Eighter -Practical Era-
45ther 〜南全星(サザンオルステラ)萬物逆旅(エクサヴォヤージュ) B〜



#3
 (ひょん)なことからサザンオルステラへ出向くことに(勝手ながら)決まった一行。天四斗(あまよと)のDr.キリコとGTRのタッグ
の前に最早成すすべもなく一行は付き従うしかないのだ。
 天四斗(あまよと)天四斗(あまよと)空港
テ金(しんかね)心「はっはっはっは、みんな準備はできているか?」
一同「ってかなんで生徒会長がいるんですか?」
心「こらこら、『お姉さん』だろ?」
 ちっちっち……と指を振りながらそんなことをのたまう心。
一同「いや、今はそんなことはどうでもいいから!」
 出発の日、空港には生徒会長が居てびっくり仰天の一行。
心「何を言うか、サザンオルステラへ表敬訪問するのであれば、みんなの姉として天四斗(あまよと)工業を代表して私が挨拶
にいくのは当然ではないか!」
一同「あ、そうですか……」
 もう好きにしてください……と一行。
※ってか、表敬訪問ってていになったんですね……と今更ながら思う一行であった
一同「で、それはいいんですけど……」
 次に一行の視線は心の隣にいる人物に向けられる。
 そこには心の実の弟、(くくる)が、なぜかいた。
一同「なんでお前がいるの?」
 素朴でありつつ最もな疑問を呈する
テ金括(しんかね・くくる)「いや、姉ちゃ……ン、ゴホン……姉さんが勝手に……」
 バツが悪そうにそっぽを向きながら呟く
心「はっはっはっは、細かいことを気にしていては大物にはなれないぞ」
一同「気になるよ!ってか絶対細かい事じゃねよ!」
 百歩譲って姉は生徒会長で学校の代表だからというのは分からんでもないが、その弟は別に生徒会メンバーでも
なんでもない。今回の旅行についていくことがそもそも怪訝(おか)しい。
 まぁ、自分からではなく、姉に頼まれてここにいるわけだが……それでも怪訝(おか)しいだろ!
心「実は私は枕が変わると眠れないんだ……だから仕方がないんだ!」
一同「それとこれと一体何の関連があるんだぁああ!」
 盛大な突っ込みであった。
白拍子かんな(枕は枕でも抱き枕で……弟さんは抱き枕ってことかな……)
 一人真実を見抜くのは運の女神、かんなである。
※え?じゃ、本当の修学旅行の際、心はどうしたのかって?……それはご想像に難くない……ということをお任せ
 します。(どういうこと!?)
 さて、そんな旅行気分な一行とは裏腹に一人だけ、死刑宣告を待つかのような人物が一人……そう、囁口聶(じょうこう・ささや)であ
る。
ユリア・キドニー「安心してくださいな。お母様も鬼ではありませんから貴方が死ぬことはきっとありません」
囁口聶(じょうこう・ささや)「で、でも……」
ユリア「最悪の場合でも私の妹に生まれ変わるだけだと……」
(ささや)「安心できる要素が何一つないッ!」
 やっぱり死刑宣告を待つ死刑囚な気分の(ささや)であった。

#4
 サザンオルステラへは天四斗(あまよと)空港からひとっ飛びである。
 何を隠そう天四斗(あまよと)市とサザンオルステラとは友好条約を結んだ姉弟都市……なのかもしれない。
※どっちだよ!はっきりしろよ!……ってか、よく考えたらサザンオルステラは国で天四斗(あまよと)は市だけど、それでも
 やっぱり姉弟都市でいいのか?……と、言うか姉弟都市じゃなくて、姉妹都市だろ!
 サザンオルステラ皇国、ピーストハイライト
 そこはサザンオルステラの空の入り口である。ちなみに、海の入口はブルーヘヴン、陸の入り口はネオブラヴォ
ーと言う。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「あ〜、我々のサザンオルステラでの拠点はここホテル・パシフィックだ!」
 ばば〜んとホテルをバックに天四斗(あまよと)のDr.キリコが宣言する。
ユリア「ここ、ホテル・パシフィックはサザンオルステラでも格式の高い王室御用達のホテルのひとつとして名高
いホテルです」
一同「マジかよ……」
 そんな凄いホテルに宿泊していいのか!?と、どよめく一行。
風見原莉暗(りおん)「よ〜し、みんなに旅のしおりを配るぞ〜、受け取れ」
一同「は〜い……ってこれ『しおり』違いじゃねぇかぁ!」
 GTRがみんなに渡したのは冊子ではなく、栞であった。
斬子(きりこ)「こらこら、ちゃんと受け取らないか!苦労して冊子として作成する文面を全て栞に書き込んだ私達の努力を
受け取らんか!」
一同「普通に冊子作れやぁああ!」
 無駄な努力すんじゃねぇ!という一行の魂の叫びであった。
斬子(きりこ)「と、言うのは冗談で」
一同「タチ悪すぎるわ!」
莉暗(りおん)「いや、流石に栞にギッチリと記載するなんてそんなちまちました作業を我々がやるわけないだろう」
一同「知るかッ!」
莉暗(りおん)「時はデジタル時代……ならば、旅のしおりも電子化するのが時代の流れと言うもの」
一同「はぁ……」
心「なるほど、この栞は実はUSBメモリということだな」
 律儀に栞を受け取った心がそれを手に取って告げる。
斬子(きりこ)「うむ、そういうことだ!」
(ささや)「確かに栞にしては無駄に厚みがあって、先端に謎の金属端子があるって思ったけど……」
(くくる)「と、言うか、PC持ってきている奴なんているのか?」
一同「……」
 (くくる)の素朴な突っ込みに教師含め全員が沈黙する。
 なお、工業高校の生徒なのでポケコンを持ってきている人もいるにはいるが、しかし、ポケコンにはUSBメモリ
を接続するような端子など存在しない!
 ちなみに、余談だが、パソコンとUSBで接続できるポケコン用機器はあるようです。
※いや、今や時代が進んでUSB端子持ったポケコンもあるかもしれないけど……
ユリア「じゃ、ホテルのロビーにある共有PCでも使えば……」
 結局電子化したのに印刷しなくちゃいけないという……


続

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