Eighter -Noble Gathering-
49ther 〜異常なる平等主義 B〜
#3
平等主義者……それは平均以外を認めない漢……彼は世界中の平均から逸脱した存在を抹消することに躍起に
なっている人物……
そんな危険な人物を野放しにできるわけもなく、総介は彼の撃退に立ちあがったのだが……
しかし、彼には2つの特異な能力があった……
1つ、相手を自分の能力と互角にする
1つ、互角の勝負なら負け知らず
東京都、某所
かんなは持ち前の超強運で平等主義者(、右辺(左之条の居場所を突き止め、颯爽と彼の元に走って行った
白拍子かんな「あなたが、右辺(左之条さんですね」
右辺(左之条「……君も平均じゃないね……」
超運を持つかんなは左之条から見れば完全に平均を逸脱した存在……ならば、抹殺対象になることは火を見るより
明らか……
かんな「……」
左之条の特異な能力により、持ち前の運をなくしたことを悟ったかんな……
更に、左之条と互角の能力故に、今のかんなは神滅超越者(も使えない……
だが、それらは全てあらかじめ予測済み……
だから、かんなはあらかじめ、木刀を持ってこの場にやってきたのだ……
左之条「ふ……いくぞ、平均からの逸脱者……」
そして、左之条もその辺におちていた棒きれを手に襲いかかる
かんな「はっ」
ガギッ
激突する木刀と棒きれ……
流石、左之条と互角の能力にされただけはあり、両者、組み合って一歩も動かず……
かんな、左之条「はっ」
そして、両者完全に同じタイミングで刃を引くと同時に、再び完全に同じタイミングで同じ軌道の太刀筋を放つ
ガガガガガガガガガッ
左之条「ふふん……」
余裕の笑み……それは互角の勝負なら負け知らずだからこその表情……
能力が互角の者同士の死合ならば……一瞬の油断が勝敗を決する……左之条に立ち向かった者は、誰しもそれを
知らない……だから、一瞬の油断が出来てしまう……
左之条が築き上げてきた不敗伝説にはこのようなカラクリがあったのだ……
かんな「……」
……だが、かんなは事前に左之条が自分と互角の能力にする特異な力を持っていると知っていた……
こうなれば、互いに同じ能力であるがゆえに、一瞬の隙が命取りであることを知っている……
左之条「貴様……」
幾度となく刃を交え、左之条もかんなが一瞬の隙が命取りであることを知っている……と悟った
左之条「互角の者同士の死合は一瞬の隙が命取り……貴様、それを知って……」
かんな「最初に言いましたよね?『あなたが右辺(左之条さんですよね?』と……」
左之条「……なるほど、俺のことを知っている……と、そういうわけか……」
だが、甘いぞ!俺は相手の一瞬の隙を待って勝敗を決めてきたわけではない!と豪語する左之条……
#4
かんな「ええ、それ位、分かってますよ」
ガガガガガッ
なおも互角、しかもまるで鏡で写し取ったかのような完全左右対称な攻撃を続けるかんな、左之条
左之条「分かっている……だと?」
かんな「あなたは、自分の癖を知っている……」
左之条「!!!!」
かんなの言葉に左之条から余裕の表情が消える
左之条の不敗伝説のカラクリ、その2……相手を自分と同じ能力にする……その力は実は正しくない……正確には
相手に自分の癖を含めた行動原理の全てをコピーするそういう性質も含んでいる……
左之条は自分という人間がどんな癖を持っているか熟知していいる……そして、それ故に対自分を想定した死合
では自分の癖を考慮し、必ず撃破できるのだ
かんな「自分ほど、自分に斃しやすい敵はいない……」
そして、いきなり他人の癖までコピーされて自分がその癖を考慮した動きができるわけもない……
だからこそ、今まで左之条は自分に勝利してきた……
左之条「……だが、貴様に俺の癖が理解できるか!?」
かんな「理解できませんし、したくもありません……」
左之条「貴様ぁ〜」
ガガガガガッ
ますます白熱する死合……
しかし、その撃剣は……最早完全に互角では無かった……
猛攻の左之条……それ故に、かんなが圧されつつあった……
ガキィ〜〜〜ンッ
暫く攻防が続いた後、遂にかんなの木刀が左之条の棒きれに弾き飛ばされる
左之条「終わりだ!」
そして、振り下ろされる兇刃……
ギンッ
左之条「何?」
……だが、しかし、それを神滅超越者(で受けるかんな
……神滅超越者(は使えないはずではなかったのか……
いや、左之条が冷静さを欠いたその時、既に左之条の相手を自分と互角にする能力は薄れてしまった……
そう、左之条は対自分との死合で初めて一瞬の隙を見せてしまったのだ……
最も……完全に能力が相殺されたわけではないため、今の神滅超越者(は木刀と同等の能力しか持たないが……
かんな「第二幕……いえ、終幕です」
左之条「なめるな……これは第二幕なんかじゃない、千日手だ!」
ズガンッ
左之条の渾身の一撃……かんなが遥か後方へと吹き飛ばされる
左之条「終わりだ!」
かんな「そちらが終わりです」
カッ
左之条から距離を置いたことで更に左之条の互角能力の縛りが解かれ、ここぞとばかりに茜瑙哭(覚醒するかんな
そして、一気に勝負を決める……
左之条「なん……」
左之条に近付けば近付くほどに、左之条の互角の縛りが発生する……ならば、アウトレンジから一気に勝負を
決めればいい……
#5
そして、かんなの剣閃が左之条を派手に吹き飛ばす
左之条「ぐが……」
左之条の不敗伝説……ここに砕かれる……
上(総介「……どうやら、勝負はついたようだな……」
そして、狙い澄ましたかのように総介参上。そのまま左之条の元へと歩み寄り、彼に手錠をかける
総介「……行くぞ、山咲(」
山咲(桜「はい。警部……」
……こうして、間違った平等主義者(、右辺(左之条の暗躍は終わった……
END
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