Eighter -Noble Gathering-
47ther 〜急襲する闇の軍勢 D〜



#7
各地の忍びの里に迫る砕華さいかの魔手……だが、みすみす滅びを受け入れる忍びの里では無い……
かくて、ここにスーパー忍術大戦が勃発した……
箱根、風魔の里
某收それがし・おさむ「小太郎殿……」
風魔小太郎「む……どうした?……二曲輪猪助にのくるわ・いすけおさむ「……その、結界を張り直さず……あえてこのままでいく……本当によいのでござろうか……」
小太郎「まぁ、言いたいことは分かる……しかしだな、」
加藤段蔵「しかしだな、結界を張り直すには一度結界を全て解かねばならぬ……そして、そんな隙をつかぬ奴ら
 ではあるまい……」
おさむ「……た、確かに、そうでござるな……」
結界を張り直すにしろ、それはこの騒動が終わった後だ……と小太郎は告げる
……そう、今の風魔は結界を張り直さないのではなく、貼り直せないのだ……
風魔「小太郎様……」
小太郎「来たか……」
*「砕華さいかがくのいち、近日のあざな……颯爽登場!」
ゾロゾロゾロアッグと砕華さいかくのいち集結……他の忍びの里の襲撃に出向いた砕華さいかの集団に比べると、風魔の里に
急襲した砕華さいかの集団は大軍であった……
おさむ(む、総介殿が予見した通り……大軍でござる……)
段蔵(ほほ、ならば、我ら、風魔の力の見せどころでもある……)
おさむ「参る!」
段蔵「行くぞ!」
近日のあざな「イっちまいな〜」
ガガガガガガガッ
どこぞの傭兵のようなことを叫ぶあざな……と同時に砕華さいかくのいちの一斉射撃……
しかし、おさむは真なる剣聖の弟……剣術は敢に劣るとはいえ、迫る銃弾を斬り払うことなどわけはない
風魔「たらりらりら〜」
しゅかかかかっ
天下一の傾奇者の従者のような口癖を呟きつつ、棒手裏剣を投げる風魔。
砕華さいかくのいち「きゃっ……」
近日のあざな「なっ!?」
それは銃弾を弾くだけではなく、銃口に突き刺さり、発砲を抑止する……
近日のあざな「流石風魔……一筋縄ではいかないか……だが、そうじゃなきゃ面白くないんだよ……」
おさむ「むっ」
ギンッ
襲い来るあざな……その兇刃を受けるおさむ
近日のあざな「私達、砕華さいか……銃器しか能がないと思ったら大間違いだよ!」
小太郎「で、あろうな……銃器しか能がなければ弾が切れすれば終わり……」
砕華さいかくのいち「だが、私達の攻撃は終わらないッ!」
近日のあざな「砕華さいか流忍術……苦無襲雨くないしゅううおさむ「むぅ……」
後方にいる砕華さいかくのいちがおさむ目掛けて一斉に苦無を放つ……
文字通り、雨の如く、おさむに苦無が襲いかかるのだが……これ、あざなの技なのか?
おさむ「くっ……磊壊礫らいかいれき」
カカッ
ズムゥ〜〜〜ンッ
地面を爆発させ大地の破片で迫る苦無を迎撃するおさむ
近日のあざな「やる……」
おさむの技を喰らわないよう……何より、苦無の雨を喰らわないよう距離を取ったあざなが思わずそう呟く

#8
近日のあざな「……やるじゃない……でも、まだ、ここからが本番よッ……砕華さいか流忍術、剣燐弾雨けんりんだんうッ」
あざなの号令と共に、忍び刀を持った砕華さいかくのいちが、拳銃を持った砕華さいかくのいちが一斉に襲いかかる
……やはり、この技もどう見てもあざなの技とは思えなかった
段蔵「だが、甘いッ」
おさむ「見切ったでござるよ……」
迫る刃の嵐、銃弾の雨を回避しつつ、的確にカウンターを喰らわすおさむ、段蔵
近日のあざな「そんな……」
砕華さいかくのいち「馬鹿な……」
近日のあざな「私の砕華さいか流派忍術がこうもあっさりと……」
一同「……」
先ほどからあざなが行っているのは技名を叫ぶことのみである……それなのに『私の持ち技』などと称するのは
逆にあっぱれであった……
近日のあざな「くっ……アンタたち、時間を稼ぎなさい……こうなったら奥の手よ!」
砕華さいかくのいち「あざな様……それはもしや……」
近日のあざな「いいから、任せたわよ!」
そういってあざなは一目散にその場を撤退
段蔵「逃げられるとでも思っているのか?」
砕華さいかくのいち「させないッ」
ガガガガガガガッ
おさむ「なん……だと?!」
あざながいなくなった途端、これまでとうって変わって砕華さいかくのいちの動きが鋭敏になる……
それはまるであざなが抑制装置の役割をしていたかのよう……
風魔「……」
上司が無能だと部下も無能になるって本当なんですね……とかそんなことを考える風魔であった……
小太郎「クッ……陣形を整えろ!」
一糸纏わぬ……違った、一糸乱れぬ見事な陣形で銃撃を繰り出す砕華さいかくのいち……
だが、風魔としてもこのままむざむざやられるわけにはいかなかった……
風魔三大師範の号令のもと、陣形を組み直して戦闘が続く
おさむ「むん……雷師塵らいしじん!」
ゴガガッ
バリバリバリバリッ
砕華さいかくのいち「ぎゃあああ!!」
帯電させた苦無を投げつけ、迫る砕華さいかくのいちを痺れさせるおさむ
砕華さいかくのいち「はああ!」
ズガスッ
ザガガガガッ
風魔「段蔵様!」
その一方で段蔵に兇刃……が、しかし、それは変わり身であった……
砕華さいかくのいち「変わり身!?」
それだけではない、変わり身の木人形デクがむくりと起き上がり砕華さいかくのいちに襲いかかる
砕華さいかくのいち「な……なぁ!?」
段蔵「傀儡幻襲かいらいげんしゅう……」
段蔵は幻術使い……その幻術は現実と見分けがつかないくらい精巧な代物である……
小太郎「……今だ!」
そして、小太郎の号令……風魔はここぞとばかりに襲いかかる……
……さてさて、この死合……どうなる!?


END

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