Eighter -Practical Era-
13ther 〜科学者は時に笑う C〜



#5
 ある日、唐突に天四斗あまよと工業にやってきた教育実習生……だが、彼はストーカーの被害に遭っていた?
 かくて、彼の悩みを解決するべく春夏秋冬は立ち上がったのだった。
楸木ひさぎ秋「まずは、住んでるところを尋ねてみるのがいいと思うんだけど」
柊木ひいらぎ冬「でも、住所知らないよ……」
樫木かしぎ堅「フッ、今度こそ天四斗あまよとの逆コナン……」
椿木つばき春、榎木えのき夏、秋、冬「アンタは黙ってて」
 と、いうか、まだいたの?的な扱い
夏「あ、先生」
 と、そんな折、ナイスな展開……じゃなく、ナイスなタイミングで天四斗あまよとのDr.キリコこと品辛斬子ぴんから・きりこ参上
品辛斬子ぴんから・きりこ「ん?どうした?」
秋「あの教育実習生の住所って分かります?」
斬子きりこ「私はこう見えてあまり面白くない個人情報は開示しない主義でな……」
春、夏、秋、冬「……」
 簡単に言うと、知らないということだった。
※ってか、面白かった個人情報勝手に公開するのかよ!それはそれでどうなんだ
 まぁ、彼女はアテにならないので春夏秋冬の一行は職員室にて知っている人がいないか確認してみることに
 天四斗あまよと工業、職員室
斎秀帝璃さいしゅう・ていり「ん?教育実習生の壬屈縛紀みかがみ・しばきの住所?」
夏「あ、はい」
帝璃ていり「彼の住所をyだとするとy=x3+2x2+……」
一同「なんで数式?」
 それは春夏秋冬のみならず、職員室にいる全員の盛大な突っ込みだった。
帝璃ていり「私にも分からないことはある」
一同「だったら、最初からそう言ってください!」
 役に立たないとは思われたくない教師、それが斎秀帝璃さいしゅう・ていりであった。
 ……なお、余談だが、他の教師に聞いてみても、やはり彼の住所を知るものはなかった。
秋「参ったわね……」
夏「まさか、行き詰ってしまうとは……」
堅「フッ、こんな時こそ……」
春、夏、秋、冬「帰れ!」
 職員室のドアを開けて殺ってきた堅を一瞬で職員室の外に閉めだす春夏秋冬。
※ってか、職員室の誰も知らないってのはおかしくないかね?
斬子きりこ「やれやれ、まだ彼の住所が分からないのか……全く、仕方がないな……」
 と、そこへ斬子きりこが職員室にやってきて、自分の席に着席すると、同時に机の引き出しを開き、一枚の書類を春夏
秋冬に差し出す
夏「ん?これは?」
斬子きりこ「彼の個人情報だ」
一同「いやいや、サラっと個人情報を生徒に見せないでくださいよ」
秋「ってか、住所のデータが無いんだけど……」
 その個人情報のシートには彼の名前や学歴、そして、なぜか性癖が書かれていたものの、住所や連絡先は記載さ
れていなかった
斬子きりこ「ああ、道理で彼の住所を覚えていないわけだ……」
 知らないものは覚えようがないからなと豪語する斬子きりこ。
 いや、それもどうなのか……
春「はぁ……」
 もはや、ここまで来るとあとはかんなの超運を頼るしかない……
 と、言うわけで、春夏秋冬の一行はかんなを尋ねて三千里(いや、三千里も探さないけど……)

#6
夏「もしもし、南……」
 とりあえず、南ならかんなの居場所とか連絡先を知っているだろうと、早速夏は南に電話
楠木南「ん?何……また勝負でもするの?」
夏「いや、そうしたいのもやまやま何だけど」
 いやいや、そこは違うでしょ!と三人
夏「かんなの場所知らない?……ってか、連絡先でいいんだけど」
南「あ〜、はい、かんな」
秋「って、傍にいたのかよ!」
白拍子かんな「はい、もしもし、壬屈縛紀みかがみ・しばき先生の住所ですね?」
夏「あ、うんそうそう、流石かんな」
 話が早くて助かる……というか、超運凄まじ……
 と、言うわけで、早速春夏秋冬は教育実習生の住所をゲット、その足でそこへと向かうのであった

 天四斗あまよと、郊外のとあるマンション

冬「ほぅ、いいところに住んでいますな……」
春「ま、早速お宅訪問」
*「あら?貴方達は……」
 と、マンションの管理人さんらしき人物が春夏秋冬の前にやってくる
秋「……ええと、このマンションの管理人さんでしょうか?」
*「ええ、そうよ」
 入居者かしら?との問いかけに違いますと春夏秋冬
*「壬屈みかがみ……縛紀しばきさん?」
夏「はい……」
*「すみませんね、出かけているみたいで……」
秋「出かけてる?」
*「ええ、そうなんですよ……」
 またしても逢うことは叶わず……
 仕方がないので一旦帰ろうとマンションを後にする一行
 ……すると……
*「君たちは、壬屈縛紀みかがみ・しばきの知り合いなのかね?」
 突如謎の人物に声をかけられる
春「誰ですか?アンタ?」
*「……私はこういうものでして……」
 懐から名刺を取り出し春夏秋冬に渡す漢
春、夏、秋、冬「所……興信さきのぶ……探偵?」
所興信さきのぶ「実は、さる筋から彼の素行調査を頼まれましてね……」
 しかしながら、彼は行方不明に……そこに貴方方が尋ねてきたので、何か知っていることでもあるのではないか
と思った次第ですよ……と興信さきのぶ
夏「ふぅん……」
秋「……あなた、本当に探偵ですか?」
春「ちょ、秋、何言って……」
 秋の唐突な疑問に思わずぎょっとする春
興信さきのぶ「よく言われます……探偵としての覇気ってものが無いんですかね」
秋「そうじゃなくて、興信所なんて馬鹿にしたような名前……どう考えても偽名でしょ」
春、夏、冬「こうしんじょ……?」
 興信所……それは探偵事務所のことを指す。
 そして、興信所をもじった……ってかそのまんまな名前に秋は思わず疑問を投げかけるのであった
興信さきのぶ「フッ、どうやら少しは頭の回るガキのようだな……」
 一瞬で看破されたことにより、一瞬で気配が変わる……虫も殺せない大人しい気配が一瞬で殺人鬼のソレに……
夏(こいつ……)
 よもや、こいつが件のストーカーなのか……


続

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