Eighter -Practical Era-
34ther 〜魔法少女終末騒置(ラストノイゼッタ) B〜



#3
 突如始めさせられてしまった魔法少女バトルロワイアル、そこへ突如乱入してきたのは同じく妙に露出の高い魔
法少女の衣装を身にまとった《アンドラの魔女》だった……
 果たして、このバトルを生き残るのは、誰だ?
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「まぁ、いい、これもまた一興」
風見原莉暗(りおん)「そうだな、とっととあの悪の魔女を斃してこい」
一同(いや、悪の魔女って……)
 寧ろ、諸悪の根源はお前たちだろと心の中で突っ込む一行であった
榎木(えのき)夏「はぁ、仕方がないわ……南、ここは協力してあいつを倒しましょう」
楠木南「……そうね、そうするしかないわね……」
 このままむざむざ敗北するほどお人よしではない二人は覚悟を決め、窓から外へと飛び出す
餡銅鑼真曦逅(あんどら・まぎあ)「ふふん、正当なる魔法少女の力、思い知るがいいですの」
 と、同時にミサイルランチャーやらライフルが出現する
一同「え〜?」
 もはや魔法少女でも何でもない
夏「夏殷流刀鞘術(かいんりゅうとうしょうじゅつ)!」
南「楠木流!」
 ガカッ
南、夏「ああっ!?」
 だが、しかし、二人が魔法……というか技を放つよりも先に真曦逅(まぎあ)の銃撃が二人を襲う。
 って、よくよく考えたらライフルやミサイルよりも速く動けるわけがないので当然というかなんというか……
 そのまま光に包まれ、グラウンドに激突する夏と南。
 でもって、他の魔法少女と同じくユリアお付きのメイド集団の手厚いサポートのおかげで衆目に素っ裸を晒す事
なく制服姿へと舞い戻る。
*「ふっ、ふははは!見たか!」
 そして、一足遅れて高笑いと共に参上するのは今回の騒動の発端となったゴルディアスクォーツを作ってしまっ
た張本人、壬屈縛紀(みかがみ・しばき)である。
 鬼の首級(くび)()ったかのような勝ち誇った態度で天四斗(あまよと)工業、3-Jの教室内にいる斬子(きりこ)莉暗(りおん)に対してビシイっと
指をさしつつ宣言する縛紀(しばき)
壬屈縛紀(みかがみ・しばき)「お前たちに脅されながら嫌々作ったGクォーツとは違う!彼女が使っているのは我が全身全霊を込めて
作ったラウドGクォーツ!魔法出力も露出度も天と地よぉ!」
 いや、別に露出度は低くていいから……と女子一同は心の中で盛大に突っ込み、珍しく縛紀(しばき)に感謝するのであっ
た。
 と、言うか、ゴルディアスクォーツがGクォーツで、今回出てきたのがラウドGクォーツって……
 ラウドGクォーツとはGクォーツとは違ってプラグラムと連動して安定した定量の出力がウリとかそんなアイテム
だったりするのではなかろうか……
縛紀(しばき)「さぁ、行け!魔法少女!この学校の女子生徒並びに女性職員全員の衣装を光にしてしまえ!」
一同「ただのヘンタイ!」

#4
真曦逅(まぎあ)「……貴方の戯言に付き合う義理はないけど、行きますの!」
 ずおおおっと(おぞ)ましい魔力光が真曦逅(まぎあ)を包むと同時にありとあらゆる重火器が雁首をそろえて天四斗(あまよと)工業を狙う。
 あのバカの戯言に付き合う義理がないんだったら行かないで!と一同心の中で盛大に突っ込む。
生徒「ま、待て待て……まさかこのまま学校をぶっ飛ばすつもりじゃないだろうな……」
生徒「そ、そんなことをしたら婚約者の成金まで死んでしまうぞ」
 と、成金を盾に真曦逅(まぎあ)をなだめる一行
成小路金厭(かねあき)「やめて!俺をダシにするのやめて!」
真曦逅(まぎあ)「大丈夫……世界が壊滅したとしても、貴方だけは守って見せますの。うふふふ……」
一同(ヤバイ……)
 ヤツは世界を滅ぼして成金とアダムとイブとしてやり直すつもりだ……狂気の沙汰に冷や汗が止まらない。
真曦逅(まぎあ)「これが、私の、愛の力ですの!」
 その『愛』は間違いなくスパロボR以降の精神コマンドだ!と突っ込む暇もなく、無慈悲にも引き金は引かれて
しまう。
椛木(もみじ)花「違う!そんなものは魔法少女ではないっ!イークイップ!」
 カカッ
 世界が絶望に飲まれる中、厨二病アイドル・花は自ら魔法少女へと変身する
生徒「む、無茶だ!」
 あの狂気の魔法を受ければ変身解除されて素っ裸どころか芥子粒一つ残さず消えてしまう!

 ……だが、しかし、世界は絶望に閉ざされなかった。
 そう、全ての希望は、絶望より生まれる……

一同「なっ!?」
 バケモノじみた漆黒の異形なる左手を前方に突き出しマジカルな障壁で真曦逅(まぎあ)の放つ魔法というか、銃撃を防ぎ
きって見せる花。
縛紀(しばき)「そんな馬鹿な!」
 目の前の光景に驚きを隠せない縛紀(しばき)……
花「魔法少女とは、愛と夢を胸に……大きなお友達に興奮を届けるだけの簡単なお仕事です!」
一同「いやそれ、なんか違う……」
 興奮を与えるって深夜アニメかよ!
 まぁ、ともかく、みんなを守った厨二病アイドル花……彼女は今、野性味あふれるコスチュームを身にまとい魔
法少女となっていた!
縛紀(しばき)「脅されて嫌々、仕方なく作ったGクォーツの出力で、我が全身全霊のラウドGクォーツの出力を防げるわけが
ない……お前、一体何者だ!」
花「シュヴァルツ・ネロ・ノワールとヘイの力を組み合わせて、《闇の力》と《魔の力》をみんなに届ける……マ
ジカル☆アイドルよ!」
 そんなものは届けないでとっとと心の奥底に封印してください!と一同、心の中で盛大に突っ込むのであった。
 まぁ、ともかく、闇落ちした魔法恥女、シャッセール真曦逅(まぎあ)を斃せるのはもはや厨二病をこじらせたマジカル☆
アイドル、花しかいない……
 世界の命運は託したくないけど花の双肩に委ねられることとなってしまったのだ……


続

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