Eighter -Practical Era-
34ther 〜魔法少女終末騒置(ラストノイゼッタ) C〜



#5
 魔法少女バトルロワイアル最終局面……
 魔法恥女と厨二病アイドル……勝つのは、どっちだ!
※どっちが勝っても特にうれしくはない気がするけど……
壬屈縛紀(みかがみ・しばき)「馬鹿な……こんなことは、ありえない!」
 目の前の出来事が未だに信じられない縛紀(しばき)。
 脅されて仕方なく、嫌々作らされたGクォーツの出力で、全身全霊を込めて作ったラウドGクォーツの出力を防げ
るはずがない……
縛紀(しばき)「アンタは一体何なんだァアアアアア〜!」
 思わず主人公だと思っていたけど最後の最後で主人公を降格されてしまった怒りの翼な感じのパイロットの如く
叫び声をあげる縛紀(しばき)
椛木(もみじ)花「《闇の力》と《魔の力》をみんなに届ける……マジカル☆アイドルよ!」
 そして、恥も外聞も気にせず、アイドルとして決めポーズをとる花。
花「シャッセール真曦逅(まぎあ)!私は貴方を破壊する!」
 更に、ズビシィっと指をさしつつ宣言する花であった。

 ……ちなみに、このことには理由があった。
 有事の際の緊急措置として外部からの音声入力でも魔法少女に変身できるシステム……それが原因の一つ。
 作った本人もすっかり忘れてしまっていたが、本来、外部からの音声入力による変身は喉を封じられた際の救済
措置であり、本人自らが変身する場合と違って出力に制限があったのだ。
※つまり、先ほど斬子(きりこ)莉暗(りおん)が強制的に魔法少女を始めさせたときは実は全力ではなかったということだ。
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「よし、奴に地獄を見せろ!私が許可する」
一同(いや、だからアンタはどんな権限持ってるんだよ!)
 そして、もう一つ……Gクォーツは恥じらうこともなく厨二チックな言動を持つものこそが最大限に力を発揮で
きる代物として縛紀(しばき)が(嫌がらせとして)作ってしまったことにある。(こちらも本人はすっかり忘れてしまって
いたが……)
 つまり、Gクォーツの最大の能力にして、かつ弱点が動力に厨二を必要とすることだった
 常人が手にしたところで大した出力は得られないが、厨二病アイドルとして幼いころからイタい言動と共に育っ
てきた花が手にすれば、その出力は無限大……
餡銅鑼真曦逅(あんどら・まぎあ)「……いいですの、だったら、まずは貴方から先に排除しますの」
 再び(おぞ)ましき魔力光が真曦逅(まぎあ)を包み込む。
花「だったらこっちも見せてあげるわ!シュヴァルツ・ネロ・ノワールとヘイの力を融合させた究極の《刻のH(クロノエイチ)》
を……」
 叫ぶと同時に右手には桃色の魔力光、左手には黄色の魔力光が迸る
※あれ?、クロノエイチって『黒の叡智』では……?『刻のH』ってなんだ?
真曦逅(まぎあ)この世の全ての愛(アンリ・ラブ)……フルブラスト!」
 ハートの形をした見た目だけはラブリーだが、触れるものすべてを一撃滅殺させる最凶最悪の魔力光が降り注ぐ
花「ナノ・アンド・フェイト!」
 両手を前方に突き出すかのようにして握りしめると、全身が緑色の魔力光が包み込まれる。
 そして、そのまま真曦逅(まぎあ)に向かって突撃!
※なお、真曦逅(まぎあ)は宙に浮いており、花は地面に屹立していたので、必然的に花は上空へ舞い上がっています
花「これが、マジカル☆アイドルの……究極の力!」
 突き出した両の拳が、真曦逅(まぎあ)の魔力光を弾きながら彼女に迫る
真曦逅(まぎあ)「あああああっ!」
 そして、ついにナノ・アンド・フェイト・アンリミテッドが真曦逅(まぎあ)を捉えた!
花「バニッシュメント・ディス・ワールド!」

#6
 真曦逅(まぎあ)を貫き、体内からラウドGクォーツを抜き取るとそのまま踵を返し地面に着陸する花
 ズガアムッ
 爆煙に包まれる真曦逅(まぎあ)……今、ここに決着はついた!
縛紀(しばき)「う、嘘だぁあああ!」
 真曦逅(まぎあ)はそのまま地面に激突し、ぐるぐると目を回しながら気絶してしまう
 なお、そんな彼女は、魔法痴女から変身解除されても、特に素っ裸というわけではなかった。
 寧ろ、普通の制服姿で、魔法少女の衣装よりも露出が減っている。まさにあれは魔法痴女……

斬子(きりこ)「さて、覚悟はできているんだろうな?」
縛紀(しばき)「はっ!」
 茫然とする縛紀(しばき)の背後には斬子(きりこ)の姿があった……それだけではない、逃げようとするも、前方に立ちふさがるの
は風見原莉暗(りおん)。
 進退窮まるとはまさしくこのことだった
風見原莉暗(りおん)「そういえばお前は女子生徒に手を出して御用になったから学校の敷地内に入ることを許されない身に
なったんじゃなかったっけ?」
縛紀(しばき)「な、何を言うか、まだ手を出してないわ!」
 流石欲望に忠実な漢は馬鹿正直である。
莉暗(りおん)「ほほう、機会があればヤりたい……と思っているわけだな」
 キラ〜〜ンと莉暗(りおん)の目が光る
斬子(きりこ)「と、言うわけだ、有罪判決……こいつに裁きの鉄槌を下してやれ!」
花「クラリスコネクト!」
 いつの間にか巨大なガントレットを右手に、さらにそれを上回る巨大なハンマーを握りしめる花がそこにいた
縛紀(しばき)「……」
 文字通り、裁きの鉄槌が今、下される!
※ってか『クラリスコネクト』ってなんだよ……確かに『クラリス』で『コネクト』っていうとあの衝撃的な魔法
 少女が思い浮かぶけど……
縛紀(しばき)「え、え、え、エ〜〜スケェ〜〜〜〜プッ!」
一同「うわっ」
 叫ぶと同時に縛紀(しばき)がビカアッと光に包まれる。
 そして、一瞬の閃光の後、縛紀(しばき)は忽然と姿を消すのであった
斬子(きりこ)「チッ、逃げ足だけは早い……」
※『イークイップ』ならぬ『エースケイプ』……別に叫ぶ必要はなかったのではないか……なんて指摘してはいけ
 ない。

#7
斬子(きりこ)「まぁ、いいか……」
莉暗(りおん)「色々あったが、とりあえず最後まで勝ち残ったお前こそが魔法少女オブ魔法少女……というわけだな」
斬子(きりこ)「うむ、これからも魔法少女として活躍するんだぞ……」
一同(なんかキレイにまとめようとしてる……)
花「魔・カ・セ・テ!私、これからはマジカル☆アイドル、幕辺ぼとるとして頑張るわ!」
 きゅぴ〜〜んと決めポーズをとる花
一同「それでいいんかい!」
 ま、まぁ、本人がいいっていうんならそれでいいんでしょうけど……
 何はともかく、こうして斬子(きりこ)莉暗(りおん)プレゼンツ(というな暇つぶし)魔法少女事変は幕を閉じることとなる。
 果たして、彼女はいつまで魔法少女を名乗り厨二病のままでいるのだろうか……
花「……無論、死ぬまで」
※いや、悪即斬をいつまで貫くかって問いかけじゃないんだから……


END

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