Eighter -Noble Gathering-
50ther 〜奪われた家屋と族 A〜



#0
不如帰ホトトギス……それは自分の子供を別の親の巣に紛れこませ、育児をしてもらうという習性を持った鳥……
そして、これは
『鳴かぬなら ○○○○○○○ 不如帰ホトトギス』というような事件。
※なお、『○○○○○○○』は『それでいいじゃん』とはなりません。殺人事件ですので

#1
東京都、多摩市、某所……
ゴウゴウゴウゴウ……
*「……」
燃え盛る一軒家……そして、それを呆然と見つめるしかない1人の女性……
全てはここから始まった……

東京都、多摩市、弾抹たまも家
*「さぁ、今日は豪華にお寿司よ〜〜」
この家の主、弾抹たまも葉子が特上寿司の出前を前に得意げに言う
一同「わ〜〜い」
喜びはしゃぐのは葉子の子供、宮美きゅうび禽網きんもうである
弾抹宮美たまも・きゅうび「海胆〜、海胆〜。蝦蛄しゃこ蝦蛄しゃこ〜リグシャッコ〜」
弾抹禽網たまも・きんもう「蟹味噌、白魚、シイラでガンス」
禽網きんもう「お母さん、こんなに高いお寿司大丈夫なの?」
弾抹たまも葉子「心配要らないわ。全部、お母さんに任せなさい……ほら、蝦蛄しゃこの特上寿司はまだいくらでもあるわ
 よ〜」
※特上寿司に蝦蛄しゃこなんてあるのか?
*「はぁ〜〜い」
……この、一見すると何の変哲もない家族……しかし、事件はこの一家で起きたのである……いや、既に起きて
いるのである……

数日後……

東京都、斉藤不動産
斉藤道九「何だ?前島一円ひとまは今日も休みか!?」
尾張兎搶うつけ「……そうみたいですね……」
道九「ええい、有休も悠久に取れるわけじゃねぇんだ……とっとと連絡しろ!」
※うわっ、ダジャレ!?
兎搶うつけ「ですが、一円ひとま氏の携帯はいくらかけても繋がらないんです。まるで、電源を切っているか、バッテリーの
 寿命のせいで充電しても無意味な状態にまで陥っているか、我々に内緒でコッソリ携帯を買い換えたかの
 ように……」
※2番目の理由はありえるのか!?……その前に買い換えろ!!
道九「このフール・オブ・ジ・エンド!!そういう時はイタ電……ん?違う、違う、家電だ!」
兎搶うつけ「あ、なるほど……って、すみません、私、一円ひとま氏の家電知りません……」
道九「……何?知らないのか?」
兎搶うつけ「は、はぁ、すみません……」
道九「ったく、このフール・オブ・ジ・エンドは……」
ブツブツいいながら道九は机の引き出しを開け、書類を探し出す。
※ちなみに道九の言う『フール・オブ・ジ・エンド』とは『終わりの馬鹿』……転じて『尾張のうつけ者』
 ……つまるところ、尾張兎搶うつけのことである。
道九「ホラ、これだ……これで探せ!」
兎搶うつけ「は……いっ?!」
しかし、渡されたものは道九の住所録ではなく、タウン○ージだった……
道九「どした?ま行は321ページ……一円ひとまは325ページの上から52番目に乗ってるぞ」
一同「いや、そんなページ数とか覚える位なら電話番号覚えましょうよ……」
一同、渾身の突っ込みであった

#2
ともかく、電話番号をゲットして早速家電にイタ電……じゃなく、普通に安否確認を行う兎搶うつけ
兎搶うつけ「斉藤不動産ですが、一円ひとまさんは……」
*「……けて……ください……」
なにやらやたらか細い声が聞こえる……
兎搶うつけ「はい!?あの……一円ひとまさんは……」
*「……助……けて……下……さい!!!……殺……される!!!」
兎搶うつけ「え!?……ちょ……どういう……」
プツッ……ツ〜〜ツ〜〜ツ〜〜
だが、そこで唐突に電話は切れてしまう……
兎搶うつけ「はい?」
道九「どうだった?」
兎搶うつけ「……それが……助けてください……と……言われ……さらに突然切れてしまいまして」
道九「何ぃ!?」
兎搶うつけ「社長……どうしましょう?」
道九「……フール・オブ・ジ・エンド……一円ひとまの業績は?」
兎搶うつけ「はい、えっと……うちの部署でトップです」
道九「よし、警察に連絡だ!」
一同(……)
もしや、いい業績を残せていなかったらバッサリ切り捨てるつもりだったのか?と一同は冷や汗が止まららない

そして、通報された警官が、前島家へと赴くと……
警官(ん?中川警部……なにやら先客がいますが……)
中川邦武ほうむ(むぅ……確かに……)
全く、誰だよ、俺達の手柄を横取りする不届きな奴は……と思いながら、一行は近付いてびっくりする
警官一同「かかかか……かっかっかっ……かみ警部ぅ!!?」
そこにいたのはかみ総介であった
かみ総介「遅かったな……お前ら……だが、本当にいい加減に俺に過剰に恐れるのはやめてもらおうか……」
邦武ほうむ「そ……それは……無理……な相談といいますか、何といいますか……」
警官「かみ警部は……その……何か……えっとですね……」
総介「……言いたいことがあるならハッキリと言え!」
ズゴゴゴゴゴッとオーラが迸る……
警官一同「ヒィッ……」
だが、それが逆に警官を黙らせるのであった……
警官(中川警部、ナゼ連絡が届いていないと思われるのにかみ警部が先に現場に到着しているんです!?)
邦武ほうむ(知るか!俺に聞くな!)
警官(大体、なぜかみ警部はいつもあんな人を殺せそうな気を纏っているんですか!?)
警官(かみ警部は……もしや、第三次世界大戦でも起こすつもり……いや、その最中でも生き残るつもり
 ですか!?)
警官(あ、ありうる……)
※おい、そこの無能警官……確かに、かんな達は核の花が咲く日曜日にでも神の力を借りて生き残ることは
 出来るかもしれないけど……じゃなくて……
……ちなみに、総介がここにやって来たのはもちろん真理の断片の見せた『未来』が要因であり……
は、いいとして……ところで、いつもいっしょにいる桜はいずこに!?


続

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