Eighter -Practical Era-
20ther 〜彼女は悪魔である A〜



#0
 悪魔……それは時に比喩表現として人間の所業とは思えないモノに対して呼称する。
 時に、悪魔で執事として女王の番犬に従事する
※黒執事かよ!
 時に、一匹のクマに対して呼称する
※『a Kuma』……なぜに日本語に英語を組み合わせるかな……
 今回はそんな悪魔に関する物語

#1
 東京都、某所
 とある喫茶店にて、一人の男性が新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた
*「俺様の名前は降諏ぶらす玲太……しがないデーモンバスターさ……」
 悪魔を滅するべく、日々東奔西走しているのさ……などと呟く彼は、周りの人から、何この人、危ない人……と
思われる変人であった。
 ててっ……ててっ……てててててん♪
 ててってっててん、ててってっててん、ててってっててんてん♪
 突如鳴り響くのはザンボット3のテーマの出だしから繋がるサザエさんのEDテーマという謎の着メロ
降諏ぶらす玲太「来たか……」
 どうやら彼はこれを待っていたらしい
玲太「……なるほど……」
 それは、デーモンバスターへの依頼の電話なのか……?
玲太「……すごいな……悪いのは君じゃない……」
 ひとしきり会話を行った後、彼は通話を終了する
玲太「さて……」
 その後、彼は会計を済ませて喫茶店を後にする
 行先は……

 天四斗あまよと天四斗あまよと工業、3-J

品辛斬子ぴんから・あまよと「あ〜、お前らに残念なお知らせがあるからよく聞くように」
 今日も今日とて自分勝手に全力疾走……それこそが天四斗あまよとのDr.キリコ
斬子あまよと「先日教育実習生として紹介した乃壷蔵院のつぼ・くらいんだが、彼は教育実習生ではないのでもう来ないことになった……」
生徒「え〜」
斬子あまよと「まぁ、もともと伝説の厨二病アイドルをサポートするために教育実習生としてここへやってきたんだが、も
うそんなことする必要なくなったしな……」
椛木もみじ花「彼は今頃、草葉の陰から我々を見守っているのです」
白拍子かんな「……いや、死んでないでしょ?」
一同「……」
 すかさず突っ込みを入れるかんなに、一行はかんなが突っ込んだ!と心の中で大騒ぎ
※いや、かんなもやるときはやりますよ
斬子あまよと「まぁ、本当は彼にはこのまま教育実習生として居座ってもらって代わりに壬屈縛紀みかがみ・しばきがクビになってほしかっ
たんだがな……」
壬屈縛紀みかがみ・しばき「ちょ、待て待て待て……なんでアンタはそんなに俺をクビにしたがるんですか!」
斬子あまよと「……さぁ、なんでだろうな……やっぱ、高校教師に感銘を受けて教師になりたいとかぬかす大馬鹿野郎は早
々にお帰り下さいと言ったところか」
縛紀しばき「ぐっ……それでも、俺は浪漫を諦めない」
一同「いい台詞っぽいけど中身は最低ですからね!」

#2
斬子あまよと「はぁ、仕方がない……じゃあ、まずは、その幻想をブチ壊してやろう……いいか、近年の女子高生は大体エ
ンコーで金を稼いでいるからお前が思っているほど浪漫はないんだぞ」
女子一同「ンなわけあるかぁ!」
縛紀しばき「ば、馬鹿なッ……」
女子一同「だから違います!人の話聞け!ってか、先生も先生で最低ですからね!」
 と、その時、教室のドアを開けて勢いよく中へ入ってくる一人の漢
斬子あまよと「おい、何だ貴様、今は私のコーヒーブレイクの時間だぞ」
一同「SHRでしょうが!」
 と、いうか、コーヒー飲んでないし……
玲太「フッ……俺様の名前は降諏ぶらす玲太……Ms.カトクが興した魔術結社、魔ヲ断ツ剣のデーモンバスターさ……」
生徒「はぁ?……ミスカトックぅ?」
生徒「汝、魔を断つ剣、デモンベイン?」
 突如そんなことを言われても何のこっちゃとしか思えない一行
玲太「このクラスに悪魔憑きがいるとの情報を得てそれを滅殺しに馳せ参じた」
一同「悪魔憑きぃ?」
 そんなものがいるとは思えず、一行は首を傾げていると、玲太は一人の生徒の元へ……
玲太「貴様だな」
花「へ?」
玲太「その包帯の下には猿の腕……もとい、悪魔の腕が隠されているのだろう」
※物語シリーズじゃないんだから……
花「猿?悪魔?……そんなものではない、この右腕は私がシュヴァルツ・ネロ・ノワールの力を駆使して封印した
《闇の力》が宿っている……」
玲太「……いや、その《闇の力》とやらが悪魔に違いない」
一同「なんだ、厨二病関係者か……」
 類は友を呼ぶって奴か……だったら放課後とか別の時間にやってくれないかな……とか思っていると
玲太「とにかく、お前が悪魔憑きであることに間違いはない……その悪魔、今ここで滅殺せん!」
 すすっと上着の内ポケットからお札を取り出す玲太
花「望むところ……ジュヴァルツ・ネロ・ノワールの化身たる私は……《闇の力》を何人にも渡しはしない」
 しゅるしゅる……と包帯を解きだす花
 一触即発……と、その時
かんな「人違いですよ……」
一同「え?」
 再びかんなが口を開く
かんな「あの人は正真正銘本物のデーモンバスター」
玲太「だから、そう言っているだろうが!」
一同「な、何だってぇ?」
 そして、奇しくも厨二病アイドルの厨二病的発言を悪魔憑きによるモノと判断してしまっただけなのだ……
 って、気付けよ!
玲太「……ちょ、ちょっと待ってくれ……一体どういうことだ?」
 流石にデーモンバスターもかんなが運の女神として名高い存在だと気付き、彼女の超運による指摘は間違いない
と認識したのか、確認に走る
かんな「ですから、この人は貴方が駆逐したがっている悪魔憑きではないということです」
玲太「な、なんてことだ……目の前に悪魔憑きのようなモノがいるというのに、抹殺出来ないなんて……」
 ……アンタ、趣旨変わってないか?
 ……まぁ、ともかく、花は悪魔憑きではない……でも、玲太は悪魔憑きを滅殺せんとここへやってきた……
 これは一体どういうことなのか?


続

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