Eighter -Noble Gathering-
54ther 〜けいは黄昏に夢想う A〜



#0
偶然、けいの愛用の武器、炎双刃を手に入れた藤次は……募るけいへの怨みを晴らすべく、けいに挑戦状を叩きつける
そして、けいはなんともやる気がなく、もう炎双刃あげるから、帰って寝ていい?とか言い出す始末だったが……
なんとか引き留め死合は始まった……
しかし……けい、藤次の前に砕かれる……

#1
けいは藤次に斃され……そのまま眠るように……と、言うか実際、昏睡状態に陥っていた……
天然蛍あましか・けい「……ん、むぅ……ここは!?」
……そして、けいが目を覚ますと……そこは現実世界ではなく……
*『こうやって、向かい合うのは初めて……か……』
けいの眼の前には1人の女が立っていた……
いや、彼女から放たれる神々しいは……彼女が人ではなく、神であることを物語っていた……
けい「……で?」
しかし、けいはどこへいってもけいである、相手が神だろうが悪魔だろうが、自分を崩さない……それはけいの長所でも
あるのだが……空気読めない……とも言う
けい「……ええと、何の様なのかな……―――……」
*『流石……我の名を知っている……か……やはり、お前は……』
けい「……まぁ、そんなことよりも、戻らなきゃいけないんだけど……」
*『……だが、今更戻ったところでお前に勝ち目はないはず……』
けい「う〜〜ん、まぁ、そうなんだけどねぇ……でも、それでも、戻らなきゃいけないんだよね……」
たまにはこんなときもある……と能天気に唱えるけい……能天気というか、底抜けの馬鹿である……
けい「あ、じゃあ……何か武器とかないの?」
*『……フ……』
神を前にしてこの堂々たるや……これこそけいの真骨頂……
*『生憎だが、我らは人に貸せる神器を持ち合わせておらん……』
けい「う〜〜ん、困ったなぁ……」
困ったなぁ……といいつつ、その実全然困った風に見えないのがけいの凄いところである
けい「でも、いつまでも待たせると後が怖いしなぁ〜」
後が怖い……というのは勿論、かいの突っ込みのことである……
けい「ねぇ、本当に、武器になりそうなものはないの?」
*『……』
それでもなお、無邪気に問いかけるけい……
*『……だが、お前はこの世界の主である……ならば、お前が望めば……あるいは……』
けい「ん?……そっか……そうなんだ……」
そして、けいはそのまま踵を返す
けい「じゃ、もう、行くね……また会おうね……―――……」
そして、けいはそのままその世界から去っていく……現実世界へと戻るべく……

*『……やはり、あれは……面白い……我らが主が……"答え"として掲げただけのことはある……』
……そして、その声の主も、その場から消え去って行く……

#2
突込魁とつこみ・かい「!!!!」
現実世界……藤次の兇刃の前に死を覚悟したかい……
ガキンッ
だが、しかし、兇刃はかいを死へ導くことはなかった……
かい「????」
おそるおそるかいが眼を開けると……藤次の炎を纏った炎双刃の刃をけいが炎ので防いでいる
かい「け……けいけい「間一髪……かな?」
夏木藤次「けい……貴様!?」
藤次が驚くのも無理はない……先ほど、藤次のほむら一刀流を受け、衣装は焼け焦げ、全身にやけどと水ぶくれを
おこしていたけいが……まるで時間を巻き戻し方の様に衣装すら無傷で炎双刃を受け止めていたからだ……
藤次「この……死に損ないがッ!」
ゴッ
藤次「おおお!?」
力任せに押し切ろうとする藤次……しかし、けいに力任せに押し切られ、逆に弾き飛ばされてしまう
かいけい……?本当に……」
けい「ん〜〜、本当にって……どういう?まぁ、いいや……ど〜でも……危ないから下がっててね……」
かい「え?……あ……ああ……」
そして、再びかいは下がって観戦に撤する
藤次「貴様……どうやって……まぁ、いい……だったらもう一度、貴様を殺す!」
けい「無理だと思うよ……」
藤次「ほざけぇ!虚熔滅炎陣きょゆうめつえんじんッ」
ズドゴアアアアッ
無の炎で龍を虚ろの炎で虎を造り、再びあたり一面を焼き尽くす藤次
けい「……は夢にして夢にあらず、うつつにしてうつつあらず……幾億の夢幻を束ねる金色の長……」
かい「何だ?」
けいは一体何を?それは、かいならず、藤次も思う出来事であった……
藤次「変わった念仏だなぁ!オイ!」
けいの右に纏いしは紅き炎爪……燃ゆる紅蓮のかいな……」
ゴゴゴゴゴゴゴッ
けいの詠唱が進むにつれて、けいの右手に深紅に輝く炎が集結する
けい「夢炎の刃……真・炎双刃」
ボッ
そして、けいの右手には炎を象った……炎双刃に似た意匠の双身刀が出現する……
藤次「炎を集めて武器に!?……そんなもの、呼び醒ます記憶の籠手サモン・メモリアルからでは読みとれない……だが、もう、
 遅い!」
かいけい!」
確かに、襲い……今更武器を手にしたところで……既にけいには無の炎の龍、虚ろの炎の虎が襲いかかっている
のだ……
最早、けいに逃げ場なし……
藤次「そして、今度こそ死ね!炎水之極えんすいのきわみ!」
ドンッ
更に水の龍、炎の鳥を解き放つ藤次
ザガンッ
藤次「え!?」
かい「は?」
だが……その炎が、水が……けいに届くことはなかった……けいの新たなる刃……真・炎双刃の一閃が、全てを切り
裂き焼き散らしたのだ……
藤次「ば……馬鹿な!?」
けい「じゃあ、次は、こっちからいくよ……」
さぁ!ここからが反撃開始だ!


続

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