Eighter -Practical Era-
14ther 〜科学者はときに笑う A〜



#0
 ある日、天四斗あまよと工業にやってきた教育実習生、壬屈縛紀みかがみ・しばき……
 彼には重大な秘密があるらしく、裏世界の人間からもつけ狙われているようだ……
 そして、裏世界の人間が関わっているとも知らずに、夏、南は縛紀しばき奪還に向けて勝手に動き出すことに……
 果たして……

#1
 天四斗あまよと工業、3-J
榎木えのき夏「と、いうわけで」
楠木南「かんな、早速リベンジに行きたいから例の怪しい漢がいる場所、教えてくれない」
 早速かんなの超運を頼る二人
白拍子かんな「それはちょっと……」
 流石にかんなも裏世界の人間の元へ友達を活かせるわけにもいかず答えられない
南「どうして?」
 かんなだって私の強さは知ってるでしょ?と南
かんな「……でも、相手は、裏世界の人間だし」
一同「裏世界?」
 かんなの発言に一同仰天
夏「裏世界って……あの、裏世界だよね?」
楸木ひさぎ秋「裏世界ってのがいくつもあるとは思えないけど……」
 多分、その裏世界なんじゃない?と秋
品辛斬子ぴんから・きりこ「なんだ、アイツ、裏世界の住人に喧嘩売っていたのか……」
 随分と豪気な奴だな……と呑気な斬子きりこ
夏「さ、流石に裏世界の住人が相手ってなると……」
 かんなから得た真実を元に意気消沈する夏
 そして、よく裏世界の人間と関わって無事に帰ってこられたものよね……と安堵というか、ガクブルしだす春夏
秋冬の面々
南「……夏、貴方から見てその裏世界の人間ってどんな感じだった?」
夏「どんなって……出来れば二度と関わり合いたくないって感じ……」
南「そう……」
 教育実習生をとるか、日常を取るか……
 それは究極の選択……と言うわけではないけれど……
南「楠木家の者としては裏世界の人間を圧倒出来て初めて一人前……なんだけど……」
 夏がそこまで言う漢……流石に今は時期尚早か……と南
 ってか、どうにか出来そうと思ったら迷わず突撃するつもりだったのか……
斬子きりこ「よし、あいつのことは生徒に手を出して懲戒免職処分を喰らったと思って心の片隅に覚えておこうではない
か」
一同「いやいやいや、何トンでもないこと言っているんですか……」
 それ、良い話だったな〜とかそんなほんわかとした気分にもなれないじゃないですかと生徒一行
斬子きりこ「何を言うか……あいつはTVドラマ、高校教師に感銘を受けて教師になろうとした漢だぞ?」
秋「いや、まぁ、それを言われると、そうなんですけど……」
 余りにも不憫だな……と思う一行であった。
斬子きりこ「さ、そんなことよりも授業を……」
 珍しく真面目な発言をする斬子きりこ
斬子きりこ「いや、やっぱやめておこう」
一同「なぜそこでやめる?」
 アンタこそ教師失格じゃないか……と思う一行であった。

#2
 さて、一方その頃……裏世界の住人にとっ捕まってしまった教育実習生はどうなったかというと……
所興信さきのぶ「どうあっても我ら紅キ翼ヴァーミリオンウィングに力を貸すのを拒むというか」
壬屈縛紀みかがみ・しばき「当然……貴様らに力を貸す位ならば死を選ぶ」
*「コイツ……」
 いいだろう、だったらお望み通り殺してやるぜと拳銃を突きつける部下
興信さきのぶ「待て待て……」
*「し、しかし……」
興信さきのぶ「コイツは殺すには惜しい逸材……」
*「ですが……」
 コイツが死ねば我々が欲しかったブツは未来永劫手に入らん……それが分からんか!と喝を入れる興信さきのぶ
一同「は、はは……す、すみません」
 出過ぎた真似を……と拳銃を突きつけていた男性は拳銃を近くの机の上に置く
興信さきのぶ「だが、このままでは済まさん……」
縛紀しばき「ハッ……どうするというんだ?」
*「はっ……そうですよ……」
 と、その時、部下の一人が何かを閃く
興信さきのぶ「どうした?」
*「こういうのはどうでしょう?」
 そして、そのままヒソヒソと何かを呟く
興信さきのぶ「ほぉう……そいつは面白い……」
 ニヤリと笑みを浮かべ、興信さきのぶ縛紀しばきに立ち向かう
興信さきのぶ「どうやら、貴様は教師と称して学校に忍び込んでいたそうではないか」
縛紀しばき「はっ」
 その発言……そして、これから繰り出されるであろう言葉に顔面蒼白となる縛紀しばき
縛紀しばき「や、やめろ……」
興信さきのぶ「ん?何がだ?」
縛紀しばき「お、俺の生徒に手を出すんじゃない!」
興信さきのぶ「これはイマシメよ……貴様が協力しないのならば、貴様の教え子のむくろの一つでも……」
縛紀しばき「わ、分かった……協力する……」
 そこまでされれば、もはや折れるしかない……
興信さきのぶ「フッ……だが……ちょっと遅かったな……」
縛紀しばき「ま、まさか……」
 既に天四斗あまよと工業へ魔手は解き放たれた……
縛紀しばき「貴様……貴様ぁ!」
興信さきのぶ「フッ……フハハハハハ……フハァ〜〜〜ッハッハッハッハ!」
 さぁ、我らが野望の為に粉骨砕身して働いてもらうぞ……と興信さきのぶ
縛紀しばき(クッ……どうすれば……どうすればいいんだ……)
 天四斗あまよと工業に忍び寄る魔手……
 夏と南がそれを無事に退けることとなり事なきをえるのか……
 それともかんなの超運により魔手が自滅してしまうのか……
 そして、紅キ翼ヴァーミリオンウィングの目的とは?縛紀しばきの正体とは……
 全ての謎は作者の気分次第でどうにでもなります……
※いや、そんな身も蓋もない事を……

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