Eighter -Practical Era-
44ther 〜南全星の国家反逆( C〜
#5
メイド「ともかく、そんな国家犯罪級の下着ドロが脱獄し、この日本に潜んでいる……ということを伝えるために
私はここに来たんです!」
事は急を要するために有休も使ったんですよ……とポロっと漏らすメイド。そこは別にどうでもいい情報だ。
一同(いや、国家反逆罪級の下着ドロって……)
もはや真相を知っているのでなんだかどうにも拍子抜け。
※そもそも国家反逆罪でもなんでもない
品辛斬子(「安心してもらおうか!」
と、そんな時、天四斗(のDr.キリコこと、品辛斬子(が口を開く
斬子(「頼もしいことに私達は下着ドロ滅殺のプロ!」
一同「何だよ、それ!」
と、いうか滅殺しちゃアカンだろ!とも盛大な突っ込みが入るが無視して話を進める斬子(。
風見原莉暗(「私達が本気を出せば下着ドロにカウンターアタックをくらわすことも容易いわ!」
下着ドロにカウンターってなんだ?……下着ドロから逆に下着を盗むのか?って思う一行
メイド「で、ですが、彼奴のげに恐ろしいところは、接地している相手から気づかれず紐パンでもないパンツを盗
み出す所にあるんですよ!」
一同「どうやるんだよ!」
思わず突っ込まざるを得ない。
メイド「それだけじゃないんですよ……彼奴の伝説はまだあるんです!」
ぐぐっと拳を握りしめて、メイドは続ける。
メイド「貞操帯と下着を同時着用していた、さるメイドも……気づいたらパンツだけが盗まれていたというのです
よ!」
一同「それこそマジでどうやったの、ねぇ!?」
最早時間を止めているとしか思えない……まさかね……
ちなみに、彼女は当時、サザンオルステラメイド協会No.1の実力者にしてサザンオルステラ宮廷メイドのメイド
長を務めていたんですが、事件をきっかけに辞職……
その後、精神的に荒んだ彼女は野良メイドとなってしまい、サザンオルステラ各地を荒らしまくる悪女と成り果
ててしまったんです……と続ける。
その後、大恩ある彼女を討伐することになるなんて心が痛みましたよ……ヨヨヨ……とかハンカチ噛んでのの字
床に書きながら語るメイド。
一同(いや、別にそんな話はどうでもいいんだが……)
樫木堅(「ってかさ、そいつの目的って何なの?」
そういえば、確かに……とふと思い起こす一行
メイド「おそらく、奴の目的は、ユリア皇女殿下、あなたです」
ユリア・キドニー「え?私?」
突然のことにぽかんとするユリア
メイド「はい、実は……皇后陛下の怒りが凄まじくて、あまり知れ渡っていないのですが、十数年前、皇后殿下の
他に下着が盗まれなかった女性がもう一人いたのです」
そして、それがユリア様、あなたのです!とメイドは続ける。
#6
一同「……いや、そりゃそうだろ!」
よく考えたら、現役女子高生のユリアが十数年前にパンツ履いていると思えないし……
盗まなかったというか物理的に盗めなかったというか……
メイド「そして、ユリア様……大変失礼ではございますが、今ちゃんと履いてらっしゃいますよね?」
一同「失礼極まりないなこのメイド!」
で、ですが、既に盗まれた後ではもう遅いのです……とメイド。
いや、それはそうだけど……
何なら証拠を見せましょうか?とスカートをたくし上げようとするユリア。待ちなさい!みんなが見ている前で
そんなはしたない真似するんじゃねぇよ!
売り言葉に買い言葉か?
と、そんな時だった……
斬子(「奴から身を守る最強の方法をひとつ思いついたぞ!」
莉暗(「ああ、私も今同じことを考え付いたところだ!」
キラキラ目を輝かせながら二人が言う。
メイド「そ、それは!?」
斬子(「逆転の発想だよ!」
莉暗(「奴は特定の女性からは下着を盗まない……で、あるならば……」
一同(嫌な予感しかしねぇ……)
斬子(、莉暗(「恋人を作る!」
メイド「あぁ、なるほど!既成事実ですね!」
一同「違ぇよ!」
誰もそこまで言ってねぇよ!
このメイド、本当にユリアを敬ってんのか?と一同が心の中で疑問を抱く。
※そんなことよりもてっきり教師二人が既成事実って言うかと思ったら常識的な答えでびっくりだ
いや、そんなところでびっくりすんなよ……
*「フッ、今更そんなことをしても遅いわ!」
一同「なっ!?誰だ?!」
突如として教室に響き渡る謎の声。
もっとも、やってくるとしたら一人しかいないので謎でもなんでもないのだが……
メイド「ロライズ・パンテノン!ユリア様の下着には指一本触れさせないわ!」
ババッとユリアを取り囲むようにメイドが円陣を組む。
ロライズ・パンテノン「甘いわぁ!」
ヒュンッと一陣の風が舞ったかと思うと次の瞬間、宙を舞うパンツの群れ……
一拍子遅れて響き渡るメイドの悲鳴。そしてそのままぺたんとその場にしゃがみ込むメイド達
メイド「クッ、これが国家犯罪級の下着ドロの威力……」
ロライズ「フフフ……」
そうして、一行の前に現れたのは一人の短パン小僧だった。彼こそが伝説の下着ドロ、ロライズ・パンテノンで
ある。
ロライズ「ユリア様!下着(頂戴仕る!」
お前は戦国武将か!
ってか、『下着』って書いて『みしるし』って読むんじゃねぇよ!
ユリア「くっ……」
ユリア、ロライズの毒牙にかかる……かに思われたが、次の瞬間、まるでブルースクリーンにでもなったかの如
く固まるロライズ
ロライズ「俺の……負けだ……」
ガックリとその場に項垂れるロライズ
一同「ええぇ〜〜〜!?」
#7
突然の出来事に茫然とする一行
メイド「一体どういうことなの!?」
メイド「……はっ!そういうことなのね!ユリア様!」
ユリア「……」
黙り込むユリア。沈黙はエンペラーとはこのことか……
※そりゃ『こうてい』違いだ!
メイド「初めからノーパンならば下着を盗まれることはない!」
ユリア「え?違いますよ?」
と、言うかさっきスカートたくし上げて履いてるところ見せようか?ってやってたじゃん
と、言うことは、残りは一つしかない……奴の主義として師匠よりの教え『人の女に手を出してはいけない』が
ある……つまり、ロライズはそのたぐいまれな嗅覚?でユリアが既にひとのモノであると言うことを嗅ぎ分けたの
だ。
どんな能力だよ、それ……ユニコーンの上位互換か?
斬子(、莉暗(「まぁ、何はともかく、一件落着でよかったじゃないか」
一同「よくない!」
と、言うか釈然としない……
こうして、国家犯罪級の下着ドロの野望は潰えた……
END
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