Eighter -Noble Gathering-
49ther 〜異常なる平等主義 A〜
#0
平等……それは優位のない世界……
しかし、哀しいことに今の世の中に本当に平等なものなど存在しない……
……そして、これはそんな平等に取りつかれた組織の物語……
#1
東京都、某所
*「ひっ……だ、誰か……助け……」
1人の女性が暴漢の集団に囲まれていた……もはや、逃げ場もなく、彼女は絶体絶命……
*「1人の女性に寄ってたかって襲いかかる……それは平等じゃないね……」
*「ああん?何だと!?」
と、そこへやってくるのは1人の漢……それは、何処にもいそうな普通の男性だった……
*「何だてめぇ……怪我したくなかったら……消えろ!」
*「消えるのはアンタ達の方だ……」
*「ふざけやがってぇ……」
*「そんなに死にたいなら貴様から死ね!」
そして、暴漢ズは助け舟を出した漢に襲いかかる……
ガスンッ
激突する拳と拳
*「コイツ……」
拳でそんじょそこいらのチンピラをノックアウトしてきた俺の拳を受けた……
俺と同等の力を持っているとでも言うのか!?と驚きを隠せない暴漢
*「なぁ〜〜めながって!」
更に背後から暴漢の1人が蹴りをしかけるも……漢も蹴りで返す
ガキンッ
*「馬鹿な……」
その暴漢も暴漢で数々のチンピラを蹴り破ってきた猛者である……そんな彼の一撃がこうも簡単に防がれる
などと……
*「力は互角……だからこそ、俺が勝つ!」
*「ふざっ……けるなッ」
……数分後、暴漢ズは1人残らず漢にノされてしまっていた……
*「あ、ありがとうございました……」
*「うん、別にいいよ……」
そのままにこりと微笑む漢
*「……君も平均じゃあないね……」
ゴスッ
*「え?」
そして、唐突に女性の腹部に拳
*「……なぜ……」
私を助けてくれたんじゃなかったの?と疑問を浮かべながら、女性はその場に頽れる
*「強きを砕き、弱きを滅す……」
そう言い残し、漢は去って行った
数分後
上総介「……やれやれ、厄介な奴が出てきたもんだな……」
その場に駆けつけた総介はとりあえず、暴漢を無能警官に引き渡し、女性を保護してから、口を開く
山咲(桜「警部……?」
総介「ああ、こいつは、右辺(左之条の仕業だ……」
桜「……それは……平等主義者(」
総介「……そうだ……」
平等主義者(……人類みな平等……と言い出すその漢……志は結構なことだが、しかし、その実は違う……
世界から強者と弱者を消し去り、平均的なものだけが世界に住むようにと活動を行っているのだ……
総介「……そして、奴には相手が自分と互角になるという特異な能力を持っている……」
そう、先ほど、暴漢ズの拳や蹴りに対して互角だったのは、何も左之条が暴漢ズと等しい力を持ち合わせていた
からではない。
暴漢ズの力が左之条と互角に成り下がった結果なのだ……
#2
梓與鷹(「で、総……」
與鷹(は突然総介に東京都まで呼び出された……何でも依頼だから……ということなのだが……
しかし、断る勇気も時には必要なんじゃないだろうか……
※ちなみに、かんなもついてきています……と、言うか、総介はかんなにこそ来てほしかったのですが……
総介「平等主義者(……右辺(左之条……コイツを撃退する」
與鷹(「イコー何?……」
白拍子かんな「平等主義者(、右辺(左之条……異常なまでに平等、平均、公平に執着する人物で口癖が『強きを
砕き、弱きを滅す』……世界中の平均から逸脱した存在を抹消することに躍起になっている人物です」
與鷹(「平等ってそういう意味かよ!とんだ酔狂な奴だな……」
と、言いつつ、あれ?そんな主義の国をどこかで聞いたことがあったような……と與鷹(
かんな「八大帝国が1つ、闇のアンブリオ……」
與鷹(「それだ!」
八大帝国が1つ、闇のアンブリオ……そこは全ての差別を撤廃し、王族も罪人も奴隷も何もかもが同じ身分を
持つ帝国のことである。
総介「だがな、アンブリオは平均から逸脱する存在でも排除せずに受け入れている……それが平等主義者(とは
異なる……」
與鷹(「……あ、そうか……そう言われればそうだな……」
アンブリオはどんな存在であろうとも平等に扱う主義の帝国……しかし、左之条は平均以外を認めない主義……
両者は似ているようでその実全く異なるのだ……
與鷹(「で、総……その平等主義者(を撃退したい……ってのは……どういう?」
別に俺達(に依頼するような案件とも思えないんだが……と與鷹(
かんな「彼は相手を自分と互角の能力にする……という特異な力を持っています……そして、互角の勝負なら
敗北を知らない……」
與鷹(「なっ」
トンでもない能力の持ち主もいたものである
総介「だから、奴を撃退することは難しい……」
桜「そこで、かんなの出番というわけです……」
総介「茜瑙哭(の加護を受けているかんなならば……」
與鷹(「ちょ、ちょっと待て……総……」
だったら、鬥址偶襾(の加護を受けているお前ではだめなのか?と與鷹(。
その疑問は最もである
総介「……運も実力のうち……」
與鷹(「……はぁ」
つまり、神の加護に加え超強運でなければ奴を超えることが出来ない……と、総介はそう言っているのだ……
総介「ともかく……やってもらうぞ」
かんな「はい。分かりました……」
かくて、間違った平等主義者(、右辺(左之条を撃退すべく、かんなが立ちあがる
続
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