけど。
榛木秦(はしばみ・しん)「大体ミライティングコーポレーションってなんなんですか?」
斬子(きりこ)「何だ?知らないのか?」
 いや、知らないから聞いているんだけど……と思っていると莉暗(りおん)が代わりに答える。
莉暗(りおん)「『未来に正しい光を!』が社訓の通信ソフトウェア会社だ」
一同「社訓だけ聞くとアヤしげな宗教団体にしか見えねぇよ!」
※ちなみに、ミライティング = 未来 + [LR]ight + ingというわけだ。

#2
 と、その時、突如教室のドアが開き一人の男性が入ってくる。
斬子(きりこ)「紹介しよう」
莉暗(りおん)「彼はミライティングコーポレーションでセカンドエディションをやっている那楼晩渡亥牡太(なろうばんど・いおた)さんだ」
一同「セカンドエディションじゃねぇよッ」
 SEの意味が違ぇよ!と一同盛大に突っ込む。
 ってか、NB_IoT(ナローバンド・イオタ)?!
斬子(きりこ)「おっと、すまない、正しくはサウンドエフェクトだったな……」
一同「シ、ス、テ、ム、エ、ン、ジ、ニ、アッ!」
 ボケの重ね掛けは要らねぇよ!
那楼晩渡亥牡太(なろうばんど・いおた)「では、まずは我が社世に提供しているモノについてご説明いたしましょう」
 なんかいきなり始まった……
※ってか、このボケとツッコミに全く動じないのもすげぇな……
 まず、前段階としてミライティングコーポレーションではLoRa(ローラ)という少ない出力で、長い距離での通
信ができる技術をベースに独自の開発を行っているという。
 最大8km程度という長い距離を、低い出力の電波を使ってやりとりするのが特徴だ。
 あまりイメージがつかめないかもしれないのでもっと具体的に説明してみましょう……と言い出す亥牡太(いおた)亥牡太(いおた)「やっほ〜、LoRa(ローラ)だよ〜♪あのねぇ〜LoRa(ローラ)ねぇ〜、すごぉ〜く面白い話を聞いたの〜♪」
一同「芸能人かッ!」
 思わず突っ込まざるを得ない一行であった。
 その後も間抜けな感じで説明が続くが、何一つ響かない……と、言うか頭に入ってこない。
 こんな巫山戯(ふざけ)た説明を行えるのはある意味才能ではないか!?

 ……そして、最早『ローラ』違いなんじゃねぇか?って思われる説明もいよいよクライマックスへ!
亥牡太(いおた)「……と、言うわけで我が社が威信をかけて世に送り出すモノ……その名をAdvenced LoRa(ローラ)、略してアロー
ラと言います!」
一同「第七世代ポケ〇ンの舞台かッ!」
 またしても突っ込まざるをえない一行であった。
斬子(きりこ)「と、言うわけだ」
莉暗(りおん)「ミライティングコーポレーションがどんな会社かわかったか?」
一同「いや、分かんねぇよ!」
亥牡太(いおた)「そ、そんな、馬鹿な?!」
 愕然とする亥牡太(いおた)
亥牡太(いおた)「……我が社では説明させればNo.1だったのに、理解されないなどと……」
 青ざめた表情で、ふらふらしながら後退る亥牡太(いおた)。
一同(あれで説明させればNo.1?!)
 一体ミライティングコーポレーションってどんな会社なのか!?
 逆に興味が出てくる一行なのであった。

#3
(しん)「と、言うか、その……ミラコンって一体何のコンテストなんですか?」
 ここで素朴な疑問を今更ながら投げかけてみる。それはこの場に居合わせる全員の総意でもあった。
亥牡太(いおた)「おいおい、まさか聞いてないってのか!?……最先端の技術をその業界の要人に紹介するイベントにおけ
るアシスタント要因の募集だぞ」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「そのイベントのマスコットキャラクターのミヅキとヨウをミラコンで決めよう!というのは面白い!
……ってなわけで速攻でエントリーしてみたんだ」
一同「第七世代ポ〇モンの主人公かッ!」
 ここまでくると訴えられないか心配になってくる一行であった。
亥牡太(いおた)「マスコットキャラクターのミヅキとヨウに求めるのはいかなる時も無表情!」
一同「そこまで一緒にすんなしッ!」
 マジで第七世代〇ケモンの主人公かよ……
 ってか、いかなる時も無表情なキャラを選ぶコンテストって、参加したくねぇ……
 だが、悲しいことに天四斗(あまよと)のDr.キリコ & GTRのタッグが決定したことに逆らうことはできないのだ……
 と、言うわけで間違ったミラコンは開催される
※なお、続きそうですが、この話はここまでです。悪しからず。


END

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