Eighter -Practical Era-
49ther 〜愛憎吹き荒ぶ暴嵐 A〜



#0
 愛ゆえに人は苦しまなければならない、愛ゆえに人は悲しまなければならない。ならば、愛など要らぬわぁッ!
 聖帝・サ〇ザー
※いきなり何事か!?
 これは、愛を巡る物語。
 そして、天四斗(あまよと)工業に激震が走る大事件でもある!

#1
 天四斗(あまよと)天四斗(あまよと)工業
*「(ようや)く見つけた!」
 ある日の事、天四斗(あまよと)工業に一組の男女がやって来たことからすべてが始まった。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「あん?なんだお前ら?」
*、*「僕たちはこの高校のみんなの姉に会いに来ました」
一同「……」
 生徒会長じゃなくて『みんなの姉』に会いに来たってなんだよ!と、一同は心の中で盛大に突っ込んだ。
 さておき、この二人は東方第四高校の生徒で鳴城院貴音(なるじょういん・たかね)國廣(くにひろ)。苗字が同じことからわかることかもしれないが
姉弟である。
テ金(しんかね)心「はっはっは、私に何か用かね?」
 呼ばれて飛び出て扇子で口元を隠しながら笑いつつ、生徒会長、もとい、みんなの姉が推参。
鳴城院國廣(なるじょういん・くにひろ)「僕と結婚を前提に付き合ってください」
一同「ええええ!?」
 いきなりの告白、いや、プロポーズだった
國廣(くにひろ)「弟さんにはコレを、ウチの姉です」
楯木(てすりぎ)盾「おい、マテコラてめぇ、よりにもよって姉を売り渡すなどと巫山戯(ふざけ)てんのか?」
 姉を蔑ろにするような奴には死を!ってな感じでシスコンの盾がいきり立つ。
國廣(くにひろ)「な、なんだこの人!?」
杭木(こう)「そいつは姉に現を抜かすシスコンなので無視しても構わないぞ」
盾「黙れシスコン!」
 いや、お前もシスコンだろうが!
風見原莉暗(りおん)「お前らちょっと黙っていような……」
 盾と(こう)が喧嘩しだしそうになったのですかさずGTRこと莉暗(りおん)が仲裁に……入らない。
※をい!
 まぁ、GTRや天四斗(あまよと)のDr.キリコに期待する生徒もいないため手すきの生徒が二人を宥めることになる。
 そんな中、何事もなかったかのようにみんなの姉はこう告げるのだった。
心「はっはっはっは、残念だが私には弟がいるので結婚を前提に君と付き合うことはできないんだ」
一同(何の理由にもなっていない断り方……)
國廣(くにひろ)「いや、せめて話だけでも聞いてくれないか!」
鳴城院貴音(なるじょういん・たかね)「きっと貴方たち姉弟にも関係する重要な話なのよ」
心「ふむ」
 まぁ、聞くだけなら聞いてみようじゃないか、何せ私は天四斗(あまよと)工業の、みんなの姉だからな。と、心は鳴城院(なるじょういん)姉
弟の話を聞くべく生徒会室へと姿を消すのであった。
 生徒会長にプロポーズしだした奴が現れた!という話が巡り巡り、心の弟、(くくる)も生徒会室へ向かった
のであった。

#2
 奇しくも(くくる)が生徒会室にたどり着いたとき、話は終わったのか、生徒会室のドアが開き、心が出てくる。
心「おお、丁度い所に。実は彼と結婚を前提に付き合うことになったんだ」
一同「はいぃい!?」
テ金括(しんかね・くくる)「はぁあああ!?」
 一同が驚きの声を上げる中、誰よりも大音量で(くくる)が叫ぶ。
(くくる)「ねね、姉さん。い、一体何を言っているんだ!?」
心「うん、だから、彼と結婚を前提に付き合うことになってな……」
貴音(たかね)「始めまして、貴方が弟さんであってるわね?……私と結婚を前提にお付き合いをしましょう」
(くくる)「いや、アンタも何言ってんだ!?」
 訳が分からないよ……と言った状態の(くくる)(くくる)「ね、姉さん。なんかさっき変な空耳しちゃったんだけど、もう一回言ってくれないかな」
 嫌な汗がダラダラと出てくる。
心「全くぅ、しょうがない奴だなぁ。いいか、私は彼と結婚を前提に付き合うことにしたんだ」
 そういって國廣(くにひろ)と腕組みして見せる心。
(くくる)「え?姉さんすまんがもう一回言ってくれ、さっきからどうも耳の調子がおかしいんだ」
 更に今はなんか眼の調子も悪くてなんかあり得ない光景が見えるんだ……と言い出す(くくる)。
心「うん、何度でもいうけど、彼と結婚を前提に付き合うことになったんだ」
(くくる)「耳が遠くなったのかな……おかしいな……」
 バシバシと両手で耳を叩いたり、ごしごしと眼をこすったりして現実逃避しだす(くくる)。
心「お〜〜い、ちゃんと聞こえてるか?……彼と結婚を前提に付き合うことになったんだよ」
(くくる)「う、う〜〜ん。何度聞いても『彼と結婚を前提に付き合うことになったんだ』という空耳をしてるんだけど、
なんでかなぁ?」
一同「いや、一語一句間違ってないからッ!」
 姉の言う『彼と結婚を前提に付き合うことになったんだ』というところがどうしても聞き取れない(くくる)。
 それは吉本新喜劇の『毛細血管がいっぱいつまってるとこ、脇〜』ってなやりとりを彷彿させた。
心「ちゃんと聞かないとダメじゃないか……」
(くくる)「そ、そんな馬鹿なッ!」
 何度も何度もしつこくやりとりを繰り返して、(ようや)く理解することができた(くくる)。だが、納得できない。
(くくる)「ね、姉さん、どうして……」
 まるで世界の終わりでも見たかのように青ざめる(くくる)。
心「それは……」
(くくる)「嫌だ、何も聞きたくないッ!」
 アアアアアアッとあらんかぎりの叫びを行いつつ、(くくる)はその場から逃げ去ってしまうのであった。
 はてさて、一体生徒会室で何があったというのか!?そして、テ金(しんかね)姉弟はどうなってしまうのか!?


続

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