Eighter -Practical Era-
24ther 〜マイルドに闘王を C〜



#5
 ある日、斬子きりこの思いつきから唐突に始まったサバイバルゲームと言う名の疑似殺し合い……
 実はチーム戦でそれを知らなかった(知らされてなかった)成金は仲間を討って失格……
 そのまま《アンドラの魔女》から逃げ延びるべく『せいし』を『か』けた闘いが勝手に始まっている……かもし
れないけど、それはまた別の話です。
 ……まぁ、そんなことはおいといて……ユリアの援軍でやってきたメイド軍団と成金の援軍でやってきたメイド
軍団は互いに激突し、鎬を削るバトルの結果……双方相打ちってなことになり、勝負は再び生徒同志の闘いへと戻
るであった。
※そこっ展開速いとか言わない!
椛木もみじ花「しゅるっ、ばさっ……ふっ、どうやらシュヴァルツ・ネロ・ノワールの封印を解くときがやってきたよう
ね……」
 自分で擬音を言いながら大仰に包帯と眼帯を解く厨二病アイドル、花
花「いでよ!我が闇の眷属ッ!」
 シュタッ
 と、突如そこに疾風の如く参上する一人のスーツの男性……彼の名は乃壷蔵院のつぼ・くらいん……
 言わずと知れた厨二病アイドルの厨二病マネージャーであった
一同「って、援軍召喚かよ!」
 まぁ、援軍アリならそうなっちゃいますよね……
乃壷蔵院のつぼ・くらいん「私怨はないが、ぼと……花の為に死んでもらう!」
 もはや椛木もみじ花は厨二病アイドルの幕辺ぼとるだって知れ渡っているんだから今更隠す必要なんてないと思うんだ
けど……それでも一応隠してみる律儀なマネージャーであった。
ユリア・キドニー「サザンオルステラ皇国秘伝、変わり身召喚!」
 ドカンッ!
囁口聶じょうこう・ささや「うきゅうっ!?」
 次の瞬間、どこからやってきたのかユリアの勝手に妹(本人が勝手に妹を名乗ってるのではなく、ユリアが勝手
に自分の妹にした男子生徒)がユリアの変わり身となりて蔵院くらいんの攻撃を喰らってしまう。
 ってか、秘伝が変わり身なのか?
品辛斬子ぴんから・きりこ囁口聶じょうこう・ささや、飛び入り失格」
一同(飛び入り失格なんて単語初めて聞いた……)
 淡々と告げる斬子きりこであった
ユリア「よくも、私の妹を……あなたは絶対に許せません!」
一同「いや、今のはアンタがやったことでしょうが!」
 一同の最もな突っ込みであった
蔵院くらいん「くっ……この強力な闘気は……」
花「な、なんてことっ!?シュヴァルツ・ネロ・ノワールの力が気圧されるだなんて……あれは一体……」
ユリア「サザンオルステラ皇国秘伝、商標すべき呼応の剣コールブランドッ!」
 ユリアがまるで剣を両手で握るかの如く構えでそのまま両手を天に掲げるとパアアッと光があふれ、そこには一
本の剣が……そして、一気に振り抜く

#6
花、蔵院くらいん「く……くあああああッ!シュヴァルツ・ネロ・ノワールが……」
 がくりとその場にくずおれる二人
斬子きりこ「厨二病な二人、リタイア……」
※なお、この具現化バトルは彼女たちの妄想のなせる技で実際にはパントマイムにしか見えません。
櫟木樂いちい・らく「ユリア、覚悟!」
 厨二病な二人を撃滅したことで油断している……と思われるユリアに対し背後から忍びよるメイド
ユリア「この私に背後からの奇襲……いい度胸です……ですが甘いです!」
らく「私に先ほどの技妄想バトルは通じませんよ」
ユリア「そんなことはルート一万も承知……あら、間違えました、百も承知……日本語は難しいです」
 いや、寧ろ、百をルート一万とか言い出す方が怪訝おかしいんですけど……
 とか何とか言いながらショットガン(エアガン)を構えるユリア
 それに対してらくはスカートをちょこんとつまんで広げると……中からペイントボールが手榴弾よろしくバラバラ
と降ってくる
ユリア「ですが、まだッ」
 ダンダンダンッ
 バシャバシャバシャッ
 迫ペイントボールを面攻撃で破壊すると同時にその場から後退るユリア
らく「あ……」
 そして、当然上空から地面へ襲いかかってきたメイドは空中で破砕されたペイントボールの餌食と化す
斬子きりこ櫟木樂いちい・らく、リタイア……」
ユリア「あのメイド、中々侮れない存在でした……」
 トンッ
 でもって、何かにぶつかるユリア
テ金しんかね心「そして、君はここでジ・エンドだ、はっはっはっは」
ユリア「はっ!」
 しぱ〜〜んと扇子の一撃で気を失うユリア……サザンオルステラ皇国の姫君の最期であった。
※いや、死んでないからね……
 と、言うわけで残るは姉派筆頭の楯木てすりぎ盾と楠木南、妹派筆頭の杭木こう、第三軍の榎木えのき夏、テ金しんかね心となったわけだ
が……
 楯木てすりぎ盾と杭木こうは譲れない想いを胸に醜いバトルを繰り広げているのでまぁ、見せるに堪えない……みたいなそ
んなこんなで死合は割愛して……南と夏はというと……
榎木えのき夏「くっ……やるわね……」
楠木南「そっちこそ!」
 ガキイインっと木刀を打ち鳴らしニヤニヤしながら対峙する二人
夏「今日こそ、あなたを超えて見せる!」
南「でも、私だって日々強くなっているんだから……」
 バっと刃を弾いて距離を置く二人
夏「夏殷流刀鞘術かいんりゅうとうしょうじゅつ……黎月れいげつ」
南「楠木流……飛反壱条輪ひたんいちじょうりん」
 ガッ
 弧を描いて走る一閃と袈裟がけの一閃が激突する……
南「こ、これは……」
夏「ふふん」
 じりじりと圧されゆく南。
 いつの間に、こんな技を……と驚くと同時に、そうこなくちゃ面白くないと思う南
 死合はまだ、これからだ!


続

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