Eighter -Noble Gathering-
45ther 〜黄泉帰る闇の軍勢 B〜



#3
風魔の里に忍び込んだ伊賀忍者……目的は風魔の里に身を寄せる服部半蔵こと、神崎通……しかし、通は伊賀の
里には帰らないと言い出し……と、そこへ、甲賀忍者、更に戸隠忍者までも出現する……
某收それがし・おさむ「小太郎殿……どういうことでござるか?」
帰ってきた風魔小太郎に早速問いかけるおさむ
風魔小太郎「……傭兵集団、雑賀さいかの復活」
神崎通「ほぅ、雑賀さいか衆か……」
戸隠忍者「ええ、銃器で武装した最強の傭兵集団……雑賀さいか……」
小太郎「今は砕華さいかと名を変えているようだがな……」
そして、その砕華さいかが各地に細々と続いていた忍軍の里を駆逐しているというのだ……
おさむ「なんと!それはまことでござるか?」
甲賀忍者「そして、残ったのが伊賀、甲賀、戸隠、風魔……」
まぁ、この4つだけではなく、忍びの里は各地にまだあるが……と続ける甲賀忍者
おさむ「……つまり、拙者らはいがみ合わず、協力して砕華さいかを討て……ということでござるか?」
小太郎「うむ」
通「……で、砕華さいかは何の目的があって忍軍の里を襲う?」
*「知れたことを……もはや、この現代に忍軍などと無用の長物……ならば、闇の中に消えるべし……」
一同「ぬ!?」
と、そこへ出現するは、件の砕華さいか……やはり、通、甲賀忍者と同じように大樹の頂点から語らかに宣言する
……逆光で姿がよく見えない……
小太郎「よもや、この風魔の里に砕華さいかの侵入を許すとは……」
通「フン、風魔の里の結界などと最早無いも当然……」
伊賀、甲賀、戸隠までが普通に侵入出来ているんだ……何を今更……と通
風魔「だが、風魔の里に敵意を抱いて侵入する輩をみすみす逃すわけにはいかん……」
シュババっと大樹に上り砕華さいか忍者を斃しにかかる風魔
*「ハッ……甘い!」
ズガガンッ
風魔「ぐあっ!」
風魔「ガッ」
だが、しかし、簡単に返り討ちに……
そして、大樹の頂点に立っていた砕華さいか忍者が降り立つ
おさむ「……何と!女……でござったか……」
現れたのはボディラインを強調し、肌の露出が無駄に多い、所謂コスプレしているような……隠密を馬鹿にして
いるような女だった……
戸隠忍者「……砕華さいかはくのいちの集団です……」
傭兵集団と言うからムサイ漢の軍団かと思いきや、そうでもないらしい……だから砕"華"という名称なのだろうか
……
おさむ「くのいち……でござるか?」
くのいちと言えば、忍者、隠密の女バージョン……というのが世間一般の常識であるが、そうではない。
相手を篭絡し、情報を盗み出したり相手を殺したりする……それこそがくのいちの存在意義である。
下世話な言い方をするとくのいちであるということは処女では無いということと同義であるのだ。
……そんな正真正銘のくのいちであるならば、彼女の様な扇情的なコスは正当な衣装だとも言えよう……

#4
*「……砕華さいかがくのいち、闇隠れみどり……服部半蔵正成まさなり……私の為に、死んで」
言うなり、みどりが鎌で通に襲いかかるが、しかし、これを臠殺刃で難なく受ける通
通「フン、風魔の里に忍び込んだのは俺を殺すことが目的か……」
黄泉帰ったこの命とはいえ、みすみす死ぬわけにはいかん……とみどりの鎌を斬り払う通
通「火燕嘴ひえんし」
ババババッ
炎を纏った苦無を投げつけて追撃
ドドドッ
回避する暇もなく、苦無がみどりに突き刺さり、そのままみどりを焼く……
だが、しかし、通はみどりを仕留めたわけではなかった……それは変わり身……
闇隠れみどり「死んで!」
通の背後を取った緑が両手に鎌を構え一気に刺し降ろす
通「翳渡かげわたり」
が、しかし、背後から襲い来るみどりの影……その影に沈み、影から影へと移動し、攻撃を回避する通
闇隠れみどり「流石、服部半蔵……一筋縄ではいかないか……」
だが、砕華さいかは銃器で武装した傭兵集団……それを忘れたわけではあるまい!と鎌をその場に放り投げ、どこから
ともなくガトリングガンを2挺装備そのまま影から影へと渡って難を逃れた通に対して一斉射撃
通「土藍槍どらんしょう」
ガガガガンッ
ダララララララララララッ
地面から岩を突きださせて盾の代わりにする通……しかし、ガトリングガンの弾は岩如き、易々と貫き通に凶弾
が迫る
通「面白い……」
眼にもとまらぬ速さで近くの木に上りだす通
闇隠れみどり「無駄……無駄ッ」
すささず通目掛けて射撃を続けつつガトリングガンを移動させるみどり……
通「フン」
木の上から一気に襲いかかる通
闇隠れみどり「くっ……」
射撃において、落下物に狙いを定めるというのが実は一番難しい行為である……通はそれを知って木の上から
一気に飛び込んだのだ……
丁度ガトリングガンの弾も底を尽きてきたのですぐさまガトリングガンを放り投げ、地面に無造作に投げ捨てて
あった鎌を蹴りあげて構えると同時に通を迎え撃つ
通「雷冥鐶らいめいかん」
バリバリッ
闇隠れみどり「ガッ!」
だが、通はそれを見越していた……故にみどりに対し雷を落とし……そして、両手を上段に構えたみどりは……
その鎌が避雷針となりて雷が直撃……
通「残念だったな……」
かくて、みどりはここに沈むのであった……
……何とか砕華さいかのくのいちを退けた通であったが……しかし、闘いはここからが本番である……


続

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