Eighter -Practical Era-
12ther 〜刃に秘めたるは想 A〜
#0
剣術の砕天(、天下布武杯……それは戦国時代、織田上総介(信長が開始したという剣術大会……
信じるか信じないかは貴方次第です。(をい)
と、そんなことはどうでもよく、その剣術大会に天四斗(工業、剣道部が出場することになり、早速剣道部部長の
鋩金芒(は助っ人として夏と南に依頼するのであった……
#1
予選Aブロック決勝戦
*「貴様が俺の相手か……」
鋩金芒(「……え、ええ私は天四斗(工業、剣道部部長の鋩金芒(」
*「まさか決勝戦の相手がこんな小娘とは……」
はぁとため息をつく男性……
彼も彼で浅葱(色にだんだらの羽織りを着て、背中に誠の一文字を背負っていた
*「……俺は、井上源次……」
もはやここまでくれば展開は同じ。
何を隠そう彼も新撰組の子孫。
彼の子孫は新撰組六番隊組長、井上源三郎である
井上源次「まぁ、いい、お前もなかなかイイ女ではないか……これは勝った時が楽しみだ……デュフフフ」
芒(「……ど、どうして私の対戦相手は揃いも揃ってヘンタイだらけなのよぉ!」
魂の叫びが会場に谺する。
最初の対戦相手が因縁ある天四斗(商業のヘンタイだったのだが……彼女の対戦相手がヘンタイだったのは何もそ
れだけではなかったのだ……
次々と襲いかかるヘンタイどもから操を死守しつつ彼女はここまで勝ち進んできた……
最早これは運が悪いとかそういうレベルではない……
これが彼女の宿命なのかもしれない
※そんな宿命、嫌過ぎる……
源次「イヤよイヤよと言う相手を屈服させて自分から誘わせるように仕向けるのも一興……来い、小娘」
芒(「……なんだかどうにも行きたくないのは気のせいじゃないわよね……」
源次「来ないと言うのならば、こっちから行くぞ!」
にじりにじりと距離を詰める源次
それは獲物に襲いかかる剣客の足運びなんかではなく、女に襲いかかる淫らなケダモノの足運びであった
※駄目だ、こいつ、早く逮捕(しないと……
源次「天然理心流、袖落とし」
ザザンッ
芒(「え?」
突如間合いを詰められたかと思いきや次の瞬間、源次の竹刀が芒(の両腕を切断する……かに思えたがしかし、斬
撃は芒(の剣道着の袖だけを見事に切断していた
源次「続いて袢内晒(し」
ドンッ
竹刀の刺突が芒(を貫通したかに思えたが、しかし、そんなことはなかった……
竹刀が貫いたのは芒(のブラジャーのみ……
芒(「って、キャ〜〜!」
女性を辱めるためだけに剣術を磨いた男、源次……こいつ、痴漢で逮捕できないかな……
源次「フフン、次で最後……袴内晒(し」
先ほどの袢内晒しがどういう原理でか女性を貫通し、ブラジャーだけを器用にはぎ取る技ならば、こちらの技は
言うまでもなく……
ゴキンッ
源次「ふげはっ?」
だが、次の瞬間、会場の照明がひとつ落下、源次に直撃……
実にあっけない幕切れであった……
芒(「え、な、何が……」
かんな、助けて……と神にも祈る心境で祈ったら通じた……と、そんな感じである。
……なお、余談であるが、この性犯罪者もとい、源次はその後、今大会に出ていた新撰組の末裔二人を毒牙にか
けオとし、そのまま自分の欲望のままにふるまいつつ、さらなる欲望のために女性犯罪者だけを執拗に狙って更生
させる組織を創り出すことになるのだが、それはまた別の話である
#2
さて、天下布武杯が滞りなく進む中……予選Bブロックは一体どうなっていたのかというと……
*「かずちゃん……大変よ」
織田かずさ「何?どうしたのよ?」
運営本部に慌ただしく入ってくる一人の女性。彼女はかずさの友達の徳川りりか
徳川りりか「予選Bブロックの映像を見て!」
そして、彼女は予選Bブロックの映像を映し出す
*「フン、つまらんな……」
*「ああ、ぐああああっ……な、なんだ……こいつ、強すぎる……バケモノか?」
そこには左腕を切断され、苦しみ悶える選手とそれをつまらなそうな目で見る選手の姿が映し出されていた
かずさ「なっ、なにこれ……真剣を持ち込むのは禁止のはず……」
りりか「ちがうの、かずちゃん……あれは竹刀で両断されたのよ」
かずさ「なんですって?」
優れた武人は武器ではなく、技で切断するとはよく言ったものであるが……
*「しかも、彼……裏の世界の殺し屋……」
さらに部屋に入ってくる女性……彼女もまたかずさ、りりかの友達で名を羽柴えいぷと言った
かずさ「裏の世界の?」
※羽柴えいぷ……ん?『エイプ』って猿のことじゃないかね……とか言わないように
りりか「ええ、調べた結果、彼の名前は鴉玖靖伝(」
羽柴えいぷ「数年前、楠木家当主の轟(に敗北を喫したことから彼を怨み、お礼参りとして天下布武杯に参加してい
るようです」
かずさ「くっ、これは見逃せないわね……」
裏の世界には裏の世界の暗黙のルールとして表世界に干渉しないという不文律がある……靖伝(はこの禁を破って
まで表世界に干渉し、楠木轟(を葬らんとしているのだ……
最も、今大会に轟(は出てませんけど……
かずさ「このままでは天下布武杯は血に染まってしまう……」
いや、既に被害者が出ているから血に染まっている気がするんですけど……
*「つまり、アレを斃せばいいんだね……任せて」
かずさ、えいぷ、りりか「なっ、だ、誰……?」
そして、その時、突如部屋に謎の声が響く……
三人が振り向くと、そこには欠伸を噛み殺しつつぼけっと突っ立っている下駄をはいた和装の男性の姿が……
えいぷ「あなた……誰?何ものなの?」
*「ええと……」
そのまま考え込む謎の男性……こいつ、大丈夫か?
*「とりあえいず、行ってくるね〜」
結局、自分が何者なのか名乗りもせず、その男はカツカツとその場を後にする
えいぷ「いや、ちょ、ちょっと待ちなさいよ」
男が去った後、部屋を飛び出して彼の正体を問いただそうとするえいぷ……しかし、廊下のどこにも彼の姿を見
つけることは出来なかった
えいぷ「あれ?」
りりか「ん?」
そして、次の瞬間、部屋の中からりりかの怪訝な声が……
一体、何があったというのか?
続
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