Eighter -Practical Era-
16ther 〜十異世界とおいせかい葬戰擧そうせんきょ C〜



#5
 唐突に生徒会長を決めると言われ、更にその演説は翌日(本日時点では今日)という、この急展開……
 天四斗あまよと工業、体育館
杭木亢くいぎ・こう「俺が生徒会長に立候補した杭木亢くいぎ・こうだ……みんな、聞いてくれ、俺が生徒会長になったアカツキ・シラヌイ
には女子生徒の制服をエロいやらしくすることを確約する!」
※ってかアカツキ・シラヌイって……『オオワシ』の次は『シラヌイ』かよ!
 ってか、コイツ、まだ懲りてなかったのかよ……
女子一同「帰れこのヘンタイ!」
 そして、女子一行からは盛大なブーイングの嵐。
 まぁ、当然である

吹口欠ふきぐち・かける「俺は建築科の吹口欠ふきぐち・かける……前生徒会長、吃口乞どもぐち・こうの友達である」
 続いて壇上に上がるのはかける……
かける「俺はこうから生徒会長のなんたるかを全て引き継いだ漢だ……だから、みんな、安心して俺を生徒会長にしてく
れ!」
 ……と、いうか、こいつは生徒会長のなんたるかを引き継いだのではなく、前生徒会長を失脚に追いやったって
感じがするんだが……
かける「俺が生徒会長になった暁には今までと変わりない学生生活が送れるように陰ながら努力しようと思う……つま
りはこの高校を裏から運営する……ということだな」
 変化よりも、現状維持……それがかけるの考えのようだ……
一同「……」
※裏から運営って裏から操るってことなんじゃ?
 まぁ、ともかく、かけるはそれだけ告げると壇上を後にするのであった……
 そして、次に現れたるは……
*「あ〜〜、私は機械科のテ金しんかね心……」
 キリっとした感じのいかにも生徒会長が似合いそうな女性……
 彼女にならば、今までの有象無象に代わって生徒会長を任せてもいい……そんな雰囲気漂わせる女子生徒が彼女
であった。
テ金しんかね心「私が生徒会長になった際には生徒諸君の事を妹、弟と呼ぶので、皆も私のことは姉と思ってくれたまえ…
…いや、是非とも姉さんと呼んでくれたまえ!」
一同「アンタはどこぞの自分の弟は姉萌えのヘンタイ野郎だと思ってる、そんな姉が通っている高校の生徒会長か
よッ!」
 一同の盛大な突っ込みが決まる……
※と、言うか例えが無駄に長いッ!
心「ハハハ、何を言う……生徒会長とは全校生徒の頂点に立つ存在……それは言うなれば姉に等しい存在……何も
間違ったことはないだろう」
一同「全て間違ってるわ!」
心「なんだったら投票の際に『姉さん』と記載してくれても構わないぞ……今回の選挙ではそれは無効票にはなら
ず私の票になることを宣言しよう!」
品辛斬子ぴんから・きりこ「いいだろう、私が許可する」
一同「マテや!」
 そこは無効票にしてください……と一同の思いが今一つになった
 今回の生徒会総選挙……まさか投票率ゼロになるのでは……そんな恐ろしい予感が一行を襲うも、立候補達は自
分こそが生徒会長になれると微塵も疑っていない様子であった……
 と、そんなこんなで、次に壇上に立つは二人の女子……いや、実は一組の男女だが……
ユリア・キドニー「私は最近転校してきたサザンオルステラ皇国のユリア……」
 そして、こちらは妹(男の娘)の囁口聶じょうこう・ささやと紹介しだすユリア

#6
ユリア「いずれサザンオルステラを背負って立つであろう私は、まずは生徒会長としてこの高校に君臨……あ、い
え、光臨……降臨?……じゃなくって……ええと、日本語は難しいですね……」
一同「……」
 そんなに流暢に喋れるのに日本語が難しいとかそんなわけあるかい!と思う一行であった。
ユリア「……ともかく、私が生徒会長になったからには十字架ロザリオを渡された相手が妹になると言うシステムを導入し
ようかと考えています」
一同「ここにマリア様はいないからね!」
メイド「……いや、この国には『氷影の聖母マリア』なるものが存在すると聞き及んでいます」
 フォローのために参上するのはサザンオルステラの名もなきメイドの一人。
一同「そりゃ架空の存在……ってか、必殺技だから!」
 ってか、フォローになってなかった……
斬子きりこ「よし、では最後に私から一言……」
 そして……
斬子きりこ「私も生徒会長に立候補する」
一同「なんでやねんッ!」
 教師が生徒会長に立候補すんじゃねぇよ!とこれまでにない大ブーイング
斬子きりこ「五月蠅い、みんなよく聞け……」
 そして、語りだす斬子きりこ
斬子きりこ「私は学生時代、生徒会長をやってくれないかと頼まれたことがあったんだが……」
 だが、断る!と断固拒否し、生徒会長になるのをやめたことがあるんだ……と続ける斬子きりこ
斬子きりこ「そして、私の代わりに生徒会長になった女がいたんだが……」
 彼女が生徒会を運営している姿を見て、物凄く生徒会長をやりたくなったんだが……断固拒否してしまった手前
今更やっぱ生徒会長になりたいとは言えない雰囲気……
 それどことか、生徒会長になる位なら死んだ方がマシだという噂が広まり、彼女を生徒会長に推薦することは絶
対にやってはならない謎の不文律が出来てしまった……と
斬子きりこ「私は心底後悔した……こんなことになるのなら、生徒会長を引き受けるのだと……」
 そして、そんな後悔をいつまでも引きずって今、教師としてこの学校にいる……ならば、あの時出来なかったこ
とを今、やるべきだ!と私が生徒会長に立候補したんだ!と斬子きりこ
一同「なんか壮絶な過去ですけど、アンタはもはや教師なんで生徒会長に立候補しないで!」
斬子きりこ「何だと?教師が生徒会長をやって何が悪い……大体、私が生徒会長になれば卒業とか引き継ぎとか無くて楽
だぞ」
一同「いやいやいや」
 生徒会長って利便性で選ぶものじゃないから……

#7
 そして、その後、投票が行われたのだが……
 結局、誰が生徒会長になったのかと言うと……
心「私がみんなの姉、生徒会長の心よ!」
 何と!心が生徒会長になってしまった……世の中は何が起こるか分からないものである……
 と、言うか、今回の選挙……お茶目な感じで『姉さん』という投票が多かったという……お前ら、真面目に投票
しろよ……
※なお、余談になるが、『姉さん』は有効票だが、『姉ちゃん』は無効票という無駄にシビアな展開があったとか
 何とか……もし『姉ちゃん』も有効票ならば、心は全校生徒の4/5の票を手にしていたと言うから恐ろしい……
斬子きりこ「そして、私が心の姉、生徒会顧問の品辛斬子ぴんから・きりこ……姉というよりは姐と呼んでくれていいぞ」
 いや、アンタは張り合わなくていいから!……まぁ、確かにアンタは姉さんというよりは姐さんって感じだけど
も……
 なお、余談だが、他の生徒会メンバーは……副会長は櫟木樂いちい・らく、会計はユリア・キドニーで、書記は朴木卜ほおのき・ぼく、庶務
は囁口聶じょうこう・ささやとなった
※ちなみに、ささやはユリアに無理やり庶務にされたそうです……
 かくて、天四斗あまよと工業生徒会は運営さる!
 この生徒会役員共がどうなるのか……今は誰も知らない……


END

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