Eighter -Practical Era-
12ther 〜刃に秘めたるはおもい B〜



#3
 剣術の砕天さいてん、天下布武杯……それは表の世界の剣術大会である
 だが、しかし、この大会に裏の世界の殺し屋が出場していることが判明……どうしたものかと考えていると、そ
こへ謎の人物が参上、どうにかすると言い出すのだが……
 一体、彼は何ものなのだろうか……
※鋭い人は既に彼の正体が分かっていると思われます……
羽柴えいぷ「どうしたの?」
 急いで部屋の中に戻るえいぷ
徳川りりか「こ、これ……」
 先ほどふらっと現れた男がこの場所から消えたと思った次の瞬間、予選Bブロックにその男が出現したというの
だ……
 時間的にありえない出来事に、りりかは思わず驚きの声をあげたという
織田かずさ「なっ、彼って……さっきの……」
えいぷ「うそぉ……ここからどんなに急いでも十分はかかるのに……」
りりか「い、一体、彼は何ものなのよ?」

 予選Bブロック決勝

鴉玖靖伝あきゅう・せいでん「ハッ、所詮はこの程度か……」
*「じゃ、次は俺が相手だよ」
靖伝せいでん「な、何だ、貴様?」
 突如、会場に出現した謎の男を前にはっと驚きの表情を浮かべる靖伝せいでん
 無理もない、裏の世界の殺し屋として名をあげてきた靖伝せいでんが……奴に話しかけられるまで奴の気配を察知できな
かったからである
*「ん?俺……ええと……ちょっと待ってね、思い出すから」
靖伝せいでん「普通自分の名前忘れないだろうが!」
*「あ、思い出した……大会運営本部に依頼されてアンタを排除しておけって言われたんだった」
靖伝せいでん「しかも、思い出したのは名前じゃなく、任務かよ!」
 まぁ、いい、貴様がだれであろうと殺す!と一足飛びにかかる靖伝せいでん
 ボッ
靖伝せいでん「な……何ぃ?」
 振り下ろされた竹刀……技をもってして相手を両断する靖伝せいでんにとってこの斬撃は致死の一撃……
 その一撃を喰らえば死あるのみ……と勝利を確信した靖伝せいでんであったが、竹刀は男に触れるちょっと手前で突如と
して炎に包まれる
*「残念でした」
 べっと舌を出しておちょくる男
靖伝せいでん「ッ!」
 そのとき、靖伝せいでんは閃く……というよりは、はっと思い出す……この欠伸ばっか出す万年寝不足のような天然ボケ
のことを……
 彼は裏の世界でも有名な人物……
※裏の世界でも有名な人物ではありますが、裏の世界の住人ではない……というなんとも謎な人物、それが彼
靖伝せいでん「炎の天然殺人機お気楽マーダー……」
*「ん?……なに、それ、おいしいの?」
 ボボッ
靖伝せいでん「ごがああああっ!」
 次の瞬間、靖伝せいでんは炎に包まれ跡形もなく燃え尽きてしまう
*「ふぁ〜〜……帰って寝よ……」
 そして、彼は何事もなかったかの如く、その場を後にするのであった

#4
かずさ「……」
 そして、一部始終を目の当たりにしていた一行はというと……
りりか「な、何あれ?」
えいぷ「ってか、排除したらサラっと居なくなってるし……」
かずさ「……ま、まぁ、アレね……終わりよければすべてよしって感じ」
りりか「ああ、天下布武杯だけに?」
かずさ「……尾張は関係ないからね……」
 誰もうまいこと言ってないよ……とかずさ
りりか「はっ、そんなことよりもBブロックどうするの?」
えいぷ「え?どうするって?」
 既に予選Aブロック、予選Cブロック、予選Dブロックは優勝者が決まっており、あとは予選Bブロックの優勝者を
待つばかりである。
 と、言うか、A〜Dのブロックの優勝者四名が本戦にて激突するというのがこの剣術の砕天さいてんであるのだが……最早
Bブロックに人員はいない……
かずさ「今回、Bブロックなんてなかった……なんてのどう?」
えいぷ「いや駄目でしょ……」
りりか「じゃ、Bブロックは敗退しましたってことで……」
 なぜかようせいさんがそこいらにいるのではないかみたいな感じで呟くりりか
えいぷ「それもどうかと思うわ……」
かずさ、りりか「じゃ、どうするの?」
えいぷ「……ここは私が出るしかない!」
かずさ、りりか「……」
 話はまとまった……のだろうか?
 ちなみに、信長、秀吉、家康とかけまして不如帰ホトトギスと解く(?)という問いがありまして
※いや、そんなお笑いみたいな感じじゃないでしょ……
 信長は『鳴かぬなら 殺してしまえ 不如帰ホトトギス』
 秀吉は『鳴かぬなら 鳴かせて見せよう 不如帰ホトトギス』
 家康は『鳴かぬなら 鳴くまで待とう 不如帰ホトトギス』
 という三者の答えがあるのだが……これが、子孫たる、かずさ、えいぷ、りりかの場合はどうなのかと言われる
と……
 かずさは『鳴かぬなら 鳴いたと思おう 不如帰ホトトギス』
 えいぷは『鳴かぬなら 代わりに鳴こう 不如帰ホトトギス』
 りりかは『鳴かぬなら どうでもいいや 不如帰ホトトギス』
 となる……
 だからこそ、Bブロックの人員が居なくなった際にBブロックなんてなかったと言い出すのがかずさで、じゃ、代
わりに自分が出ると言い出すのがえいぷで、どうでもいいって感じなのがりりかなのである
※ってか、なぜいきなりこんな関係ない話が……
かずさ「で、あるか……ならば、任せたわよ」
りりか「言ってきなさい、骨は拾ってあげるわ」
えいぷ「いや、決死の特攻ってわけじゃないからね!」

 ……と、いうわけで、急遽予選Bブロック枠として天下布武杯に参加することとなったえいぷ
 果たして、彼女はどんな活躍を見せるのだろうか……

 そして、大会はいよいよ涙最高へと突き進むのであった
※『クライマックス』を無理やり翻訳しないでください

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