Eighter -Practical Era-
46ther 〜南全星(サザンオルステラ)遊刃余地(ヨタナラティヴ) A〜



#0
 サザンオルステラ表敬訪問。その最大の目的はユリア姫様と囁口聶(じょうこう・ささや)の関係を問いただす的なアレ。
 が、しかし、それはアッサリと終わってしまい、一行はもはや日本に帰るだけかに思えたが……
 天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRのタッグの前ではそうな問屋が卸さないのである。
※やめれ!

#1
 サザンオルステラ陛下、皇后との謁見も終わり、一行は控えの間へ移動する。
 そして、ここでもずっとわくわくしている天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRの二人。当然国から貰えるであろう褒賞の事
で頭がいっぱいだ。
 人はそれを『捕らぬ狸の皮算用』と言う。
 と、そこへメイド長がツカツカと歩み寄ってくる
メイド「国王陛下より、労いの言葉を受けております」
品辛斬子(ぴんから・きりこ)、風見原莉暗(りおん)「ほほぅ」
 内心、キタ〜〜〜!って叫んでいる二人。
メイド「ご苦労であった。これからも有事の際には協力を求む……だそうです。以上」
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「え?」
 何ももらえない……そんな事実に打ちのめされる
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「それだけ?」
メイド「はい」
斬子(きりこ)「いや、そんなはずはないでしょう?」
莉暗(りおん)「何かの間違いでは?」
メイド「陛下からの言葉に嘘偽りはございませんが?」
斬子(きりこ)「そ、そんな……」
莉暗(りおん)「ただ働きだなんて……」
一同「いや、あのな……」
 ガックリと項垂れながら二人はホテル・パシフィックへ帰ることになるのであった。

 ホテル・パシフィック
斬子(きりこ)「さて、これで表敬訪問も終わったわけだが……」
 先ほどの件で不機嫌オーラ出しまくりの天四とのDr.キリコ
莉暗(りおん)「このままおめおめと帰るのも癪だ。そこで……」
 と、そんな折、一行の前に一人の女性が登場する。
一同「な、何だ?」
 GTRこと莉暗(りおん)は帝国軍人もかくや……と言った軍服に身を包んでいるが、登場した女性も同じようにキッチリと
軍服に身を包んでいた。
ユリア・キドニー「ミセスリコルデ……」
一同「ミセスリコルデぇ!?」
莉暗(りおん)「ミセスリコルデ、一体何者なんだ?」
ユリア「彼女はスキーナ・リコルデ。サザンオルステラ屈指の宮廷元帥で、サザンオルステラの軍事力の頂点に立
つお方です」
一同「いや、それ以前に宮廷元帥ってなんだよ!?」
 宮廷じゃない元帥もいるの?と突っ込みどころは万歳である
ユリア「もし、彼女が敵国の兵士だったら、我が国は一夜で滅んでいるでしょう……という畏怖の念を込めて我々
は彼女のことをミセスリコルデと呼んでいます」
一同「畏怖じゃなくてifも入ってない?」
 ダジャレかよ!
 さておき、そんな彼女が一体どんな用件でやってきたのか?

#2
スキーナ・リコルデ「お前がササヤか?」
囁口聶(じょうこう・ささや)「ヒィッ」
 ギロリと(ささや)を睨み、叫ぶミセスリコルデ。人を殺せそうな程の圧を放つ眼力に金縛りにあったかのように動けな
くなる(ささや)。
スキーナ「お前は陛下より御名を下賜された。私は陛下の命によりそれを届けに来たのだ」
(ささや)「は?……なな、名?」
 疑問符でいっぱいではてな?と首をかしげていると、無理やり(ささや)に一枚のグリーティングカードが渡される。
 そこには何故か日本語で『ササヤ・JK・キドニー』と書かれていた。
※そういえば、サザンオルステラの母国語って何語なんですかね?サザンオルステラ語?
ユリア「これで貴方もも正式にロイヤルファミリーの一員ですね」
(ささや)「えぇええ〜〜〜〜!?」
 驚き桃の木山椒の木
※古ッ
(ささや)「ずぅええええええ〜〜〜!?」
 それはともかく、もう一度驚き直す(ささや)。更に吉本新喜劇で内場〇則がリアクションを取るような感じで、さぁ、
みなさんご一緒に……とお手を拝借して
一同「いぇえええええ〜〜〜!?」
 三度驚きの声を上げる。
斬子(きりこ)莉暗(りおん)「良かったじゃないか、何もせずロイヤルファミリーになれるなんて滅多にない出来事だぞ」
(ささや)「いやいやいやいや、滅多にないどころか前代未聞ですよ!」
スキーナ「これよりお前はササヤ・JK(ジョーコー)・キドニーを名乗ることが許された!」
(ささや)「ってか、JKって常考の略かよ!」
 確かに(ささや)の本名は囁口聶(じょうこう・ささや)であるが……無茶苦茶である。
 と、そんな折、スキーナをじっと見つめる人物が二人。南と夏である。
楠木南「そんなことよりも……」
榎木(えのき)夏「ええ、彼女の実力、いかほどのものか……」
(ささや)「そんなことって……」
 強者がいれば死合いたいと思うのが武人!とか言い出す二人。
 もう、勝手にしてほしい。
ユリア「やめておいた方がいいと思いますが……」
 サザンオルステラの軍事力の頂点に立つミセスリコルデ……彼女に決闘を申し込むなどと、自殺するようなもの
だ。
 勝負を申し込むのはやめておけ、死ぬほど痛いぞ……
(むし)ろ死ぬ……
スキーナ「死に急ぎたいというのならば、今ここで」
 スラっとサーベルを抜いて南、夏の方を向く。
南、夏「い、いや、また次の機会に……」
 これはヤバい……夏、南もまた優れた武人であった。故にスキーナの力が凄まじいということを瞬時に悟った。
 確かに、先ほどユリアが言ったように、今、スキーナに勝負を挑むのは自殺するようなものだ……
 だが、修行して力をつければあるいは、一矢報いることができるかも……しれない……
※ってかまだ負けてもないのに一矢報いるって……
スキーナ「では、私はこれにて失礼する」
 そして彼女は去る。
 それは、まるで嵐が過ぎ去ったかのような……そんな感覚を覚えた。


続

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