Eighter -Practical Era-
33rder 〜魔法少女工房製造(クラフトワークス) A〜



#0
 魔法少女と魔女……その違いは一体何なのか……
 今回はそんな核心に迫る……なんてことはなく、いつもの様にドタバタすると思います。
 それでは、魔法少女ファイト……レディ、ゴ〜!
※ガンダムファイトじゃないんだから……

#1
 天四斗(あまよと)工業、3-J
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「さて、突然だが、この中で魔法少女になってみたいというヤツはいないか?」
一同「本ッ当に唐突ですね!」
 一体何を言い出してんだアンタは!と呆れてものが言えない一行
斬子(きりこ)「……魔法少女じゃなく、魔王少女になりたい……でも可だぞ」
一同「一文字違いが大惨事!」
 そもそも魔王少女になりたいだなんて奇特な奴はいねぇ!
生徒「ってか、一体……なんなんですか?」
斬子(きりこ)「実はな……昨晩、莉暗(りおん)と次の計画を練りながら酒を飲んでいた時なんだが……」
 と、言ってしみじみ語りだす斬子(きりこ)
 と、言うか、次の計画ってなんだよ!と一同誰しもが心の中で突っ込む。
※声に出さないのは藪蛇だと察知しているため。

 突如空がピカっと光ったかと思うと次の瞬間には窓の外には怪しく赤く光る眼をした謎の白い生物が宙を漂いな
がらこちらを見ていた……
*「……僕と契約して魔法少女に」
 と、ここまで聞いたところで、いやそれ絶対アニメの話だろ!作り話だろ!とか思いつつ、アンタはどう考えて
も魔法少女って年じゃねぇだろ!と心の中で突っ込む一行
*「……なってくれそうな、純真無垢で何も知らないちょっとおバカな娘を紹介してくれないか?」
一同「待て待て待て!」
 流石に突っ込まずにはいられない。
斬子(きりこ)「なんだ?ここからが面白いところなのに」
一同「いや、別に面白さとかいらないから!」
斬子(きりこ)「まぁ、戯言はここまでにして」
一同(戯言だったんかい!)
 とはいえ、いつもの出来事なので想定の範囲内ではある。
斬子(きりこ)「で、魔法少女に立候補する奇特なヤツはいないか?」
一同「『奇特』っていうな!」
楸木(ひさぎ)秋「ってか、さっきのは作り話じゃなかったんですか?」
斬子(きりこ)「ん?ああ、QBチックな件は確かに作り話だ、だが、それとこれとは話は別だ」
一同(QBチックって……)
斬子(きりこ)「ともかくだ、魔法少女としてデビューしたいヤツはいないかと聞いているんだが」
 そんなこと言われても立候補するヤツはいない……
斬子(きりこ)「敵モンスターに捕まって触手にゅるにゅるプレイとかし放題だぞ」
女子一同「余計に立候補したくないわ!」
 寧ろ、それを聞いて私、魔法少女になりたいです!なんて言い出すようなヘンタイは即刻お帰りくださいと言い
たい。
斬子(きりこ)「折角莉暗(りおん)と協力して壬屈縛紀(みかがみ・しばき)を脅……ン、ごほん、説得して魔法少女のための変身アイテムを作ってもらっ
たというのに……」
 今、脅したって言いかけた!と一行
 ってか、次の計画ってこのことか!と察知してしまう一行であった。

#2
風見原莉暗(りおん)「で、これがその変身アイテム、その名もゴルディアスクォーツよ」
一同「アンタも最近サラっと何事もなく出てきますね……」
 もはや副担任の如く堂々と教室に居座るってか、登場するGTRこと風見原莉暗(りおん)。
 ま、ともかく、教卓の上に五つの卵型の物体を置く莉暗(りおん)。
 それは一見するととある化粧品メーカーがとある魔法少女ものアニメとコラボして出した化粧品(ソウルジ○ム
型マシ○パフ)のようにも見えた。
莉暗(りおん)「これを手にしてイークイップと叫べば誰しもお手軽に魔法少女に変身できるぞ」
一同「……」
 ってか、脅して作らせる方もそうだけど、脅されて作ってしまう方も、『こんなの絶対怪訝(おか)しいよ』って感じあ
る。
 そもそも、魔法少女変身アイテムがなぜ科学の力で作られているのか……
 まぁ、確かに発達しすぎた科学は魔法と区別がつかないというのはよく聞く話ではあるが……ただ、よくよく考
えると壬屈縛紀(みかがみ・しばき)はかつてタイムマシンを完成させてしまった漢。
 魔法少女変身アイテムを作ってしまえても怪訝(おか)しくは……
※ンなわけあるかい!
斬子(きりこ)「……はぁ、仕方がないな……」
 いつまでたっても魔法少女になりたいと立候補する者が現れないため、斬子(きりこ)はため息をつくと教卓の上の五つの
変身アイテムを手に取る
斬子(きりこ)「おおっと、手が滑った」
 (わざ)とらしく宣言すると同時に南、夏、ユリア、(らく)、花めがけて投げつける。
一同「ちょ」
斬子(きりこ)「イークイップ!」
 五つの変身アイテムを受け取ってしまうのを確認するや否や叫ぶ
 カカッ
 すると、何ということでしょう……変身アイテムを受け取ってしまった生徒が光に包まれるではありませんか
楠木南、榎木(えのき)夏、ユリア・キドニー、櫟木樂(いちい・らく)椛木(もみじ)花「な、なあああ!?」
 そして、光が収まると五人の生徒は誰が見てもわかるような魔法少女にコスチュームチェンジしていた
莉暗(りおん)「変身前に敵によって喉を封じられることがあるかもしれない……そんなときのために外部からの音声入力で
も変身できるような緊急装置的なシステムも導入してあるのがこのゴルディアスクォーツのすごいところよ」
一同「絶対このためだろ!」
 嬉々として語る莉暗(りおん)に盛大に突っ込む一同
 まさしく、魔法少女始めさせます!
斬子(きりこ)「さぁ、潰しあえ!最後まで勝ち残った一人が魔法少女の女王だ!」
莉暗(りおん)「うむ、戦わなければ生き残れないぞ!」
南、夏、ユリア、(らく)、花「そんな魔法少女嫌すぎる!」
 五人の少女の悲痛な叫びが教室に(こだま)する。


続

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