Eighter -Practical Era-
33rder ~魔法少女工房製造(クラフトワークス) C~



#5
 突如始めさせられてしまった魔法少女(笑)バトルロワイアル
 南、夏、花、(らく)、ユリアの五人の中で果たして、最後まで勝ち残れる魔法少女は誰だ!?
※ってか(笑)ってなんだ……
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「ああ、そうだ、ひとつ言い忘れていたことがあった」
 思い出したかのように声を出す斬子(きりこ)
楠木南、榎木(えのき)夏、ユリア・キドニー、櫟木樂(いちい・らく)椛木(もみじ)花「今更何ですか」
 戯言と聞き流すのもありだが、こういう時こそ重要なことをサラっと言い出して聞き逃したが最後ということが
ありえるのがこの女の恐ろしいところである。
※なお、夏だけは声のみの参加……いまだどこかに隠れています
風見原莉暗(りおん)「この魔法少女バトル、敗者は強制的に変身解除される」
一同「え、それって……」
 やはりというべきかトンでもない情報が暴露された
男子一同「と、言うことは……」
 キラ~~ンというか、むしろギラ~~ンという効果音と共にユリアの素っ裸見放題!とエロスな野望に燃える男
子生徒が我先にとユリアのもとへ向かう。
 ズゴン、バガン
男子一同「ふへごはぁっ!?」
 だが、しかし、そこはサザンオルステラの姫。みだりに人に肌を晒すわけにはいかぬ!
 颯爽と登場するのはユリアお付きのメイド集団。
 電光石火、目にもとまらぬ早業で元の制服姿に着替えさせ、最初から魔法少女ではなかったかの如く……後に残
るのはエロスにまみれた男子生徒(バカども)の屍の山だけであった。
 まぁ、ともかくとして、ユリア、魔法少女バトルロワイアルからの最初の脱落とあいなった……
南、夏、(らく)、花「この死合、負けるわけにはいかない!」
 (女にとって)負けられない戦いがここにあった!
 まぁ、仮に負けたとしてもユリアお付きのメイド集団がどうにかしてくれそうな感じはあるが……
※そしてすべての恨みは自動的にゴルディアスクォーツを制作した壬屈縛紀(みかがみ・しばき)へ向かいます
南「……」
 さて、夏はいずこ……
 流石に逃げた……というわけではない。
南(なぜなら……夏の気配を感じるから!)
 どこかからは分からないが、夏は今もなお、虎視眈々と南を狙っている。
 そして、南もいつ、どこから夏が襲い掛かってきても対応できるようにと精神を研ぎ澄ませる。
夏(くっ、流石、私の永遠のライバル!付け入るスキがない!)
 そして夏も魔法?の力で姿を隠し、じっと攻撃のチャンスをうかがっていた
 静かなる戦いが、ここにあった……

 そして、奇しくも両者、同時に攻撃へと転ずる

夏、南「そ・こ・だぁ!」
 果たして、夏は、南は、因縁の対決にピリオドを打つことができるのか……?!

#6
 さて、ここで南VS夏の因縁の試合は一旦置いといて、花と(らく)のバトルへと話は変わります。

(らく)「メイド協会に属するメイドの末席として、この戦い、負けるわけにはいかない……」
 今こそ、メイド奥義を見せる時!と気合を入れて殴りかかる(らく)
花「私だって……シュヴァルツ・ネロ・ノワールの力にかけて、負けるわけにはいかない」
 百裂拳と見紛う(らく)拳打(ラッシュ)に負けずとも劣らぬハルバード捌き
 だが、しかし、拮抗しているかに見えた両者の攻防は、すぐさま終わりを迎える
 ビシビシビシッ
花「!!」
 ハルバードに亀裂が入る
 もし、ここに日本メイド協会のメイドの面々がいたならばきっとこう叫んだだろう……『あ、あれは、メイド奥
義のひとつ、メイドの曦掌(きしょう)!』と……
 そして、すぐさま砕け散る花のハルバード
 ここに、勝敗はついた……かに思えたが……
花「今こそ、シュヴァルツ・ネロ・ノワールの力を解放する」
 ばしゅんっ
 次の瞬間、花の右手の包帯が一瞬で燃え尽きる。
 そしてその下にはまるでバケモノのような漆黒の異形の腕が現れる。
 それはまるで、物語(Tales)を冠するRPGにして初の女性主人公モノ……その女主人公の如くであった。
花「ライバルもスキャンダルも、何もかもすべて食らいつくす!」
一同(いや、そのセリフって……)
 どこかで聞いたことがあるセリフってか、さっきのRPGの女主人公のオマージュである。
花「これで、終わりよぉ!」
(らく)「いえ、終わるのはそちらのほうです」
 怪物じみた腕をアイドルとは思えぬ膂力で叩き付ける花……その花の掌に拳を叩き込む(らく)。
 ズドォンッ
 組み合ったまま微動だにしない二人。
 力と力が拮抗する。
 それはまるで、師匠!ド○ン!という叫び声が聞えてきそうな激突シーンであった
※と、いうかそのものである……本当にこれ魔法少女ものなのか!?
花「……流石は、冥土の女王」
 いや、冥土じゃなくて、メイドだからね……
(らく)「貴方の力も相当なものです……」
 称賛に値する力、もし、私が野良メイドだったら歯が立たなかったに違いないでしょうと呟く(らく)。
一同「いや、意味がよく分からないんですけど……」
 野良メイドとメイド協会に属するメイドとの間には一体いかほどの実力差があるというのか……
花「でも、私はマジカル☆アイドル……数多のミューズの眷属の想い……それを糧に今日まで生きてきたの!」
 いつからアンタはマジカル☆アイドルになったんだぁ!と一行は心の中で盛大に突っ込むのであった。

#7
花「だから、今がシュヴァルツ・ネロ・ノワールとヘイの力を組み合わせる時!」
 と、同時に眼帯が外れ、左目が怪しく赤く光り輝く……そして、左手も右手と同じように異形のバケモノじみた
漆黒の腕へと変化する。
花「これが、私の全力全壊!」
 この二人の死合、果たしてどう決着がつくのだろうか……
 と、言うか『全力全壊』!?『全力全開』じゃなくて?!


END

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