Eighter -Practical Era-
41ster 〜文化祭のその後は A〜



#0
 天四斗(あまよと)工業、三年に一度の文化祭。そんな事件で同じデザインのスポーツバッグが盗まれまくるという怪事件が
勃発した。
 真相はエロガキどもの取引だったのだが……
 そんな事件も無事、解決となったのだった。
 そして……

#1
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「なんだ、大盛況じゃないか……」
 いぇ〜い、いぇ〜いと3-Jの中から歓声が聞こえてくる。
 勿論あのセリフ『バニッシュメント・ディス・ワールド』も然りだ。
 厨二病アイドル、幕辺(まくべ)ぼとるのライブは大盛況と言っても過言ではない。
風見原莉暗(りおん)「客が来ないのならばサクラとして客引きでも行おうと思っていたのに……」
斬子(きりこ)「あぁ、残念だな……」
 なんでそこで残念がるんだよ!そんなにサクラやりたかったのかよ!
 ってか、この二人に客引きなんてさせようものならライブは失敗しそう……と、言うわけで運よく二人の興味を
惹くような事件が起こってよかったなぁ……と若干不謹慎な思いを胸に描く一行であった。
 なお、このライブの唯一の欠点と言えば厨二病アイドルがそこそこ人気があるため、教室では狭すぎた……とい
う点である。
 まさか、ここまで盛況するとは、この海のリ〇クの目をもってしても見抜けなんだわ!
※だれが海の〇ハクだ!……ってかそのセリフは多用され過ぎてもはやリ〇クの目は節穴か!って状態だから!
 そして、その後、特に問題といったような問題はなく、文化祭は幕を閉じた。
 いや……結局文化祭が終わるそのときまで第二回会議室で論争を繰り広げていた連中が問題だったといえば問題
だった気がするが……
 ってか、文化祭楽しまずずっと閉じこもって口喧嘩って寂しすぎる……

生徒「うっ、ううう……うううぅう……」
 そして、生徒指導室でも、二人の生徒が悔しさに涙していた……
 その二人というのはもちろん、エロ取引を行おうとしていたバカ二人である。
生徒「貴様、なんで連絡してこなかったんだよ!ぶっ殺すぞ!」
生徒「はぁ?こっちにもいろいろ事情ってモンがあったんだよ!」
生徒「何だよ!その事情ってのは?」
生徒「そ、それはだな……」
嚥口(えんく)燕「ちょっとアンタらいい加減にするですよ!」
 ものすごい剣幕で睨み合い、今にも喧嘩をしだしそうな二人の間に割って入るのは風紀委員長の燕である。
二人「……」
 なお、エロ本持ってくるよ……って言った方の生徒だが既に頬にビンタの痕がついていた。
 これは何も燕が打ったのではない。
 そもそもなぜエロ本持ってくる漢は取引に応じなかったのか……否、応じれない事情があったのだ……
 そう、エロ本をバッグに詰めていざ取引に!と意気込んだ際、一人の女子生徒に声をかけられたのだ。しかも、
それが想いを寄せている女子生徒だったからもう、心臓バクバクである。
 カバン重そうだから手伝おうか?という親切心からの言葉にいやいやいやいや、そんなわけには……とかやりと
りしているうちにカバンが開き、中からエロ本がコンニチワ……
 あとはもうお分かりですね?

#2
生徒「くっそ、なんであそこでテンパってしまったんだ、俺は……」
 悔やんでも悔やみきれない……
燕「……それから残念なお知らせがもうひとつあるです」
二人「何だよ、残念なお知らせって?」
 とか思っているとガラっと生徒会指導室のドアが開き、ビンタした女子生徒がツカツカと入ってくる。
生徒「あっ……」
 そのままビンタした漢を白い目で見て一言
生徒「ヘ・ン・タ・イ……」
 もう二度と私に付きまとわないで……というセリフは漢にとってクリティカルなダメージとなった。
 そう、ものすごい不幸な出会いだったとしか言いようがないのだが……もし、エロ本取引をやらずにそのまま告
白していたら二人は晴れて恋人になれていたかもしれない……
 何という悲劇であろうか……
生徒「アンタも、今度同じようなことしたら蹴り潰すわよ?」
 ど、どこを?!とは聞けなかった。そんなの聞くまでもないからだ……
燕「それから壊したゲーム機はちゃんと弁償しとくですよ?」
生徒「理不尽すぎる!」
 いや、壊したアンタが悪いんでしょ〜が!
 自業自得とは正にこのことである。
生徒「サヨウナラ」
 そのまま女子生徒は去っていく。
 あとには燃え尽きて真っ白になった生徒が二人、残されるのみだった……

燕「じゃ、アンタたち、ちゃんと反省するですよ」
 もはや返事がない、ただの屍状態な二人……
 その後、燕は生徒指導室を去り、第二会議室へと向かう。
 そこで未だに論争を繰り広げるバカどもに事件はとっくの昔に終わったってなことを告げるのだった。

 一方……
 機械科三年のクラスでも事件は起きていた……と、言うかなんというか、緊迫した空気が流れていた。
楯木(てすりぎ)盾「……」
 床に正座して縮こまるのは姉萌えの馬鹿。
 そして、そんな彼の前に腕組をして仁王立ちしているのは彼の恋人たる金谷橋麻美である。
盾「ええとですね、あの……その……」
 姉喫茶にて自分以外の女を姉として選んだことでおかんむりなのだ。
金谷橋麻美「……」
盾「お、俺は姉以外に興味はない!それは本当なんだ!」
 ふぅん、そぉなんだ……という冷ややかな視線
盾「あ、いや、ち、違うんだ……別に姉になってくれるのならだれでもいいってわけではなくて……」
 つまり、その……としどろもどろになっていると、突如ドアが開き一組のカップルが入ってくる
杭木亢(くいぎ・こう)「無様だなぁ!シスコン」
盾「貴様ぁ!」
 やってきたのは妹萌えの(こう)とその彼女、金谷橋優香である。
 だから、お前もシスコンだっちゅうの!
盾「貴様とて妹喫茶なるものがあったらくいついていただろうに!」
(こう)「……」
金谷橋優香「ふぅん?」
 否定しなかったために気まずい空気に……そんな二人を見てざまぁ!って思う盾であった。
 果たして、この二組、どうなる……?


続

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