Eighter -Practical Era-
36ther 〜十九と対立する宴 A〜
#0
体育祭、それはスポーツの砕天
※いや、だから、砕天(ってなんだよ!祭典だよ!
ま、おいといて、そんなこんなで放課後……
#1
椿木(春「あれ?あそこにいるのは生徒会長……?」
ふと、グラウンドを見るとそこには体育服に身を包んだ生徒会長の姿があった。(で、その隣には彼女の弟の姿
もありますが……)
テ金(心「はっはっはっは、もっと……むぎゅむぎゅっとくっついていいんだぞ」
テ金括(「いや、姉さん、待って、それは寧(ろ走りにくい……」
ぐいぐいと迫る姉、逆らえない弟……といった感じだ
榎木(夏「……何やってんですか?」
すかさず質問してみる夏
心「はっはっはっは、見てわからないか?二人三脚の練習だ!」
いや、まぁ、それは見てわかるけど……
一同(なぜ同学年でやらないのか……)
そんな疑問が渦巻く。
心「はっはっはっは、学年の垣根を越えての協力プレイこそ体育祭だと思わないか?」
いや、人の心でも読んだんかい!とでも思いたくなるような回答だった。
杭木亢(、楯木(盾「二人三脚……はっ」
と、そのとき、近くにいたバカ二人に電撃走る。そして、そのままさらに近くに都合よくいた斬子(に叫びだす
亢(、盾「先生!彼女は学校の生徒に入りますか?」
一同「入るわけねぇだろ!」
何をバカなことを言ってるんだ貴様は!と一同心の叫びだった。
なお、彼女と二人三脚で密着したいとそんな邪な願いであるのは明白だ。
品辛斬子(「うむ。将来家族になるってなことで特別に父兄……いや母姉として参加を許可しよう」
一同「ちょっと待てぇい!」
そこは許可しちゃダメだろと思う一行であった。
と、言うか父兄を母姉と言い換える必要があったのだろうか……
まぁ、そもそも母姉なんて熟語はないんですけど……
ああ、これが、男尊女卑(か……
亢(、盾「うおっしゃぁあ〜〜〜!」
まさに、快哉を叫ぶとはこのことである。
亢(、盾「見てろよ、このシスコン!体育祭では貴様に敗北を味わわせてやるから覚悟しろ!」
ズビシィっと互いに指を突き出して叫ぶ
一同「いや、お前ら同じ団だろうが!」
さらに言うとお前らどっちもシスコンだろうが!と突っ込みたくなる一行。
普通は……どうなのかはさておいて、小学生の頃とかだと運動会のチーム分けはクラス単位ではなく、故にクラ
スの中に赤団と白団が混在する……といったようなことがあったかと思われる。
だが、しかし、天四斗(工業ではクラス単位でチーム分けが行われているためクラスの中で団の派閥ができたりは
しないのである。
※派閥ってそんな大層なものはないですけど……
#2
まぁ、そんなことはさておいて、心は二人三脚に飽きたのか、迫っても無反応な弟がつまらないのか、いつの間
にか二人の足を縛っていたハチマキをほどいている
心「よし、次は騎馬戦だ!」
括(「……」
と、言うわけでしゃがみ込む括(、その背中に乗り込む心
一同「ってマテマテぇい!」
心「んん?なんだ?どうした?」
一同「騎馬戦って普通馬役三人でしょ!」
馬役が一人じゃただのおんぶである
心「はっはっはっは……何をいうか騎馬戦の馬役が完全に一つの個体として動くなんてことは不可能だが、もし馬
役が一人ならば馬役の息が合わなかったことによる落馬なんて発生しないではないか」
一同「いや、その理屈は正しい……のかもしれないけど騎馬戦的には間違ってるから!」
騎馬戦ってそんなんじゃないから!
心「それに……弟が姉も運べないとなると姉として悲しいからな」
一同「何のこっちゃ……」
心「ともかく、行くぞ!」
括(「はいはい……」
姉に逆らっても一理もないということなのか、諦めているということなのか、ともかく姉の指示に従い姉をおん
ぶしたまま駆け出す括(
ズドドドドッ
一同「しかも速ッ!」
心「はっはっはっは、いいぞ。貫け!奴よりも速く!」
一同「奴って誰だよ!」
その前に何を貫けというのか……
まぁ、とりあえず、これ以上付き合っていても仕方がないというかなんというか……姉弟水入らずの時間を邪魔
するのも何なので一行はグラウンドを後にするのであった。
翌日……
斬子(「と、言うわけだ、彼女がサザンオルステラ屈指の宮廷画家だ」
という紹介と共に一人の少女が教室に入ってくる。
一同「ってマジで呼んだんかいッ!」
一同唖然……
まさか、本当にサザンオルステラから宮廷画家を来訪させてしまうとは誰も思いもしなかったのであった。
ユリア・キドニー「彼女はバルティリア・ピータース、サザンオルステラでは知らない人がいないといわれる有名
な画家なんです」
一同「は、はぁ……」
でもって、ここぞとばかりにしゃしゃり出てくるユリア。だが、しかしサザンオルステラでは知らない人がいな
いといわれても、日本では誰一人知らないのでそうですか……と答えることしかできない一行
ユリア「彼女はナイトゴーントを描かせたら右に出る者はいないと言わしめるほどの逸材」
さらにまるで自分のことのように誇らしげに語るユリア。
ユリア「ですから畏怖を込めて彼女のことは《夜鬼を描ける少女》と呼ばれています」
一同「や、夜鬼を描ける少女って……」
刻(を駆ける少女じゃないんだから……と一同は心の中で突っ込むのであった
と、言うか彼女は一体どんなきっかけで宮廷画家として抱えられることになったのか……サザンオルステラの王
国関係者に熱烈なクトゥルフ神話のファンでもいたのだろうか……
風見原莉暗「早速彼女にはアートパネルの制作を行ってもらおう」
バルティリア・ピータース「任せてください」
一同「……」
ともかく、アートパネルは彼女に一任して、みんなはのんびりと過ごすというなんとも気楽な展開となったので
あった。
続
前の話へ 戻る 次の話へ