Eighter -Practical Era-
20ther 〜彼女は悪魔である C〜



#5
 デーモンバスター、天四斗あまよと工業へ来たる……そして、悪魔憑きの少女と激突……するのだが……
降諏ぶらす玲太「クッ、悪霊タイサーンVも、秘巫女の聖水も効かないとなると……」
 何だ、そのネーミング……
 特に破魔の札のネーミングは巫山戯ふざけているとしか思えないネーミングである。
飜番飛ほつが・とばる「その程度でお終いなの?……じゃあ、今度はこっちから行くわよ」
 ぐおっと彼女の悪魔の腕から禍々しい気が膨れ上がる
玲太「……ならば、魔を討つパイルバンカー、杭改めよを使うしかないのか……」
 がしょんとどこからともなくパイルバンカーを取り出す玲太
一同「どっから取り出したんだよ!」
玲太「どんな悪魔だろうと討ち貫くのみッ!」
とばる「はあっ」
 ズドガアアアッ
 まるで鋼鉄の孤狼のような咆哮と共にパイルバンカーで突撃する玲太……そして、それを悪魔の右腕で受け止め
るとばる
玲太「馬鹿な……受け止めただと?」
とばる「こんなもので、私のゾーラ・オブ・ゴルゴーンは止められない」
 ビキビキビキッ
玲太「馬鹿な……」
*「そこまでじゃ!やめい、この愚か者め!」
 と、その時、二人を止める謎の声
玲太「なっ、あ、貴方様は……」
 そして、やってくるのは……
一同「え?」
 ちみっこい感じの少女であった……
生徒「誰だこいつ?」
玲太「なっ、失礼にも程があるぞ!この方は……我らがデーモンバスター、魔ヲ断ツ剣を創設した伝説のお方……
Ms.カトク……カトク・ウォーダン・オレイカルコス・トゥゲナイ様であるぞ」
一同「え?」
 確かに、先ほど、そんな話を聞いた……
 と、言うことは……
品辛斬子ぴんから・きりこ「なんだ、魔ヲ断ツ剣とは出来て日が浅い組織だったのか……」
 真っ先に思い立つのがその感想……
カトク・トゥゲナイ「……いや、数百年の歴史を誇る退魔の組織じゃよ?」
一同「年齢あわねぇよ!」
 と、いうか、『家督・継げない』という名前には誰も突っ込まないのですかね……いや、突っ込まれても困……
りはしないけど……
玲太「……そう言えば、そうだね……」
一同「おい、マテコラ!」
 アンタは最初から怪訝おかしいとか気付け!
カトク「フン、こ奴は我が魔ヲ断ツ剣が誇る……いや、誇っちゃイカンのじゃが、文字通りの馬鹿弟子なんじゃよ
……」
 力だけは有能だが、他はからっきしだそうで……
 今回もなんやかんやで色々あって(そこは割愛しないでください)悪魔を駆逐するとすっ飛んで行った結果がコ
レなんだそうだ……
生徒「……ああ、だから、最初厨二病のあの子と間違えたのか……」
椛木もみじ花「私のシュヴァルツ・ネロ・ノワールの力は本物」
 ビシっと決める花……とりあえず、話がややこしくなるから黙っていようね……

#6
斬子きりこ「で、数百年続く組織ってことは……」
生徒「見た目は子供、中身はババァ……」
カトク「ハン、誰がババァじゃ!まだ閉経しとらんのじゃ!」
一同「え?」
 どういう斬り返しだよ!
カトク「まぁ、よい……とっとと帰れ!貴様如きではアレは駆逐できんのじゃ」
玲太「な、なぜです……確かに、悪霊タイサーンVも、秘巫女の聖水も効きませんでしたが……」
 まだ私には不屈の闘志と鉄壁の意志があります!とか豪語する玲太
カトク「効かなくて当たり前じゃ、たわけが!」
 なぜなら……と、その時、黙していたかんなが颯爽と会話に割り込む
白拍子かんな「あれは彼女が自ら作り上げたオリジナルの悪魔……だから、既存の退魔の術法は一切が無効」
 故に、聞いたことのない名前だったのだ……
一同「オリジナルの悪魔ぁ?」
カトク「フン、だろうと思ったのじゃ……」
 退魔と言っても一つのモノで全てを駆逐できるわけではない、その悪魔の性質を見抜き、その悪魔の弱点を突い
てこの世界からおさらばしてもらう……それが退魔
 だからこそ、始めてみる悪魔……ましてや勝手に創り出した悪魔の退魔方法など存在するはずがないのだ
玲太「し、しかし……オリジナルの悪魔だというのならば、下級の悪魔にも劣る弱い悪魔なのでは……」
カトク「だからお前はお馬鹿なのじゃ……」
 と、いうわけでここで説教タイム……
 まぁ、ロリババァ(誰がなのじゃ?)の説教を長々と書きこんでも誰も見向きもしないので折檻……あ、違った
説教シーンは割愛……
カトク「分かったか、このタワケが!」
玲太「い、いえっさ〜!」
 ビシっと返事を行う玲太
 だが、本当に分かったのかどうかはアナタ次第です。
※都市伝説じゃないんだから!
カトク「では、帰るのじゃ、バカタレが!」
玲太「ま、待ってください……あの悪魔を滅殺しなくてよいのですか?」
 と、いうか、どうやって悪魔を創り出したのか、私、気になります!
カトク「フン、駆逐しようのない悪魔をどうやって駆逐せいというんじゃ?このお馬鹿」
玲太「そこは気合と根性で!」
 それで退魔出来たら世話ねぇよ……
カトク「どうしてもというのならば、儂の修行を一つでもクリアしてからにせんか、この馬鹿弟子が!」
 をいをい、犯人前のデーモンバスターが勝手に悪魔を退治しに回っていたのかよ……
一同「……」

 と、言うわけで(どういうわけだ?)
 天四斗あまよと工業を騒がせたデーモンバスターの騒動はこれにて幕を閉じた……
 だが、忘れることなかれ……お馬鹿な玲太は三日後にはコロっと忘れて再び彼女を退治せんと勝手に天四斗あまよと工業
にやってくることだろう
※追い返せ!

#7
 その後、とばるは花の元へ静かに歩み寄る……そして……
とばる「……あなたがシュヴァルツ・ネロ・ノワールで封じたモノ……それは、いずれ、こうなる……覚悟しなさい」
 そう告げると、とばるは梵字の書かれた包帯で悪魔の腕をぐるぐると巻いていく
 ……あら不思議!人間離れした悪魔の腕はか弱い少女の腕に早変わり……
 本当に一体どんな巻き方したんだか……
花「……くっ、私の腕に宿る《闇の力》もいつか、あのように……」
一同「いやいや、ないから……それはないから!」
かんな「……」
 だが、もしかしたら、本当に……厨二病がこじれてオリジナルの悪魔を生み出してしまうのかも……しれない
 げに恐ろしきは厨二病……


END

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