Eighter -Noble Gathering-
46ther 〜暗躍する闇の軍勢 A〜



#0
砕華さいか……それは殺人や窃盗、武器密輸のついでに売春を行う外道くのいち集団……
そして、そんな砕華さいかの魔手により、現代に細々と続く忍びの里は壊滅の危機にあった……
そんな中、風魔をはじめとする七大隠密は結託し、砕華さいかを撃退しようという動きになったのだが……
砕華さいかを撃退しようとしていたのは何も隠密だけではなかった……

#1
天四斗あまよと、Eighter本部
かみ総介「與鷹よたか……某敢それがし・いさむはいるか?」
與鷹よたか「総……」
突如現れることはいつものことながら、しかし、いさむに用があると言うのは珍しい……
白拍子かんな「いさむさんならもう少ししたら来ると思いますが……」
総介「そうか……」
與鷹よたか「どうしたんだ?総……いさむに用があるなんて、珍しいな……」
山咲やまざき桜「いつだったら、雷魔の騒動があったかと思いますが……」
與鷹よたか「……ああ、あったが……」
しかし、その件に関しては総介は関与していなかったと思うんだが……どこで情報を入手したんだろうか……
と與鷹よたか
※真理の断片が見せる未来で情報を入手したんでしょう……
與鷹よたか「……まさか、雷魔に代わるナントカ魔が出現した……とか言うんじゃないだろうな」
桜「違います……ですが、全く関連がないわけではありません」
総介「……最近、頭角を現してきた犯罪集団、砕華さいか……」
與鷹よたか砕華さいか?」
かんな「正真正銘のくのいち集団……もとは雑賀さいかだったものが新生した姿だそうですね」
アトランティスで情報を検索し、空間スクリーンに映し出すかんな
與鷹よたか「……正真正銘のくのいちって……」
総介「それは後だ……ともかく、その外道くのいち集団の手により、各地で細々と続いていた忍びの里が壊滅
 の憂き目に遭っている」
與鷹よたか「なるほど、忍びとは言え、現代に生きる人間……それを滅殺するなどととんでもないということだな」
総介「いや、違う」
隠密の未来など俺にはどうでもいいことだ!何度も言わせるな!と総介
だが、與鷹よたかにとってはこれが初耳である……
そして、総介の凄みに気圧されて萎縮する與鷹よたかであった
桜「砕華さいかは外道くのいち集団という名の通り、殺人や窃盗、武器密輸……オマケで売春を行っている犯罪組織
 なのです……」
與鷹よたか「オマケで売春って……」
しかし、本来くのいちとはそういう職種である
與鷹よたか「……で、その砕華さいかを撃滅したい……と?」
総介「そうだ、そのために、いさむの力が必要だ……」
最も、お前たちにも協力してもらうがな……と総介
某敢それがし・いさむ「ふむ、話は聞かせてもらったでござる……風魔の里に再び危機が訪れているというのであれば、拙者、力
 になるでござるよ」
と、そこへいさむ、颯爽と登場、片手で明星幻爪みょうじょうげんそうを半ば抜刀しつつ口を開く

#2
桜「警部……」
更に、桜も、どこぞからかかってきた電話について総介に告げる
総介「フム、これで役者はそろったな……」
與鷹よたか「じゃ、早速行こうか……」
総介「まぁ、待て……」
桜「敵は砕華さいかひとつですが、護りを固めなくてはならない場所は7箇所……」
與鷹よたか「どこを最初に護るか……いや、もしかすると、七か所同時襲撃もあり得る……?」
総介「ああ、そうだ……風魔は風魔三大師範がいるから何とかなるだろう……伊賀も神崎通がいればまぁ、
 なんとかなるだろう……問題はそれ以外だ……」
與鷹よたか「つまり、こちらも戦力を分断すると?」
総介「……まぁ、簡単に言えばな……」
いさむ「しからば、誰がどこを?」
総介「……風魔……ここは風魔三大師範がいるからそれに任せればよいだろう……そして、伊賀、これには神崎
 を向かわせる……」
オマケで葵御前、巴御前も向かわせよう……と経っているものは客人でも容赦なく使うのが総介だ。
総介「いさむ、お前は甲賀へ行け」
いさむ「む、甲賀……でござるか?」
総介「そうだ……甲賀にはこちらが用意した助っ人がいるからな……」
いさむ「では、その助っ人と共に?」
総介「そうだ……戸隠の方には、與鷹よたか……お前が出向いてもらう」
與鷹よたか「ん……ああ、分かった……」
総介「俺は山咲やまざきと共に望月千代女の加勢へ向かう」
與鷹よたか「……総、軒猿のきざる黒脛巾くろはばき組はどうするんだ?」
総介「そちらにも助っ人は派遣してある。問題はない……」
與鷹よたか「あ、そう……」
じゃあ、何とかなるのかな……と思う與鷹よたかであった
総介「では、これより、作戦を決行……」
與鷹よたか「ちょ、ちょっと待って……」
総介「ん?何だ?何か問題でも?……」
助っ人に関して詳細に説明してほしいと言っても説明はせんぞ……と総介。
與鷹よたか(いやいや、説明のひとつもしてほしいんだが……)
與鷹よたか「……そうじゃなくて……」
総介「何だ?忍びの里は隠れ里……どうやって入り込むのかを聞きたいのか?」
與鷹よたか「いや、まぁ、確かにそれもあるけど……」
かんな「わたしのことですね?」
すかさずかんなが答える
與鷹よたか「……ああ……」
かんなはどこに助っ人に向かうのか……まだ聞いていない……かんなは出撃しない……ということなのだろうか
……しかし、立っている者は運の女神でもこき使う総介に限ってそんなことはありえない……ならば、かんなに
与えられた役目とは……
総介「うむ、かんなには――」
そして、告げる総介
與鷹よたか「総……お前……」
その作戦に唖然とする與鷹よたか……はたして、かんなに与えられた役目とは一体何なのか!?


続

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