Eighter -Practical Era-
43rder 〜魔法少女達(アイドルら)怪異(へん) B〜



#3
 厨二病アイドルを恨むは正統派アイドル。
 一体二人の間に何があったというのか……
一同「で、その暗黒の智慧虚Show(ちえこショー)ってなんだよ?」
乃壷蔵院(のつぼ・くらいん)「フッ、説明しよう……暗黒の智慧虚Show(ちえこショー)とはかつて幕辺(まくべ)ぼとるが出演したバラエティー番組の中のクイ
ズ大会のことだ」
 じゃ、大仰に言うんじゃねぇよ!と一同が突っ込む。
 なお、覇権を争うってのはクイズ大会で競い合ったってなだけ。そして、そのクイズ大会ではぼとるが見事勝利
を収めたのだった。
羊ヶ礼(ひつじがれい)九朗「厨二病アイドルの方が正統派アイドルより頭がいいってな風評は納得がいかないってことだよ!」
 グラウンドにはいつの間にか直子のマネージャー兼弟、九朗がいた。
羊ヶ礼(ひつじがれい)直子「これを見なさい!」
 胸元からペンダントの様なものを取り出して見せる直子。
一同「うおお!」
 も、もうちょっとで胸が……と男子(バカ)どもが騒ぐが気にしない。
直子「これはJジェム……貴方を倒すためにウチのクロちゃんが作ってくれた愛の結晶よ!」
 さぁ!私と勝負なさい!と啖呵を切る直子に、歌で勝負するんじゃねぇのかよ!と一行はズッこける。
※ってかJジェムって……こっちの魔法少女の変身アイテムはGクォーツ……こ、これはもう、アレですわ……
直子「La〜〜Lala〜La〜〜Lala〜〜〜」
 祈るように、歌うように何かを唱えると直子の体がピカァっと光に包まれる。
 へ・ん・し・ん♪
 だが、しかし、それは魔法少女と言うよりは、むしろシン〇ォギア的なナニカだった。
椛木(もみじ)花「いいでしょう、挑戦者を迎え撃つのは王者の定め……イークイップ!」
 カカッ
 叫ぶと同時に窓から外へ身を乗り出す花。
 グラウンドに降り立つころには右手が漆黒の、バケモノのような異形の腕となったワイルドな魔法少女となって
いた。
直子「歌は兵器♪」
一同「待てやコラ!」
 一方、変身して鎧の様なものを身に纏った直子も左手をスリーピースにして額に翳して決めポーズ。
 幕辺(まくべ)ぼとるがベル〇リアのベル〇ットならば、羊ヶ礼(ひつじがれい)直子はゼス〇ィリアのア〇ーシャを彷彿とさせた。
直子「一度だぁ〜けの行〜為ならぁ〜〜♪キミのナぁ〜カで果ぁ〜てようぅ〜〜♪」
一同「下ネタかッ!」
 酷すぎるパロディだコレ……
 ってか、これ、テイ〇ズじゃなくて〇クロスなの!?と一行が心の中で盛大に突っ込む
※ちなみに、テ〇ワズ、ゼク〇スではないので注意しましょう(いや、わかるから!)

#4
花「貴方にも見せてあげるわ、シュヴァルツ・ネロ・ノワールの力を!」
直子「私はアナタを倒してアホの娘なんて汚名を返上する!」
 いや、この死合に勝っても別に頭いいとかそんな風に思われることはないからね……
 と、言うか、アイドルなのに歌じゃなくて力で勝負って時点で既に頭悪い……
 ってか、正統派アイドルなのにこんなことしてていいのかよ……
直子「プリズマソード」
 叫ぶと当時に右手の手刀から赤い魔力光が伸び剣となる。
 そして、そのまま花に襲い掛かるのだが、花は花で漆黒のバケモノじみた異形の右腕でその刃を受け止める。
花、直子「フッ」
 ニヤリと二人とも笑みを浮かべるとそのまま何度も打ち合う。
 それは正しく拳で語り合うという展開であった。

