Eighter -Practical Era-
12ther 〜刃に秘めたるはおもい C〜



#5
 剣術の砕天さいてん、天下布武杯……ちょっとしたアクシデントにも見舞われたがいよいよ最終決戦の火蓋が切って落と
される……果たして、優勝するのは誰だ?
織田かずさ「はい、みなさん、天下布武杯もついに最終局面に入りました……まずは、予選を勝ち抜いた猛者ども
に盛大な拍手を」
一同「うおおお〜〜〜!」
徳川りりか「まずはAブロック優勝者……セクハラ攻撃には屈しない、鋩金芒ほこかね・すすき鋩金芒ほこかね・すすき「どんな紹介の仕方よ!」
 文句を言いつつ会場の東口よりすすき参上。
りりか「続いてBブロック優勝者……カラテスタイルキラーエイプ、羽柴えいぷ」
羽柴えいぷ「いや、空手家じゃないからね!私」
 文句を言いつつ会場の西口より登場するは優勝者無しのBブロックに飛び入りで参加することとなったえいぷで
ある
※ってか、『カラテスタイルキラーエイプ』って……ブリーチの……
えいぷ「つ〜か、アンタ私の事嫌いでしょ!」
りりか「そんなわけないじゃん、大好きよ」
えいぷ「嘘、おっしゃい!」
りりか「酷い……私、えいぷのことは、例えるならば……イケナイことだって分かっているのにズルズルと弟と肉
体関係にオちていく姉の、弟に対する愛情位に好きなのに」
えいぷ「そんな好意いらんッ!」
 と、いうか、それはどれくらい好きなのかいまいちよくわからないし……
りりか「さて、続きまして次はCブロック優勝者……先祖はかの有名は楠木正成……楠木家次期当主、楠木南でご
ざいます」
 何事もなかったかの如く進めるりりか
楠木南「楠木家の名にかけて優勝めざすわ!」
 北口より登場する南
 ……他の二人と違って紹介が真面目である……
りりか「そして、最後、Dブロック優勝者……どうぞ」
榎木えのき夏「え?……あれ?私、何も紹介ないの?」
 目をぱちくりしながら南口より夏参上
品辛斬子ぴんから・きりこ「しかし、てっきり南は南口をあてがわれると思ったんだがな……」
生徒「いや、その気持ちは分かりますけど……」
斬子きりこ「まぁ、それを言うなら夏が南口ってのもあるいみ適当か……」
※ここで言う『適当』とは『いいかげんな、ちゃらんぽらんな』……という意味ではなく、『真っ当な、的確な』
 という意味である。日本語って難しい……
生徒「え?」
 教師の発言にぽかんとする一行
斬子きりこ「おいおい、お前ら……はぁ、仕方がない、かんな、私が許す、みんなに教えてやれ!」
一同(だから、なんでそんなに上から目線?)
白拍子かんな「夏と方角と言えば……四神ですね。北が玄武、西が白虎、東が青龍、そして、南が朱雀」
生徒「ああ、思い出した、朱雀が夏を司るってアレか……」
杭木亢くいぎ・こう「うむ、そして中央に座すのが黄龍こうりゅうである!」
一同「はいはい……」
こう「ちょ、俺だけなんか扱いおかしくね?」
斬子きりこ「おい、静かにしろ、決勝戦始まるぞ……あまり五月蠅いと来年も同じ学年に留学させるぞ」
こう「……ってそれ留学じゃなく、留年じゃないかぁ!」

#6
かずさ「じゃ、天下布武杯最終局面……は〜じまるよ〜」
 なぜにそんな言いまわしなのか……
南、夏「はああ!」
 そして、開始の合図と共に飛び掛かる夏と南……湾竹刀と竹鉾しなむとが激突し、衝撃で旋風が巻き起こる
えいぷ「くっ……」
すすき「すごい……」
えいぷ「ほらほら、余所見してる場合じゃないわよ」
すすき「くっ」
 見とれている場合ではなかった。えいぷの竹刀がすすきを襲う……が、これを何とか回避
えいぷ「やるじゃない……でも、次はかわせないわよ」
 まずはすすきをターゲットに選んだえいぷはそのまますすきに突撃をかける
すすき「くっ、天四斗あまよと工業剣道部、部長の名に懸けて、あなたに勝つ」
 とりあえず距離を置いて体勢を立て直そうとするすすき
えいぷ「あまい!」
すすき「はっ!」
 しかし、えいぷの猛攻は緩まない。とにかく、真っ先にすすきを打倒して他の二人を倒そうとしたのだが……それが
マズかった……
 ドカバキッ
夏、南「あ……」
えいぷ「きゃうんっ?」
 ちょうど突撃したその場所に……南と夏の渾身の一撃が繰り出される。
 と、言うか、南と夏の激突の地点に、えいぷが割り込む形で突撃……結果、南と夏の一撃を無防備に喰らってし
まうえいぷであった
りりか「おっと、何と言うことでしょう……早くもBブロック優勝者、えいぷが脱落いたしました」
一同「……」
 そして、この時点で、残り三人のうち、誰が勝っても天四斗あまよと工業が優勝ということが決定したのだった
南「なるほど……」
夏「ははぁ〜〜ん」
 更に言うとえいぷの自爆に夏と南は共に同じ考えに至った
すすき「……え?」
南、夏「行くわよ、すすきすすき「はい?」
生徒「共闘ってか……」
こう「だが、確かに、夏と南は実力伯仲……ならば、その均衡を崩すには他者との共闘しかあるまい」
生徒「問題は、すすきがどっちに組するかって話だが……」
かんな「……」
 このとき、かんなは既にすすきの命運を超運で察知した
 一体何を察知したのか……それは今はまだ言えないけど……
南「いい、すすき……今から私の言う通りに動いてね」
すすき「え?」
夏「すすき……あんなのの言う通りに動いちゃダメよ……私の言うことを聞いて」
すすき「あの……」
 そして、最早、すすきに拒否権などない……
 果たして、この死合、どう転ぶのか……


続

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