Eighter -Noble Gathering-
47ther 〜急襲する闇の軍勢 B〜



#3
砕華さいか……それは銃器を駆使する外道くのいち集団……そして、そんな魔手により、壊滅の憂き目にあいそうなのが
各地の忍びの里……
だが、しかし……
仙台、黒脛巾くろはばき組の里
黒脛巾くろはばき組の里に助っ人として派遣されたのは言うまでもなく、伊達宗美むねみである……
伊達宗美むねみ「……ってわけで……砕華さいかを撃滅するためにやってきたんだけど……その砕華さいかってのはいつ攻めてくる
 んだ?」
黒脛巾くろはばき組「いやいや、攻めてきてほしいの……?」
そんなことを言うのは黒脛巾くろはばき組、当代首領の清栄寺刹那である。
宗美むねみ「だぁって、最近退屈なんだよ……兵子ひょうこは死合ってくれないし……激闘を交えた依頼はやってこないし……」
清栄寺刹那「……」
宗美むねみさん……生粋のバトルマニアなんですね……と思う黒脛巾くろはばき組であった。
黒脛巾くろはばき組「そうでしたら我々が……」
宗美むねみ「お、いいねぇ……そうか、確かに、考えてみれば、黒脛巾くろはばき組がいたんだなぁ……」
刹那(今更ですか……宗美むねみさん……)
呆れてものも言えない刹那であった
宗美むねみ「と、まぁ、その前に……そこの……隠れてないで出て来い」
ほんわか(としていたのかは謎だが)……から一転、瞬時に、険しい表情になる宗美むねみ……
*「……ふふ……よくぞ見抜いたわね……」
そして、砕華さいか、出現!
宗美むねみ「見抜いたってか、そんな見え見えの殺気……それで隠していたつもり?数多隠して尻隠さずだ」
刹那「……いや、それ、頭隠して尻隠さずなんじゃ……」
宗美むねみ「……ん〜〜」
いつもならすかさず友近ゆこん辺りがスパ〜〜ンと盛大に突っ込みを入れるが、しかし、今回友近ゆこんはいない……
そして、刹那はそんないきなり突っ込みを行うわけもなく、なんだか物足りない宗美むねみであった
*「ふん、まぁ、いい……砕華さいかがくのいち、負引濁ふいんだく勝路奈しろな……参る!」
ガキィインッ
一足飛びにかかり宗美むねみに斬りかかる勝路奈しろな……が、しかし、その刃は村正・梵天丸にて止められる
宗美むねみ「……アンタは私を楽しませてくれるのかな?」
負引濁ふいんだく勝路奈しろな「ふふん、楽しませてはあげないかわりに、愉しませてあげるわ!」
宗美むねみ「……いや、遠慮しとく……」
さすが、オマケで売春を行う外道くのいち集団は言うことが違う……
負引濁ふいんだく勝路奈しろな「はっ!」
一瞬の攻防の後、後退ると同時に胸の谷間に手を突っ込んで拳銃を取り出し発砲
※コイツも胸の谷間が四次元空間か何かになってるのか?
宗美むねみ「ハン、甘いね……そんな程度で私を殺れると思うなよ……」
だが、しかし、銃弾は虚しく斬り払われる
負引濁ふいんだく勝路奈しろな「……なるほど、これでは殺れないか……」
そう言って拳銃を投げ捨て、再び胸の谷間に手を突っ込み、今度はリボルバー式拳銃を取り出す

#4
負引濁ふいんだく勝路奈しろな「ふ……砕華さいか流忍術……壱音陸撃いちおんろくげき」
ガウンッ
……それはあたかも一発の銃声で六発の射撃を行う伝説の秘儀……に見えて、実は改造リボルバーでハンマーが
シリンダーを覆うように六つついており、文字通り、一度の射撃で六発撃つ事が出来るという、忍術でも何でも
ないただの改造銃……
宗美むねみ「……くっ鴪重剣いつえけん」
ギギギギギギンッ
一瞬虚を突かれた宗美むねみだったが、しかし、眼にも留まらぬ速さでの連続斬撃にて全弾斬り払って見せる
宗美むねみ「……びっくりしたぁ〜」
刹那「いや、むしろ、迫る六発全部斬り払うほうがびっくりですよ……」
砕華さいかくのいちの一斉射撃……それを忍刀で叩き落としつつ刹那が叫ぶ。
負引濁ふいんだく勝路奈しろな「……さ、お遊びはこれまでにして……本番いくわよ……」
そして、勝路奈しろなは背負っていたライフル(銃剣)を左右に……2挺拳銃だ……
負引濁ふいんだく勝路奈しろな砕華さいか流忍術!緑の奇襲強撃」
ガガウンッ
銃剣の背と背をくっつけてそのまま射撃……確かに、元々緑色の濃い機体色を持つのに、スペイン語の緑を冠する
リアルロボットが同じような攻撃方法を使っていた……
しかし、ロボットの兵装なら2つくっつけて威力が倍率、更に倍ドン!ということがあっても、普通の銃器を
2つくっつけたからって威力が増大するわけもない……
宗美むねみ「だから、無駄だって……」
第一、普通の銃撃程度で宗美むねみを斃せるわけもない……
負引濁ふいんだく勝路奈しろな「かかったな……私の真価はここからだ!私の進化はここからだ!大事なことなので2度
 言いましたッ!」
2度言うのは良いが、ニュアンスが違うので2度言った……という範疇に含んでいいのだろうか……
まぁ、ともかく、一足飛びにかかりそのまま銃剣の刃で攻撃にかかる勝路奈しろな
宗美むねみ「むっ……」
ギンッ
すぐさま村正・梵天丸で受ける宗美むねみ。
と、同時に片方の銃剣を引き、すぐさま突きかかる勝路奈しろな
……が、しかし、後退してそれを回避する宗美むねみ
負引濁ふいんだく勝路奈しろな「ふふん」
ガウンッ
しかし、勝路奈しろなが持っているのは銃剣……ちょっと後退しただけでは射程範囲内……
ガキンッ
宗美むねみ「……危なッ」
しかし、宗美むねみは咄嗟に鞘を左手に迫る銃弾を防いだのだ……
宗美むねみ「過信するものは足元掬われるってこのことだな……」
刹那「……」
まぁ、確かにそうかもしれないけど、『信じる者は救われる』が正しいから……と刹那
宗美むねみ VS 勝路奈しろな……果たして、勝つのはどっちだ?


続

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