Eighter -Practical Era-
48ther 〜戦うことは運命だ C〜



#5
 激突!南、夏 VS イルル、ライラ……両者の死合はいよいよ最終局面へ?!
 果たして、武道館は四人の攻撃に耐えることができるのか!?
※うぉい!趣旨が違う!
楠木南、榎木(えのき)夏「てぇええい!」
イルル・ファルカタ、ライラ・ケペシュ「はあああ!」
 ズドオオオンンッ
一同「うわぁあ……」
 激突、そして相殺……いや、これは、対消滅!?あまりの反動で武道館の到る所に亀裂が走り、地震でも起きた
かのように揺れ動く。
南、夏「くっ……」
イルル、ライラ「ちぃ……」
 まだ、勝負はついていない……だが、双方ボロボロだ。どっちが先に動けるか……それがこの死合の勝利の鍵だ
ぁあああ!!
メイド「双方、そこまで!」
 と、そんな折、一人のメイドが死合を止める。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「死合を止めるとは無粋だなぁ」
一同「いやいやいや……」
 これ以上暴れてもらっては本当に武道館が半壊じゃすまないので止めてくれてありがとうと思う一行。
イルル「止めるな!」
夏「そうよ!勝負はまだついてはいない!」
風見原莉暗(りおん)「ああ、たとえ武道館砕けようとも、死合の行方が優先される」
一同「されねぇよ!武道館優先しろよ!」
テ金括(しんかね・くくる)「と、言うか、あなたは?」
 見たところメイドと言うことは分かりますが……
メイド「これは失礼いたしました。私はサザンオルステラの宮廷メイドが一人」
 スカートの裾を掴んで挨拶するメイド
一同「サザンオルステラの?」
 なぜサザンオルステラのメイドがこんなところに?と一同は首をかしげる。
メイド「此度の勝手な振る舞い、ミセスリコルデは大変ご立腹です」
イルル、ライラ「え?!」
 そんな言葉を聞いて急にピタリと動きをとめ、ガタガタ震えだすイルル、ライラ
 油が切れたロボットのごとくぎぎぎぎっと首を動かしてメイドの方を向く。
メイド「即刻本国にお戻りください」
イルル、ライラ「イエス、マム!」
 ビシィイッと敬礼し、二人はまるで統率の取れた軍隊の如くザッザッザッザッと武道館を後にする
一同「な、何だ!?」
メイド「今回はウチの馬鹿弟子が大変失礼をいたしました……ともミセスリコルデはおっしゃっております」
一同「は、はぁ……」
メイド「つきましてはここの修理代はサザンオルステラがもちます」
成小路金厭(かねあき)「マジで?!」
 これは成金にとって嬉しいニュースだ。
 なお、イルルとライラは今回、勝手に日本にやって来たのがまずかった。武者修行に行けとはいったが、まさか
(勝手に)日本に行くとは思ってもみなかったのだ。
 そのことでミセスリコルデは怒り心頭。直ちにイルル、ライラを連れ戻せ!ということになったのだった。
 このメイドはその勅命を受けここに来たのだ。

#6
斬子(きりこ)「うむ、なんやかんやあったが、結果面白かったのでよし!」
一同「マテや!」
南、夏「と、言うか、勝敗は!?」
メイド「今回は勝者も敗者も無し……と、言うことになります」
一同(まぁ、そうだよね……)
メイド「では、私もこれにて失礼いたします」
 ぺこりと頭を下げ、宮廷メイドも武道館を後にする。

テ金(しんかね)心「あれ?試合は?」
(くくる)「いや、もう終わったから……」
 いくら何でも勉強に集中しすぎでしょ!
※そういう次元の問題でもない気がするけど

 その翌日……
 武道館の前にはサザンオルステラの宮廷メイドが一人と《夜鬼を描ける少女》としてサザンオルステラでは有名
な宮廷画家、バルティリア・ピータースがいた。
一同「何であなたが!?」
バルティリア・ピータース「はい、この度武道館のデザインを任されました」
一同「いや、なんで!?」
メイド「修復しようと思ったのですが、損傷具合から立て直す方がよいと判断しまして……」
 ならば、いっそのこと《夜鬼を描ける少女》にデザインをお願いしようと思い、来てもらいましたと説明を続け
る宮廷メイド
一同「……」
 バルティリアがデザインするなど不安要素しかない……SAN値直葬な外見とか内装になるのではないか!?
 有難迷惑とはまさにこのことである。だが、サザンオルステラの行為を無下に断ることもできない。
斬子(きりこ)「何だ?お前ら、雁首揃えて……」
 と、そこへ天四とのDr.キリコ推参。宮廷メイドは再び彼女にも武道館立て直しの経緯を話す
斬子(きりこ)「ふむ……」
一同(あ、これ、ヤバイパターン)
 天四斗(あまよと)のDr.キリコの眼がキラキラと輝いている。また何か怪訝(おか)しなことを考えた証拠だ。
生徒(いや、だが、考えてみるんだ……あの宮廷画家のデザインするSAN値直葬なものと……)
生徒(先生のオカしな考え……どっちがいいかってか?)
 五十歩百歩ってかどっちも嫌だ
斬子(きりこ)「立て直すならば地下闘技場に作り直してほしい」
一同「何言ってんの!?」
斬子(きりこ)「その方がのびのびとデザインできるというものだろう」
メイド「……確かに、それは一理ありますね」
 顎に手を当てて真面目に考える宮廷メイド。
一同「乗るなよ!」
バルティリア「地下闘技場……なんだかインスピレーションが湧いてきました」
一同「そっちもやめてぇ!」
 だが、悲しいことにこの暴走特急を止められる存在はどこにも存在しなかった……
 ちなみに、余談だが暫くは武道館(半壊)を授業で使い、地下闘技場の建設を平行で行うこととなる。地下闘技
場が完成して初めて地上部分を取り壊すことになるのだ。
 なお、地下闘技場は剣道、柔道、総合格闘技の三つのフロアに分かれており、剣道部、柔道部からはフロアまる
まる使用できるのは便利……という言葉を貰ってはいる。

#7
 地下闘技場が完成してから数日後のある日
斬子(きりこ)「喜べ!お前たちに嬉しいニュースがある」
一同(絶対喜べない奴だこれ!)
莉暗(りおん)「先日、ミセスリコルデの弟子が勝手にやってきて勝手に勝負を挑んで中途半端なまま死合が終わったが、今
回、正式に交流試合を行う運びとなった」
斬子(きりこ)「と、言うわけだ。夏、南、今度こそ天四斗(あまよと)の実力を見せてやるんだ!」
夏、南「おっしゃ〜〜!」
一同「マテマテマテ!」
 ガラガラッ
 次の瞬間、教室のドアが勢いよく開いて二人が殴りこんでくる。
イルル、ライラ「たのも〜」
 こうして、ミセスリコルデの弟子と夏、南との死合は再開されたのだが、それはまた別の機会に……


END

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