Eighter -Practical Era-
15ther 〜転校生と奴は言う A〜



#0
 星は星でも学校をぐるぐると回る星は何だ?
 そう、答えは転校生……と、言うわけで、今回はそんな転校生に纏わる物語。

#1
 天四斗あまよと工業、3-J
品辛斬子ぴんから・きりこ「あ〜、唐突だが、このクラスに転校生が来ることになった」
生徒「転校生ですか?」
生徒「珍しいですね……」
 工業高校に転校してくる生徒……果たしてどんな人物なのか……
斬子きりこ「よし、入ってきていいぞ、私が許可する」
一同(だから、アンタ何さまだよ!)
 いつもの如く上から目線な感じの天四斗あまよとのDr.キリコ。
 ガラガラッ
一同「いっ?」
 そして、入ってきた奴を見て一同唖然……
椿木つばき春「せ、先生……」
斬子きりこ「何だ?」
榎木えのき夏「まさか、アレが転校生だとか言わないですよね?」
 そのアレ扱いされた人物はというと……どこからどうみても高校生には見えない……
 と、言うか、みんな、この漢のことを知って……いた?
※なぜ疑問形?
斬子きりこ「ん?違う違う。彼は今日からこのクラスの教育実習生になった壬屈縛紀みかがみ・しばきだ!」
一同「なんだ、驚かさないでくださいよ……」
 そう、まず、教室に入ってきたのはタイムマシンの開発者であり、その特権を駆使して過去を変え、教育実習生
になりすましていた卑劣な漢、壬屈縛紀みかがみ・しばきであった。
※紹介に物凄く悪意があるのは気のせいです。
生徒「ってか、転校生の紹介はどうなったんですか?」
斬子きりこ「まぁ、教育実習生と同時に紹介しようと思ってな……」
 別々に紹介してほしいものであった。
壬屈縛紀みかがみ・しばき「あ〜、私は教育実習生の……」
斬子きりこ「よし、とっとと入って来い」
縛紀しばき「ちょ、ちょちょちょ……自己紹介させてくださいよ」
斬子きりこ「ん?……そんなことしなくともみんなお前の事知ってるだろ」
縛紀しばき「いやいやいや……」
 過去を変えちゃった(正確には正しく戻った)ので初対面になっちゃいましたから……とはいえないが
斬子きりこ「はぁ……TVドラマ、高校教師に憧れて教師の道を歩むとか言い出したんだろ?」
縛紀しばき「え?」
斬子きりこ「何だ?急に驚いて」
縛紀しばき「ど、どうしてそのことを……」
 過去を変え、そして、再び正しく戻った今、それを知っている……いや、覚えている人はいないはず
斬子きりこ「……そういえば、なんで知ってるんだ?」
 なんでそんなことを思ったんだろうとと首を傾げる斬子きりこ
縛紀しばき(……まさか……)
 この女性……リーディングシュタイナーの持ち主だとでも言うのか……
生徒「先生、そんなことよりも、転校生!」
斬子きりこ「おお、そうだった……」
縛紀しばき「だから自己紹介させて!」
 朝の教室に、縛紀しばきの悲痛な叫びがこだまする

#2
 まぁ、軽くイジられる縛紀しばきは放置して、いよいよ、噂の転校生、参上
一同「ユ、ユリア〜〜〜ッ!」
 入ってきた彼女を見て、突如一行は席を立ちそう叫ぶ
斬子きりこ「なんだ、紹介するまでもなかったか……こちら、ユリア・キドニーだ」
 なお、ノリとイキオイで叫んだわけではなく、転校生の彼女……それがとある核の炎に包まれた後も人類は生き
ていた……という世紀末救世主伝に出てくる南斗最後の将にソックリな女性だったからである。
 そらユリアと叫びたくもなるよ……
斬子きりこ「あ〜〜、ユリアはサザンオルステラ皇国の姫君だそうだ……」
 だから、彼女に手をだすとサザンオルステラの者に一族郎党抹殺されるから注意するように……とトンでもない
脅しをかける斬子きりこ。
 そんな紹介をされては誰も声を駆ける勇気が出ない……
斬子きりこ「でだ、彼女はある目的のためにこの日本にやってきたんだそうだ」
生徒「ある目的ぃ?」
 それは一体何なのか?
ユリア・キドニー「はい、実は私、妹を探してここまで来たのです」
 と、ユリアは懐から取り出したLの字を模した十字架ロザリオを握り締めながら呟く。
柊木冬「ええと、その十字架ロザリオは?」
ユリア「はい、このエル・ロザリオは妹の……ものです」
楸木秋「そうなんだ……妹さんはどのような?」
ユリア「……」
 秋の問いかけに対して沈黙するユリア
春「……ええと……あの……」
ユリア「……それが、分からないんです……」
 妹がいるということだけが分かっているんですが……とユリア。
 そんなユリアの台詞に一行は、幼いころに行き別れた妹がいるものだ……と……ならば、協力しようではないか
と立ち上がる。
白拍子かんな「……」
 しかし、そんな中、かんなだけが持ち前の超運でソレが何を意味するのかを理解したのだが、今は黙っておこう
とそれを心の内に仕舞いこむことに……
 ……そう、命を燃やすな、怒りを燃やすな、今が、その時ではない!
※なぜに『今がその時だ!』の歌詞の冒頭の逆?
楠木南「ま、まぁ、なんだ……ともかく、何かあったら私達を頼ってね」
 そのまま私は南とサラっと声を駆ける南に、さすが武芸百般なんでもこなす楠木家の末裔……そこにシビれる、
アコがれるぅ!と一同が間違った歓喜
ユリア「南……あ、あなた……いえ、貴方様が南様であらせられるのですか?」
 そして、次の瞬間、なぜかユリアが南に平伏しだす
一同「はい?」
 さすがにこれには南も驚きを隠せない。
 まぁ、南が悪乗り上手な人だったら『うむ、苦しゅうない、面をあげい』などと言い出したところだが、生憎、
南は悪乗りが上手ではなかった。
南「え、ええ?えええ?」
 サザンオルステラ皇国と楠木家……いや、楠木南には一体どんな秘密が隠されていると言うのか?


続

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