Eighter -Noble Gathering-
46ther 〜暗躍する闇の軍勢 C〜



#5
忍びの里を無差別に急襲し、駆逐する外道くのいち集団、砕華さいか……その魔手に対抗すべく、細々と、しかし、
脈々と続いてきた各地の忍びの里は立ち上がったのだった!
長野県、戸隠の隠れ里
與鷹よたかが戸隠の隠れ里に着くと、そこには赫眼かくがん同盟の島友近ゆこんと柳生兵子ひょうこが待っていた
梓與鷹よたか「助っ人って……お前ら?」
島友近ゆこん「不満ですの?」
與鷹よたか「いや、不満があるわけではないんだが……」
いつの間に総介の配下になっていたんだ?と與鷹よたかは驚きを隠せない……
赫眼かくがん同盟がいつ、どうやって総介の配下に下ったのかは……いずれ語られるでしょう……きっと、多分
戸隠忍者「まぁ、ともかく、協力して砕華さいかを退けましょう……」
與鷹よたか「あ、ああ……」
戸隠忍者は揃いもそろって黒いスーツを着込んで眼鏡をかけているため、どこからどう見ても忍者には見えない
忍びの里にスーツを着込んだ眼鏡の漢が暮らしているなどと……シュールにも程があった……
與鷹よたか(忍びの中で一番現世に溶け込んでいるのはひょっとして戸隠忍者?)
まぁ、戸隠の忍術は格闘技として世界に輸出されており、戸隠流を継ぐものは日本人より海外の人が多い……
ならば、忍びの衣装よりも、スーツの方がいいのではないだろうか……
柳生兵子ひょうこ「敵、来る……」
與鷹よたか「む?」
兵子ひょうこの天のお告げ(?)に一同は即座に臨戦態勢……
*「天が呼ぶ、血が呼ぶ、漢が呼ぶ……砕華さいかがくのいち、泥女どろめヒロコ参上……」
※なお、『血が呼ぶ』は誤植ではなく、血に飢えているだけなので、この字であっているのだと言う
戸隠忍者「出たな、砕華さいか……」
泥女どろめヒロコ「さぁ……とっとと壊滅しちゃいなさ〜い」
ヒロコの号令と共に砕華さいかくのいちが一斉にマシンガンを取り出し斉射
戸隠忍者「甘い……」
しかし、戸隠忍者は海外に輸出され……そして逆輸入を行った忍軍……当然逆輸入したのはスタイルだけでは
無かった……
砕華さいかくのいち「うっそ……」
戸隠忍者による一斉射撃……かくて、激しい銃撃戦が展開されることとなった。
※ちなみに、逆輸入で銃器を取り入れた戸隠忍者ですが、密輸ではなく、正式に輸入しているのでご心配なく
與鷹よたか「……これ、俺達の出る幕はないんじゃない?」
友近ゆこん「全く、野蛮ですわね……」
兵子ひょうこ「そんなこともない……」
バッ
與鷹よたか「チッ」
兵子ひょうこがそんなこともない……と言ったのは友近ゆこんの『野蛮』に対してではなく、與鷹よたかの『俺達は不要』に対して
であった……それに呼応するかの如く、ヒロコが颯爽と襲いかかる
與鷹よたか「クッ」
ガキンッ
襲い来るヒロコの斬撃を受ける與鷹よたか……
今回はこんなこともあろうかと、アルティマイト製の手甲をはめていたのだ……

#6
與鷹よたか「行くぞ!」
友近ゆこん「指図しないでくださいまし」
兵子ひょうこ「問題ない……」
チームワークは問題大ありだが、しかし、戦力としては問題なし……若干の不安はあるが、死合は始まった
泥女どろめヒロコ「や〜〜るじゃない……でも、コレならどうよ!?」
ガガンガンガンッ
拳銃を取り出し発砲……だが、しかし、銃撃如きに怯む與鷹よたかではない。手甲で巧みに銃弾を弾き返す
泥女どろめヒロコ「うっそ……撤甲弾を弾くって何よそれ……反則じゃない……」
與鷹よたか「俺からすれば拳法家に拳銃で挑む方が反則なんだがな……」
泥女どろめヒロコ「五月ッ蠅い!正義は必ず勝つ……とは限らない……つまり、悪の華が栄えることだってあるのよ!」
與鷹よたか「……」
こいつ、自分が正義じゃなく、悪だって認めているのか?とそんなことを考える與鷹よたかであった
泥女どろめヒロコ「……砕華さいか流忍術……炸裂鳳梨さくれつほうり」
どうどうと見せるように胸の谷間に腕を突っ込み……手榴弾を取り出すヒロコ
與鷹よたか「ゲッ」
鳳梨ほうり……それはパイナップルの和名……戦場のパイナップル……それはつまり、手榴弾の事に他ならない
※ってか、忍術でも何でもないし……
泥女どろめヒロコ「サクっと死になさい」
カッ
ズド〜〜〜ンッ
手榴弾を投げつけると同時に後方へ素早く退避するヒロコ……勿論、與鷹よたかだって同じ方法で回避している
泥女どろめヒロコ「更に、第二段」
與鷹よたか「させるかッ幻狼襲げんろうしゅう」
ゴバッ
闘気の刃が手榴弾を上空へと吹っ飛ばす
泥女どろめヒロコ「なっ!?」
カカッ
ドドォ〜〜ンッ
第二段不発……と同時に與鷹よたかが躍り出る
泥女どろめヒロコ「フン……砕華さいか流忍術……原子の銃撃」
くるりと與鷹よたかに背中を向けるヒロコ……と同時にお尻から銃口が
※やっぱり忍術では無い……
そして、容赦なく與鷹よたかに銃弾が襲い来る
ダダダダダダッ
與鷹よたか「ンなぁ……」
原子……英語でアトム……そして、鉄腕アトムはお尻に銃がついていた……これはそれの再現であった……
最も、生身の人間のお尻に一体どうやって銃を取りつけたのかは謎に包まれているが……
辛うじて両手の手甲で銃撃を弾く與鷹よたか
與鷹よたか(くっそ……この分じゃ、右手に□ックマンよろしくキャノン砲でもついていたりするんじゃないか?)
泥女どろめヒロコ「そして、次……」
またも胸の谷間に手を突っ込んでゴソゴソと何かを取り出すヒロコ……
取り出したるは……ミサイルだった……
與鷹よたか「お前の胸の谷間はどうなってんだよ!」
思わず突っ込んでしまう與鷹よたかであった……
しかし、今はそんなことをやっている場合では無い……與鷹よたかはこの胸の谷間四次元空間女、ヒロコを斃せるの
か!?


続

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