Eighter -Practical Era-
31ster 〜冥道は一日にして A〜



#0
 メイド……それは『作られた』を意味する魅惑の言葉……
※いや、それMaidちゃう、Madeや!
 そして、今回はメイドがいかにして作られたかを知るまたとない機会となる……のかもしれなくもない
※どっち!?

#1
 天四斗(あまよと)工業、3-J
 ある日、いつものように天四斗(あまよと)のDr.キリコこと品辛斬子(ぴんから・きりこ)が自分の職務をサボって椅子にドカっとふんぞり返っ
て居た時の出来事……
 突如として謎の集団……いや、全員がメイドなので謎の集団とは言えるか謎なのだが……
 ともかく、メイドが雪崩れ込む
一同「……」
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「うむ、今日も我がクラスは平和だな」
一同「いやいやいやいや」
 何見なかったことにしてるんですか!現実を見てください!と一同の盛大な突っ込みが入る
榛木(はしばみ)秦「メ、メイドさんがいっぱい……はっ、いや、アンタら一体何ものだよ?」
 思わず昇天しそうな感じの顔になりつつすぐさま我に帰る秦。最近メイドに目覚めたからこその芸当と言えよう
※芸当?
メイド「騒がせてしまって申し訳ございません」
メイド「我々は日本メイド協会の者です」
 両手でスカートの裾を掴んで一礼しつつ宣言するメイド
斬子(きりこ)「残念だが、メイドが御神体という宗教は間に合っているんでね、帰ってくれ」
一同「そっちの『きょうかい』じゃねぇよ!」
 メイドさんを崇拝する宗教団体……イヤ過ぎる……
メイド「……こちらに野良メイドがいるという情報を経てまいりました」
一同「何だよ、野良メイドって!」
 一同が疑問を浮かべている間にも日本メイド協会の連中はズカズカとこのクラス唯一のメイド(が趣味でメイド
服を着ている)のもとへと足を運ぶ
メイド「貴方ですね」
櫟木樂(いちい・らく)「確かに私はそのような組織には所属していない……」
 と、言うかそんな組織があったんだ……ってな感じの一行である。
メイド「ならば、今すぐ日本メイド協会に入るかここで、メイド服を脱ぐか選択肢は二つに一つ!」
メイド「我々日本メイド協会は野良メイドの存在を許しません!」
 だから、野良メイドって何だよ!
ユリア・キドニー「なるほど、やはり、この国にもメイド協会が存在するのですね」
 とか、感慨深く呟くのはサザンオルステラの姫である
 ちなみに、ユリアが引きつれているメイドはみなサザンオルステラメイド協会に属しています。
 あと、どうでもいいけど、成金のトコにいるメイドも日本メイド協会所属
成小路金厭(かねあき)「はっ、今さり気に俺のトコのメイドがどうでもいい扱いされた気がする!」
 なぜわかる!?
 まぁ、それは置いといて……
生徒「で、野良メイドって言った何なんですか!」
 まぁ、何となくわかるような気がするけど……一応聞いてみるってな感じの一行

#2
メイド「よろしい」
メイド「では教えて差し上げましょう……野良メイドとはメイドと称して対象に近付き、対象をご主人様と呼んで
持て(はや)し、その肉体を駆使して対象を堕落させて対象の全てを奪い去る凶悪な犯罪者なのです」
 野良メイドに騙されて全財産を失ったというやんごとなき方が後を絶たない……そんな時代もあったんですとか
言い出すメイド
 なんか別な犯罪な気がするけど……いや、そもそも、野良メイドじゃなくてもそんな事件起こせそう……
メイド「故にメイドを名乗るのであれば日本メイド協会へ所属してメイドライセンスを取得してもらわないと困る
のです」
一同「そんなライセンスまであるのか……」
斬子(きりこ)「まぁまぁ、ちょっと待ってもらおうか……」
 と、そこへしゃしゃり出る斬子(きりこ)
斬子(きりこ)「あくまで個人的に趣味としてメイド服を着ているという場合はどうなんだ?……例えばメイド服のコスを着
たプレイとか」
一同「いやいやいや……そこは学園祭でのメイド喫茶とかでいいんじゃ?」
 どうしてエロス方面に……とか言い出すとエロスな妄想を思い浮かべるお前たちがエロスなだけだ……別にメイ
ド服を着て子作りに励むプレイなどと一言も言ってないぞと言い出す斬子(きりこ)
 いや、まぁ、確かにそうなんですけど……
メイド「話が逸れましたが、確かに、個人的に趣味としてメイド服を着る……そんなときにメイドライセンスなど
不要です」
斬子(きりこ)「ほれ見ろ」
メイド「ですが、貴方は違いますね」
(らく)「……」
メイド「ただ単に趣味として個人的にメイド服を(たしな)むだけならば、『メイ道』なんたるモノを知っているわけがな
い」
 貴方は先日、特技は『メイ道』と宣言したそうではないですか?とメイド
 いや、お前らどこでそんなこと仕入れてきたんだよ!
一同(つか、『メイ道』って何だよ?)
メイド「ウフフ……では、教えて差し上げましょう、『メイ道』とは……」
一同「人の心読んだ!?」
 戦慄する一行であった
メイド「何を驚かれますか……ご主人様の意をくみ、零を聞いて百を知るのはメイドとして当然」
生徒「一すら聞かずに百も知るって最早エスパーだよ!」
メイド「……いいですか、『メイ道』とはメイドの道……メイドによるメイドの為のメイドの掟」
メイド「女はみな、血のにじむような努力をしてメイ道を行き、そして、メイ道を極めしとき、初めてメイドはホ
ワイトブリムを身につけることを許されるのです」
一同「……」
メイド「故に、今の貴方は名乗ることを許されない下級のメイドの一人!」
 なんかどこかの世紀末な修羅の国の修羅がメイドに置き換わった感じだ……
 そして、こんなことを聞いて面白がらない斬子(きりこ)ではない
斬子(きりこ)「よし!今日の社会見学はこれで決まったぞ!」
一同「ああ、やっぱり……」
 かくて、一行はメイ道を行く(らく)を見守るという謎の課外授業へ出向くのであった


続

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