Eighter -Practical Era-
44ther 〜南全星の国家反逆( B〜
#3
サザンオルステラ、ツナミ留置所、看守長室
バックギャモンはそこで冷や汗をかきながら、90°の平伏をしていた。
バックギャモン・アインス「申し訳ございませんッ!全ては俺の不徳の致すところ……」
ウィンクル・ヘルナーガ「あぁ?聞こえんなぁ?」
※マジでウイグル獄長じゃないんだから
*「おいおい、バックギャモンよぉ、謝って済めば警察はいらねぇだろ!」
ここぞとばかりにバックギャモンを攻めるのは同じくツナミ留置所十戒の一人、セーテン・タイサーモン。
二人はツナミ留置所十戒のツートップであり犬猿の仲で有名だ
バックギャモン「セーテンッ!」
ギロリとセーテンを睨み付けるバックギャモン。
セーテン・タイサーモン「逆恨みもいいとこだな、もとはと言えば貴様がしでかした不始末だ!」
バックギャモン「ああ、覚悟はできてる」
辞表も辞さない構えだ
ウィンクル「まぁ、待て!」
セーテン「ですが、ウィンクル獄長……」
ウィンクル「確かに、バックギャモンの責は大きい。しかし、しかしだ……」
今この中で彼に匹敵する実力を持つ看守もいないのも事実……有能な看守が一人減ることはその分脱獄のチャン
スが増えるということでもある。
むろん、不問にすることもできん。だから、一ヶ月の謹慎処分を言い渡すとウィンクル獄長は告げる。
ウィンクル「さて、奴はどこに?」
既に再捕縛へ向けて話は進んでいた。いや、進めなくてはならなかった。
*「追跡の結果、空港で見かけたという情報を得たぞ。はっはっはっは!」
豪快な笑いと告げるの熱血漢(もまたツナミ留置所十戒が一人。フュンフ・フソーである。
一同(ってか、そんな情報入手したんなら、捕縛しろよ……)
一同、心の中で盛大に突っ込む。
バックギャモン「フュンフ、ヤツを見たというのはいつだ?」
フュンフ・フソー「キッカリ一時間前だね」
そういって証拠映像を提示するフュンフ
バックギャモン「奴は日本へ高飛びしたってのか!」
日本へ向かう便……それに乗るロライズの姿がそこには映し出されていた。
ウィンクル「いかん!このままではユリア様に危険が……!」
奴が何の目的で日本へ向かったのか、それは定かではないが、ユリア姫に何かあってからでは遅い!
と、言うわけで、直ちに皇帝陛下の元へも情報は届けられた。
そして……
#4
天四斗(、天四斗(工業、3-J
今日も今日とてああ、暇だなぁ、などと教師にあるまじき発言を行う品辛斬子(。だが、そんな折、サザンオルス
テラのメイドが血相を変えて教室に入ってきたことで状況は一変する。
メイド「ユリア様、大変な出来事が起こってしました」
品辛斬子(「何だ?まさか、国が滅びたか?」
一同「この現代、何の前触れもなく国が亡びるわけねぇだろうが!」
ユリア・キドニー「何が起きたというんですか?」
メイド「はい、実は……国家反逆罪でツナミ留置所の最下層に投獄されていたロライズ・パンテノンが脱獄し、日
本に向かったと……」
一同「国家反逆罪なんて初めて聞いた」
そんなのマジであったんだ……と謎の関心をする一行
風見原莉暗(「国家反逆罪とは穏やかじゃないな……」
斬子(「だが……」
莉暗(「あぁ!」
そうして二人は目配せをして叫ぶ
斬子(、莉暗(「これは面白いことになったぞ!」
一同「マテやコラ!」
楸木秋「国家反逆罪って……そいつは一体何をしでかしたんですか?」
メイド「……話は十数年前に遡ります」
神妙な面持ちで語りだすメイド。
メイド「王室に忍び込んだその賊は、瞬くうちに王室勤めの女性の下着を盗んだのです」
一同「……え!?」
国家を揺るがす大罪人として投獄されているのだから当時の王家皆殺しとかそんなヤバい話が飛び出すのかと身
構えていたのに、出てきたのが下着ドロで拍子抜けしてしまう一行。
榛木秦(「ちょ、ちょっと待ってくれ、下着ドロ?」
メイド「話は最後まで聞いてください」
秦(「お、おう……」
微笑んでいるだけなのに妙な凄みの圧を放つメイドにタジタジな秦(
メイド「数多の下着を盗んだその賊は、しかし、皇后様の下着だけは盗まなかったのです……」
その事実を知るや否や、私のだけ盗まないとは何事だ!と皇后陛下は怒り狂い、犯人を国家反逆罪として引き立
てることを要求したのです!と続ける。奴を捕縛するためならばサザンオルステラの全兵力を導入しても構わない
とさえも……
ユリア「お母様ったら」
一同「え〜……」
お茶面なんだから……とかのほほんとするユリアとは裏腹に、ものすごく八つ当たりじゃねぇか……と呆れ果て
る一行。
秦(「ってか、それって、皇后陛下だけ警備が厳重だったってオチじゃねぇの?」
メイド「……ランドリーから盗まれたんですよ?」
素朴な疑問に対して、すぐさまメイドは答える。
皇后含め共通で洗濯していたのにも関わらず、皇后陛下のブツだけが盗まれなかったのだ。
サザンオルステラの全兵力を投入した結果、賊は直ちにひっ捕らえられた。
メイド「そして、すぐさま尋問が始まったのです……」
尋問の結果、なぜ、皇后陛下の下着だけ盗まなかったのか……すると、そこには驚くべき真実が隠されていた。
※大げさな……
一同「それは……?」
メイド「『人の女に手を出してはいけない……それが師匠の教え』……と彼は言いました」
一同「何だよ!師匠って!」
一同盛大な突っ込みであった。
メイド「これを聞いた皇后陛下は『お前を殺して死体に鞭打つ』と考えていたのを改め、留置所への無期限投獄で
手を打つことに決めたんです」
一同「いやいやいや」
どっちもおかしいでしょ!
まぁ、それはともかくとして、そんな国家反逆者が脱獄して日本に高飛びしてきたという。
果たして奴が日本にやってきた目的は……あるのか!?
※え?そこから!?
続
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