直子「なかなかやるわね……」
花「そっちこそ、私に挑むというだけのことはあるみたいね!」
 しばらく拳と拳がぶつかり合ったあと、二人は再び距離を置く
※最も、直子は拳ってか手刀ってか、寧ろ剣だけど……
花「どうやら本気で相手をしないといけない相手の様ね……」
直子「何を今更……いつだって全力全壊でかかってくるのが魔法少女(アイドル)というもの」
 それ、絶対違うから!
 ともかく、シュヴァルツ・ネロ・ノワール、アンド、ヘイの力を解放する時!と右手も漆黒のバケモノじみた異
形の腕へと変化させ襲い掛かる花
直子「プリズマウィング!」
 まさに孔雀が羽を広げたような感じの狂気……あ、いや、ともかく、魔力の羽を出現させて攻撃を行う直子。
 羽を道具じゃなくて、武器として使うのかよ……と一同の心の中の突っ込みが盛大に炸裂する。
 バケモノじみた漆黒の異形なる腕から繰り出される打撃を、魔力の翼で迎撃する……
 拮抗する力と力……まさにこれは手に汗握る死合だった……
直子「くっ……」
花「やる!……」
 さらに暫く攻防を繰り広げたのち、両雄距離を置いて対峙する
直子「そろそろ終わりにしましょう」
 そういって直子は右手手刀を突き出す。するとその掌に赤い魔力光が集っていく
花「ええ、ちょうど私もそう思っていたところよ!」
 花も右手に桃色の魔力光、左手に黄色の魔力光を集わせながら叫ぶ
花「ナノ・アンド・フェイト!」
 両手を握りしめるかのように前方に突き出し、緑色の魔力光に身を包み、突撃
直子「Jカイザー!」
 帯電した赤い魔力光が火の鳥の形を取りながら飛んでいく
一同「え〜〜……」
 観戦していた一行は直子が使う必殺技が思っていたメカのものとは違っていてびっくりする……
 そして、激突する二人の魔力光
直子、花「ヒィイイ〜〜〜ト、エンドォオオオ〜〜!」
一同「それも違うヤツッ!」
 そして、二人の全身が光に包まれる。

#5
九朗、蔵院(くらいん)「マズい!」
 そのとき、二人のマネージャーが一早く動く。
※なお、蔵院(くらいん)も花と同じく窓から飛び降りてまずはグラウンドへ
 そして、一直線にそれぞれがマネージするアイドルのもとへ駆けつけるとバサァっとバスタオルを投げかける。
九朗、蔵院(くらいん)「この勝負、引き分けだ!」
花、直子「クッ……」
 Gクォーツはイヤガラセ的な感じで変身が解けると素っ裸になるけど、Jジェムも同じようなシステムになってん
のかよ!と一行は盛大に突っ込む。
九朗「ナオ姉、ここは一旦退こう……」
直子「……」
 ギロリと花を睨み付けたまま動かない直子。花も花で直子をにらみ返す
直子「覚えてらっしゃい、幕辺(まくべ)ぼとる!今回は私の敗北ではないわ!……全ては、そうよ、このJジェムのせい!」
九朗「な、ナオ姉……」
直子「あ、ち、違うのクロちゃん……ええと、これは、別にクロちゃんが悪いんじゃなくて……」
 しょんぼりする九朗にオロオロしだす直子
直子「くっ、ともかく、すべては幕辺(まくべ)ぼとる!あなたが悪いのよ!」
 言いがかりだぁ!
 次に会う時こそ、アナタを倒す!と言い残し、姉弟は去っていくのであった。
花「いいでしょう、いつでも好きな時にかかってきなさい。私は誇り高き挑戦者は拒まない!」
 いや、お前らアイドルなんだから歌で勝負しろよぉ!一行の魂の叫びが虚しく谺する……


END

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