Eighter -Practical Era-
36ther 〜十九と対立する宴 B〜



#3
 ここに至るまでにいろいろとあったのだが、今日はいよいよ体育祭本番である。

 でぇ〜〜ん、で〜ん、ででぇ〜〜ん♪でぇ〜〜ん、で〜ん、ででぇ〜〜ん♪
 でぇ〜〜ん、でぇ〜〜ん、で、でっでででっででぇ〜ん♪
 突如として鳴り響く、勇者の王たる究極の技炸裂なBGM
一同「な、なんだ、なんだ?」
 一体何が始まるのか……と一同騒然
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「グローバル化が必須な今の時代、英語もできなくては困る」
 そして、突如語りだす天四斗(あまよと)のDr.キリコ。
 しかし、一行にしてみれば何のこっちゃという感じである。
斬子(きりこ)「そこで、よく運動会で使われるBGMを英訳して今回使ってみた」
一同「そこ英訳するんじゃねぇよ!」
 一同盛大な突っ込み出会った。
※運動会と言えば『天国と地獄』が流れることが多いが、彼女はタイトルを英訳して『ヘル〇アンド〇ヘブン』に
 してみましたと言っているのだ。
風見原莉暗(りおん)「では、選手宣誓……選手を代表して、生徒会長の……」
テ金(しんかね)心「違う、違う、『お姉さん』……だろ?」
一同(教師に対しても自分を姉と呼べってそれは無理があるだろ……)
 全校生徒の姉を自称する彼女も先生の方が年上なので姉じゃなく妹になるのではないか……
莉暗(りおん)「うむ、では、改め、我が校の姉に選手宣誓を行ってもらおう」
 そこ、律儀に言い直すの?と一同ぽかん
心「宣誓、我々選手一同は、魂をかけて勝利をつかみ取りに行きます」
斬子(きりこ)「うむ、戦え!戦わなければ生き残れない!」
莉暗(りおん)「それでは体育祭ファイト、レディー・ゴ〜!」
一同「マテコラ!」
 開始早々先が思いやられるというか、始まったばかりなのにすでに疲れる一行であった。

 そして、競技開始

斬子(きりこ)「第一の種目は砲丸投げだ」
生徒「砲丸投げなんて体育祭の種目じゃないよな……」
生徒「うんオリンピックでしか見たことないよね……」
 普通は玉入れとかじゃないのか……
 まぁ、考えても仕方がない。というか、この競技一覧を考えたのは一体誰なのか……
 もしや、斬子(きりこ)莉暗(りおん)ペアが暗躍した結果なのでは?と疑念が渦巻く一行(3-J)であった。
斬子(きりこ)「なお、今回は特別なルールとして砲丸投げの最下位のチームは同情点として優勝チームの半分の得点が追加
される」
心「はっはっはっは、なるほど、これが本当の『ほうがん』贔屓というヤツか」
一同「……」
 まさしく、勝てば官軍負ければ判官贔屓であった。
※負けたら賊軍じゃないのかよ……
 ってか、そんなルールあったら勝ちたいって思う人少なくなるんじゃ……?

#4
 その後、競技は進み……
斬子(きりこ)「次の種目はパン喰い競争となる」
一同「……」
 そして、一同は唖然とする。
 それもそのはずである。
 コースの真ん中ほどにあるパンはどれもフランスパン一本だったからである。
 そこはアンパンとかカレーパンではないのか……
莉暗(りおん)「更に、パンは調理できるように簡易キッチンも設けてあるぞ」
一同「そんなもん用意するくらいなら普通にパン用意しとけよ!」
 一同の盛大な突っ込みであった。
 ちなみに、ガーリックのいい匂いのする油がおいてあったりする。ガーリックフランスでも作れってか?

 更に……
斬子(きりこ)「続いての競技はみんなお待ちかね、借り物競争だ」
生徒「どうせ何かを『狩る』とかなんでしょ?」
 もはや普通の種目とは思えないので、文句の一つも出てくるというもの。
 しかし、その発言にキラ〜〜ンと目を輝かせる斬子(きりこ)。
 流石に、あ、失言だ……と思ってしまう一行であった。
斬子(きりこ)「おお、その発想はなかったな……よし、ではルールを変えて狩りモノ競争に変更するか」
一同「やめろ!」
 と、言うわけで全力で阻止する。
莉暗(りおん)「ルールは簡単だ。コースの真ん中にある箱の中から一枚選んでひきあてた衣装に着替えてゴールするだけ」
一同「衣装を借りるんかい!」
 ただ、斬子(きりこ)莉暗(りおん)ペアの暗躍があるため、借りる衣装は普通であるわけがない……
 メイド服とかバニーガールとかチャイナ服とかセーラー服なんてのはまだマシな方で貝殻水着とか透け透けネグ
リジェなんてものもある。
 もはや単なるコスプレである……

斬子(きりこ)「そして、父兄参加種目、ケイドロ」
 突如として謎の種目が宣言される。
 それだけではない、斬子(きりこ)莉暗(りおん)の隣には警官のコスチュームを身にまとった女性が幾人……
一同「それ、父兄じゃなくて婦警の間違いだろ!」
 思わず突っ込みを要れる一行
斬子(きりこ)「ちっちっち、甘いな」
莉暗(りおん)「この日のためにわざわざ大阪府から警察関係者を呼んだのだ」
一同「府警かよ!結局『ふけい』違いじゃねぇか!」
斬子(きりこ)「ぎゃ〜ぎゃ〜騒ぐなや、文句あるやっちゃ逮捕するで!」
一同「唐突に関西弁しゃべらないでください!」
 あくまで余談となるのだが、このとき、後に大阪府から警察がなくなってしまうとは誰も想いもしないのであっ
た……
斬子(きりこ)「ともかく、警官から無事に逃げ延びる人が一番多かった団には100ポイントを進呈」
一同「おおっ」
 これは参加せざるを得ない!と一行が湧く。
莉暗(りおん)「なお、逆に一番少なかった団は一日獄中体験が待っているぞ」
一同「デメリットがひどすぎない?」
 なぁに、一日囚人体験なんて滅多に出来るものではないぞと二人が言うが、そんな経験しない方がいいです!と
一行ブーイング。
 まぁ、ともかくとしてガタガタ抜かすと公務執行妨害で逮捕するぞ!とかそれは職権乱用なのでは?と一行が思
う中、ケイドロは始まるのであった。


続

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