Eighter -Noble Gathering-
45ther 〜黄泉帰る闇の軍勢 C〜



#5
銃器で武装した最強の傭兵集団、雑賀さいか……それは今やくのいち集団砕華さいかとなりて、現代にひっそりと暮らす忍び
の里を急襲している……
かくて、伊賀、甲賀、戸隠、風魔の4つは結託して砕華さいかを撃退しようという流れになりそうなのだが……
※なりそうって……ならなかったらどうなるんだ?
風魔小太郎「砕華さいかを討つ……これは現代に脈々と続く七大隠密の総意である」
七大隠密……それは、風魔、伊賀、甲賀、戸隠に加え、伊達の間諜で有名な黒脛巾くろはばき組、上杉の忍軍として有名な
軒猿のきざる、武田のくのいち衆、歩き巫女として有名な望月千代女の7つの総称である。
某收それがし・おさむ「七大隠密の総意……では、もしや……」
小太郎「うむ」
そもそも、小太郎が出かけていた用事というのが、昨今、存続する忍びの里が急襲される件だったのだ……
神崎通「……総意……か……」
加藤段蔵「……隠密同志の共闘に不安でも?」
と、そこへ、風魔三大師範が1人、加藤段蔵参上
通「……そうではない……結託することは大いに結構……だが、結託したとて、砕華さいかを退けられるのか?」
伊賀忍者「それは……」
先ほど、風魔忍者があっさりと返り討ちにあった……それは、現代に細々と生きる隠密の力では砕華さいかに届かない
という証左であり、他の忍びの里とてそれは同じだ
通「見たところ、使えるのは風魔三大師範と俺か……」
あと、葵御前と巴御前もまた戦力として数えることも出来るが……風魔の里では客人扱いだ……勝手に戦力に
加えるのはどうだろうか……と通
※通も風魔の里では客人扱い(というか、伊賀忍者)ですが、自分の意思で戦闘に臨んでいます
一同「ぐ……」
それは戦力としてはあまりに乏しい……しかし、認めざるを得ない現状だ……
おさむ「ならば、拙者……兄者を読んでまいります」
通「……真なる剣聖……か」
なるほど、確かにいさむがいれば百人力だが……外部の助っ人を雇ってようやく撃退できる忍びの里など……
果たして存在価値があるのだろうか……
しかし、この現代において、隠密など不要であるから、弱体化するのは無理もない話なのだろう……
※ちなみに、戸隠流は格闘技として海外に輸出されており、他の隠密衆に比べれば弱体化は免れている。
 最も、格闘技として非殺傷の技に抑えられているため、他の隠密衆からは牙が抜かれているなどと揶揄
 されてしまうのだが……
*「ならば、こちらも微力ながら援護させてもらおう……」
一同「な、誰だ!?」
一同が声のした方を向くと……そこにはSRAP上総介と、その秘書、山咲やまざき桜の姿があった
かみ総介「……外部の人間をこうも容易く侵入させる……なるほど、風魔の結界も地に落ちたというわけか」
風魔「貴様……」
甲賀忍者「何だ?お前は……どこの隠密だ?」
総介「俺は、お前らと違って隠密ではない」
一同「何?」

#6
小太郎「ぬぅ……」
まさか、隠密でもないものが風魔の結界を破って侵入するなどと……根本的に風魔の結界を見直す必要が
ありそうだと考える風魔三大師範であった。
通「……隠密の一派でもない漢が……なぜ協力するというのだ?」
総介「別に、俺は隠密の未来のために、協力しようなどと言っているわけではない……ただ、お前らの目的と
 俺の目的とが一致していただけだ」
戸隠忍者「それは、砕華さいかの撃滅……と、いうことですか?」
総介「そうだ」
伊賀忍者「……なぜ?」
総介「砕華さいかは売春集団……まぁ、それだけなら可愛いものだ……しかし、売春はあくまで副業……そして、問題
 なのは本業だ……」
甲賀忍者「本業?」
改めて言うが、砕華さいかは正真正銘のくのいち集団だ……そして、正真正銘のくのいちと言うのは自分の体を使い
相手を篭絡させて情報を盗んだり、相手を殺したりすることを生業とする職種……
総介はその本業の方を見過ごすわけにはいかなかったのだ
総介「殺人、窃盗……そして武器密輸……売春はオマケだ」
それが砕華さいかの犯罪……そして、その罪をのさばらせておくわけにはいかないのだ
甲賀忍者「アンタ、まるで警察みたいだな……」
通「そいつは警察だ……」
甲賀忍者「え?マジ!?」
通「世界でただ1人……大統領ですら即決で逮捕する権限を持つ特殊警察、SRAPのかみ総介……そうだろう?」
総介「フ、よくぞ俺のことを調べ上げたものだな……死者蘇生プロジェクトの成功例の1つ……服部半蔵正成まさなり……
 いや、神崎通」
通「それはお互い様だ……」
え?服部半蔵って襲名してたんじゃなかったのか?と驚きを隠せないのは戸隠忍者である。
山咲やまざき桜「さて、では、話がまとまったところで今後のことについて作戦を立てましょう」
伊賀忍者「お、おう?」
と、唐突に会話に割り込むのは山咲やまざき桜である。
この女、会話に割り込むのが病的にうまいのだが……何か特殊な能力でも持っているのであろうか……
総介「とりあえず、お前らはお前らで砕華さいかとどう戦うか、考えておけ……俺は俺で手駒を集めてくる……いくぞ
 山咲やまざき」
桜「はい、警部……」
言いたいことだけ言い残し、総介は颯爽と風魔の里を後にする……
一同「……」

#7
かくて、隠密+総介と砕華さいかとの死合の準備は整った……
総介が言う手駒というのはやはり、Eighterのメンバーのことなのだろう……
だとすれば、おさむが兄者を呼びに行かなくとも、いさむは現れると思うのだが……
……そして、砕華さいかとの決戦は始まる……


END

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